暗号資産(仮想通貨)の今後の見通しは?将来性やよくある疑問を解説
仮想通貨は2008年にビットコインが登場して以来、市場規模やユーザーの拡大などの面で順調に成長してきました。一方、規模が大きくなってきた影響から、世界各国で規制を強化する動きなども広がりつつあります。今回の記事では今後5年、10年単位で成長する可能性がまだ残っているのか、また今後の展望なども解説していきます。
暗号資産(仮想通貨)はこれから伸びる?今後の見通し
仮想通貨市場は2023年現在は価格が下落し市場には停滞感がありますが、今後の大型アップデートを控えた仮想通貨もあり、引き続き注目要素があります。近年では機関投資家などの市場参入も増え、大きな資金が市場に影響を及ぼすようになりました。さらに最近話題のインフレーションなどのリスクに対するヘッジ資産としての可能性についても言及します。
2022年の初めは大暴落
仮想通貨の昨年の大暴落の原因の1つとしては、米連邦準備理事会(FRB)のテーパリング加速だと推測されています。アメリカの政策金利の引き上げや量的引き締めによって、株式のみならず、仮想通貨にも売却の圧力がかかっています。コロナ後の金融緩和政策や政府による給付金を通じたばら撒きにより、一部の資金が仮想通貨市場に流れたことが要因となり、昨年まで価格が上昇していました。しかし現在はこの政策が逆回転したことで、仮想通貨市場のみならず金融市場全体から資金が引き上げられる傾向があるため価格が下落しています。仮想通貨市場は拡大するに連れ、中央銀行の金融政策などマクロイベント動向に影響を強く受けるようになり、価格が左右される傾向が強くなりました。今後も中央銀行の金融政策や政府の財政政策の影響は増すと見られ、注視が必要です。
大型アップデートの実施がもたらす影響
仮想通貨は大型のアップデートが実施されると値上がりやすい傾向が見られます。大型アップデートを行うことにより、市場の注目度が上がり、コインが買われる事例があります。イーサリアムは今後、イーサリアム2.0と呼ばれる大型アップデートを控えています。これにより2021年は最大で約580%も価格が上昇しました。これはビットコインの140%の上昇率を大きく上回る結果となりました。ネットワークがアップグレードされることにより利便性が上がるとの思惑からイーサリアムは買われました。このように仮想通貨市場では、ネットワークの大型アップグレードが行われることが発表されると、投機熱が加速し、価格が上昇する傾向があります。今後もネットワークのアップグレードなどの発表には要注目です。
機関投資家の動きとレートの上昇
機関投資家が仮想通貨への投資に意欲を燃やすほど、今後のレートは上昇しやすくなる可能性があります。近年は機関投資家からの多くの資金が仮想通貨市場に入ってくるようになり、市場規模も順調に拡大しています。2021年には市場規模が一時3兆ドルを突破し、2018年と比べると4倍以上に拡大しました。昨年大きく成長した要因として、ビットコインETF(上場投資信託)がアメリカで取引が開始されたことが挙げられます。証券化されたビットコインが株式市場で取引されるようになり、大きな資金を運用する機関投資家が参入しやすい環境が整ってきました。2018年も同様にビットコインの先物取引が開始されたことで、新たな資金流入があり、相場の盛り上がりに繋がりました。
決済手段としての暗号資産(仮想通貨)の利用増
海外では、大手企業のチェーン店が仮想通貨での料金支払いに対応しており、オンライン決済でもビットコインが使えるようになっています。昨年は相場が盛り上がったこともあり、アメリカでは実店舗でビットコインを支払い手段として使える場所が増えてきました。日用品の販売大手ホームデポやスターバックスの一部店舗でビットコインの支払いが可能になり、実生活で利用できる場面は徐々に広がりつつあります。電気自動車大手のテスラは、CEOであるイーロン・マスク氏が仮想通貨を推していることもあり、テスラでは仮想通貨の支払いの受付を開始しました。ビットコインはオンライン上の取引のみならず世界中で受け取る企業や個人が増えていることも今後の伸び代があることを示しています。
ヘッジ資産になる可能性
コロナの影響で世界的に経済が失速し、様々な国で景気対策・金融緩和が実施されましたが、その影響でインフレが加速しています。仮想通貨はそんな時のヘッジ資産になる可能性があります。日本では長年物価が上昇しないデフレ経済に陥っていましたが、近年ではインフレするようになってきました。インフレの主な要因は、コロナ禍でばら撒きすぎた紙幣の価値が下落していることが要因です。ビットコインも対円と対ドルでは今年の下落幅が異なり、為替の影響を反映しています。円の価値がドルに対して大きく下落しているため、ビットコインの対円は対ドルより下落が抑えられています。2022年以来は相場全体が下落しているためビットコイン価格も下落していますが、相場が持ち直せば対円で大きく上昇する可能性があるでしょう。通貨の下落に対するヘッジ資産としての注目度は今後も増すと予想されます。
暗号資産(仮想通貨)は今後の2025年〜2030年までにどうなっている?
今後の仮想通貨市場では、新たな規制が設けられる可能性が高くなっています。近年の流れから各国で取引を制限する動きも加速するものと予想されています。一方で仮想通貨を使った資金調達やメタバースの発展により市場の拡大も同時に期待されます。
暗号資産(仮想通貨)取引へ制限をかける枠組みが生まれるリスク
まずは今後のリスクについて触れていきます。仮想通貨の取引にかけられる制限は、市場価格に直接的な影響を与えるものです。仮想通貨に投資する上でチェックしておくべきものは、世界的な仮想通貨の取引に制限をかけられる枠組みが作られるかどうかです。日本でも海外の取引所への取引制限がかけられる事例が増えています。海外仮想通貨取引所大手のBitmexやFTXでは、以前は日本のユーザーにも取引サービスが提供されていましたが、現在は日本のユーザーに対して取引サービスを提供していません。自国のユーザーに対して海外の取引所へのアクセスを制限する流れは今後も続くと考えられます。海外の取引所にアクセス制限がかけられると保有資産を出金する必要が出てくるため、海外取引所を利用するユーザーは注意が必要です。
暗号資産(仮想通貨)への法規制を強める国が増える可能性
もう一点、今後の仮想通貨市場のリスクを挙げます。中国では、仮想通貨の法規制が実施されたことで、2017年9月と2021年5月に仮想通貨の価格が大暴落したことがありました。中国では以前から仮想通貨に対する規制を強化することが噂されていましたが、2021年には本格的に禁止することを発表しました。中国ではビットコインのマイニングを行う多くのマイナーが市場の撤退を余儀なくされたため、一時的に相場が大混乱となりました。中国のように仮想通貨の利用を完全にシャットダウンできる国は少ないと考えられますが、今後、政府の影響力が強い国では仮想通貨利用の禁止などの強硬手段を取る国が出てくるかもしれません。禁止する国が出てくると短期的には市場や価格に悪材料となるでしょう。
資金調達の一手段として定着する兆し
今度は、今後のポジティブな見通しについて解説します。資金調達については、企業が仮想通貨を発行して資金を得るICO(Initial Coin Offering)や、有価証券の機能が与えられたトークンを発行して資金を得るSTO(Security Token Offering)などの方法が挙げられます。仮想通貨(暗号資産)を使用した資金調達には課題がたくさんありますが、今後の発展に期待です。仮想通貨市場では、独自トークンを発行し早い段階で資金調達することで新たなプロジェクトが次々に生まれています。独自トークンはプロジェクトのアプリケーション内で利用したり、市場で取引することもできます。独自トークンの価格が急落することもあり投資対象としてはリスクが高いものの、一般的なアプリ利用が目的であれば大きな損失を抱えることもないでしょう。
メタバースの普及が追い風に
最近流行りのメタバースが今後の仮想通貨市場の起爆剤になる可能性があります。メタバース内で仮想通貨を決済手段として利用する事例が増えることも予想されます。また、多種多様な多国籍企業のサービス内で利用できるようになるかもしれません。メタバース空間でNFT(Non-Fungible Token)を鑑賞したり、楽しんだりできる新たなサービスなども出現し、今後さらに多様なサービスが出てくるものと考えられます。将来的にはメタバースでの空間がよりリアルに感じられるプロダクトが出てくると予想され、仮想通貨市場が大いに活性化するポジティブな影響があるでしょう。米大手企業もメタバースへの開発を積極的に行っており、今後の一大産業に発展する可能性を秘めています。
暗号資産(仮想通貨)の今後や将来性についてよくある疑問
この章では、仮想通貨の将来性や今後期待できる銘柄の探し方などの疑問についてお答えしていきます。取引最低額はいくらかなど、基本的な疑問から今後仮想通貨を買うべき時期などにも触れていきます。
暗号資産(仮想通貨)に将来性は望める?
決済手段として仮想通貨を使用できる店が増え、仮想通貨のプラットフォームはビジネス・医療業界などでも使われています。ユーザー数は徐々に増えており、市場規模も長期的に伸びています。さらに現在は、あらゆるものがトークン化されるNFTや、新たな経済圏となる可能性があるメタバースの開発が活発に行われています。仮想通貨を産業の1つの分野として捉えた時、ユーザー数や市場規模、今後新たなサービスが展開されることを考慮すると仮想通貨にはまだまだ将来性があると言えるでしょう。
将来性のある暗号資産(仮想通貨)はどうやって探す?
時価総額がどのくらい高いのか、プロジェクトは高い確率で成功しそうか、大手企業が出資・提携しているかなどに注目することが大切です。さらに今後ユーザーが増えていくアプリケーションで使われる仮想通貨かどうかを判断しましょう。近年では市場の拡大とともに取引所が発行するトークンなどは、ユーザーの増加と同時に価格も上昇してきました。市場が拡大すると、時価総額が最も大きいビットコインの価格の安定的な上昇が期待できますが、これから伸びるといった部分では新興分野のトークンの価格の大幅上昇も期待されます。やはり今後のユーザーの急増が予想されているメタバース関連の仮想通貨などは将来性があると考えられています。
暗号資産(仮想通貨)は今後いつ買うべき?
暴落のタイミングを把握したり、チャート分析で判断したり、仮想通貨の良いニュースを見た時に購入するなど、買うタイミングは意外と多いと言えるでしょう。長期的な視点からは、仮想通貨の市場サイクルはビットコインの半減期サイクルと重なっていると言われています。半減期の同年または翌年に市場が盛り上がる傾向があり、次のビットコインの半減期は2024年に予定されています。さらに現在はマクロ的な視点で、金融市場全体が金利の上昇局面にあたるため、リスク資産である仮想通貨市場には資金が流入しづらい状況と言えます。逆を言えば、金利が下がる局面では市場に資金が流入しやすくなるため、今後のアメリカ中央銀行の金融政策変更から市場が盛り上がる時期を予想することも可能でしょう。
暗号資産(仮想通貨)は何円から取引することができる?
仮想通貨取引は、その各取引所によって、100円から取引ができる場所もあります。bitabnkなら最低入金額はありません。株式投資では、最低数万、または数百万円単位が最低投資金額となっている銘柄があり、個人投資家の参入障壁になっていると言われています。しかし仮想通貨は株式投資と比べかなり少額から取引を開始することができます。投資初心者の方でも少額から始められると投資リスクを抑えることができるため、仮想通貨市場では個人投資家が多い要因となっています。
暗号資産(仮想通貨)は今後も大きな発展を遂げる可能性あり!注目し続けよう
仮想通貨市場は今年に入り価格の下落に関するニュースが増えていますが、長期的に見るとまだまだ発展の余地が大いに残されている分野です。過去をさかのぼると仮想通貨市場の暴落はこれまで何度も起こっており、今年に始まったことではありません。参加者が少しずつ入れ替わりながらも、全体としてユーザーは増加傾向を維持しています。新たなサービスがこれからも誕生し、新たな経済圏を構築する可能性がある仮想通貨の今後にも引き続き注目です。