仮想通貨(ビットコイン)はなぜ価値がある?仕組みや将来性をわかりやすく解説
仮想通貨に価値があるのは、新技術であるブロックチェーンが採用されていたり、通貨として高い機能性をもっていたりするためです。
一方で、仮想通貨のセキュリティ面や価格下落のリスクなどから「価値がない」といった声もあります。プラス面とマイナス面、どちらも理解したうえで仮想通貨投資を行いましょう。
本記事では、仮想通貨の価値について以下の項目を解説しています。
【この記事を読むとわかること】
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仮想通貨になぜ価値があるのか気になる方は、参考にしてください。
【疑問】仮想通貨にはなぜ価値があるのか
仮想通貨は2024年6月現在、新しい投資先として注目を集めています。
まずは、仮想通貨に価値がある理由から見ていきましょう。
- ブロックチェーン技術が新たな金融システムとして期待されているから
- 需要と供給のバランスで価値が高まるから
- 仮想通貨の知名度が高まっているから
- 実用性があるから
ブロックチェーン技術が新たな金融システムとして期待されているから
仮想通貨に価値が生まれている理由は、ブロックチェーン技術が新しい金融システムとして期待されているからです。
従来の金融システムは、国や銀行などが管理している「中央集権型金融」で成り立っていますが、仮想通貨の金融システムは管理者がいない「分散型金融」です。
中央集権型金融と分散型金融の違いを下表で確認しましょう。
項目 | 分散型金融 | 中央集権型金融 |
採用例 | 仮想通貨 | 国・銀行 |
管理者 | 一般的になし | あり |
仕組み | 分散型ネットワーク | 中央集中型システム |
取引の透明性 | 高い(ブロックチェーン上で公開) | 限定的(機関内部で管理) |
セキュリティ | 暗号技術に依存 | 中央機関の管理に依存 |
仮想通貨は国や銀行など特定管理者の影響を受けずに、誰もが公平に利用できる金融システムであり、運営している組織もないため、コストを最小限に抑えられます。
仮想通貨の特徴であるブロックチェーンを活かして分散型金融が発展すると、従来よりも利便性の高い金融システムが生まれるため、仮想通貨には価値があると判断されるわけです。
需要と供給のバランスで価値が高まるから
ビットコインを代表とする仮想通貨は、供給よりも需要が上回る仕組みであるため、価値があると判断されやすい金融商品といえます。
ビットコインの発行枚数上限は2,100万枚と決められており、市場への供給量に上限があるからです。
金融商品は、需要と供給のバランスで価値が高まるため、ビットコインの仕組みが評価されています。
仮想通貨の知名度が高まっているから
仮想通貨は大企業との提携や店舗での実用化が始まっており、知名度が高まっているため、価値があると判断されています。
仮想通貨は歴史の浅い市場であり、大企業や公的機関との提携は信頼性を得るために重要です。
たとえば、2018年にリップル(XRP)が国際送金の大手企業であるマネーグラム社と提携を発表し、当時価格が25%以上急騰したため、いかに知名度が重要であるかわかります。
現在では、ビットコインが法定通貨に採用されたり、現物ETFが承認されたりなど良いニュースも豊富にあるため、世間の知名度は右肩上がりです。
実用性があるから
仮想通貨プロジェクトには、それぞれ目的が存在し、実用化が進むと価値があると判断されます。実際に、実用化が進んでいる例は以下のとおりです。
仮想通貨 | 実用化例 |
ビットコイン | ・ETF承認 ・法定通貨に採用 ・オンライン支払 |
イーサリアム | ・分散型金融の提供 ・ゲーム開発 ・NFT |
リップル | ・国際送金 ・決済通貨 |
仮想通貨はブロックチェーン技術の理解が難しく、怪しいイメージをもっている方も多いですが、実用化が進み、便利な技術だと理解されはじめているため、「価値がある」と投資家から判断されています。
【復習】仮想通貨の基礎知識
仮想通貨になぜ価値があるのか理解するために、基礎知識を復習しておきましょう。
まず仮想通貨とは、ブロックチェーン技術を基盤とし、中央銀行や政府の介入なしに取引が行われるデジタル資産です。
ブロックチェーンを簡単に説明すると、ネット上で公開されているデジタル帳簿であり、特性を活かして投資手段としてだけでなく、新しい金融システムとしても注目されています。
たとえば、誰かがブロックチェーンに記録されている情報を変えようとしても、他の人が「情報が違う」と気がつくため、安全に管理できるのが特徴です。
ビットコインと法定通貨との違いを、下表で確認してみましょう。
ビットコイン | 法定通貨 | |
管理 | 分散型ネットワークで運用され、中央管理者が存在しない | 中央銀行や政府が管理している |
発行枚数 | 上限2,100万枚 | 中央銀行や政府が市場への流通量を調整する |
価格の決まり方 | 需要と供給で決まる | 流通量を調整し、価格の安定を計る |
法定通貨は中央銀行や政府が介入して、発行枚数を調整して価格を安定させています。一方で、仮想通貨は管理者がいないため、価値が市場の需要と供給のバランスのみで決まるのが特徴です。
なぜ仮想通貨に価値があるのか理解するためにも、基礎知識は取引前に抑えておきましょう。
基礎知識の詳しい内容につきましては、以下の記事も参考にしてください。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/kyokasho-useful
仮想通貨の価値が上がるタイミングはいつ?
仮想通貨の価値が上がるタイミングを理解しておくと、投資を検討している銘柄の分析にもつながります。
ここでは、仮想通貨の価値が上がるタイミングについて以下3つの項目を解説します。
- 大企業がプロジェクトに参入したとき
- 半減期で供給量が減ったとき
- 資産価値が証明されたとき
大企業がプロジェクトに参入したとき
仮想通貨プロジェクトに大企業が参入すると、世間からの信頼性や投資できる資金力に注目されるため、価値が上がるタイミングといえます。
大企業が仮想通貨プロジェクトに参入することによる市場への影響は、以下のとおりです。
- 大企業の資金力による取引量の増加し、価値の上昇につながる
- 技術開発に多額の投資資金が入るため、技術の向上につながる
- 仮想通貨を使った実用性のあるサービスが生まれる
具体例として、「テスラ」や「ペイパル」が仮想通貨市場に参入した影響を見てみましょう。
企業 | 内容 | 影響 |
テスラ | 2021年2月にビットコインを15億ドル購入 | 当時のビットコイン最高値を更新 |
ペイパル | 2020年10月に仮想通貨サービスを開始 | 当時のビットコイン最高値を更新 |
大企業が参入すると、多額の資金が入るため、技術開発やサービス提供が進みます。
実際に仮想通貨を活用したサービスが提供されるため、価値が上がるタイミングになるわけです。
半減期で供給量が減ったとき
ビットコインには「半減期※」と呼ばれる仕組みがあり、期間前後で仮想通貨市場の価値が上がる傾向にあります。
※半減期:約4年ごとにビットコインの新規発行枚数が半分になる期間
ビットコインが半減期を迎えると、市場への供給量が減少するため、需要が増加し価格も上昇します。
過去半減期を迎えたときのビットコイン価格は、以下のとおりです。
時期 | 価格 |
2012年11月~2013年11月 | 約12ドルから約1,000ドルに上昇 |
2016年7月~2017年7月 | 約650ドルから約2,500ドルに上昇 |
2020年5月~2021年5月 | 約8,500ドルから約60,000ドルに上昇 |
参考:コインマーケットキャップ
ビットコインの半減期を迎えると、供給量より需要が上回るため、価格が上昇します。
半減期は一部の仮想通貨銘柄にしかありませんが、結果的に他の銘柄も影響を受けて市場価値が高まります。
資産価値が証明されたとき
仮想通貨は資産価値が証明されると、信頼性や需要の増加につながるため価値が上がります。
過去には、以下の出来事によって資産価値が証明されました。
資産価値が証明される例 | 内容 |
ETF承認 | 金融資産として証明され金融機関の資金が入る |
大企業の参入 | 資金力で技術革新が進む |
実用化 | 国際送金や決済手段に利用されて資産価値が証明される |
仮想通貨は、世間的に見ると認知度が低く、資産価値があると理解されていません。
しかし、金融機関や大企業の資金が入り、実際に利用されるとデジタル資産としての価値が証明されるため、市場価値が上がります。
仮想通貨に価値がないといわれるのはなぜ?4つの意見を紹介
仮想通貨への投資を検討する場合、プラスとマイナスどちらの意見も重要であるため確認しておきましょう。
ここでは、価値がなく普及しないといわれる理由について以下4つを解説します。
- ハッキングや詐欺などのリスクがある
- 価格の変動幅が大きい
- 法整備が行き届いていない
- 価格の基準がない
ハッキングや詐欺などのリスクがある
仮想通貨にはハッキングや詐欺のリスクが存在するため、価値がないとする意見も存在します。
詐欺やハッキングは、ブロックチェーン技術の特徴であるデータの改ざん防止やセキュリティの高さを打ち消しているためです。
過去に起こったハッキング事例と被害額を下表で見てみましょう。
取引所 | 時期 | 被害総額 |
マウントゴックス | 2014年 | 470億円 |
コインチェック | 2018年 | 580億円 |
ビットポイント | 2019年 | 35億円 |
FTX(海外) | 2022年 | 500億 |
DMMBitcoin | 2024年 | 480億円 |
仮想通貨取引所ではたびたびハッキング被害が発生しているため、リスクが高く価値はないとされています。
ただ、ハッキング事件に限ると、問題があるのはブロックチェーン技術ではなく取引所の管理体制です。仮想通貨に価値がない証明にはならないため、関連事件が起きたときは背景を正しく理解しましょう。
仮想通貨リスクの詳しい内容につきましては、以下の記事も参考にしてください。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/bitbankplus-column-trading-risk
価格の変動幅が大きい
仮想通貨は、価格の変動幅が株式や法定通貨よりも大きく安定していないため、資産価値がないと判断されています。
ビットコインの価格推移と日経平均株価の価格推移を比較してみましょう。
2023年最安値 | 2023年最高値 | 変動率 | |
ビットコイン | 約210万円 | 約650万円 | 209% |
日経平均株価 | 25,661円 | 33,853円 | 32% |
参考:YAHOOJAPANファイナンス「日経平均株価」
TradingView「ビットコイン/日本円」
日経平均株価の価格は安定していますが、ビットコインは一年で価格が半分になったり、数倍になったりするほど変動幅が大きいため、価値はないと判断されてしまいます。
ただ、変動幅が大きい分、各取引所の最小取引額は低く設定されているため、リスクは自分の判断で調整できます。
国内取引の規制が多い
日本国内の仮想通貨取引は、規制によってユーザー保護を重視しています。国内での仮想通貨取引は投資戦略が限定されており、利益が出しにくい環境です。
具体的には、金融庁主導で以下のような規制を行っています。
- レバレッジは2倍までに制限
- 上場銘柄数を制限
- 税率が高い
参考:金融庁「暗号資産(仮想通貨)に関連する制度整備について」
国内の仮想通貨取引は、株式投資やFXと違いリスクが高いため、レバレッジ倍率や銘柄数が制限されています。税率も雑所得に該当し「累進課税」となるため、決して優遇されているとはいえません。
仮想通貨は本来誰もが平等に使える資産といえます。ただ、国によって自由度が違い、利用できるサービスも限定されてしまうため、価値がないと投資家から判断されています。
日本国内企業の仮想通貨に対する含み益は、課税対象にならない動きも出ているため、今後の法整備に期待してみましょう。
価格の基準がない
仮想通貨には現在価格が適正なのか測る基準がなく、高いか安いか判断ができないため、価値がないとされています。
たとえば、株式投資なら業績や指標から現在価格が適正なのか判断できる一方、仮想通貨は市場の歴史が浅く、現在価格は適正なのか判断できません。
投資をしようと思っても価格の基準もないため、価値がないと判断する意見もあります。
ただ、現物ETFが承認されて、資産価値があると判断されたビットコインやイーサリアムの時価総額は、判断材料になることが期待されています。
【将来性あり】仮想通貨の価値が高まることを裏付ける4つの理由
ここでは、以下4つの裏付けを紹介するため、仮想通貨に投資する判断材料として参考にしてください。
- ビットコイン現物ETFが承認されている
- ブロックチェーンプロジェクトが拡大している
- 法定通貨や決済手段として普及している
- 大手企業や著名人が市場に参加している
ビットコイン現物ETFが承認されている
ビットコインの現物ETFは、今後仮想通貨の価値が高まる裏付けといえます。
現物ETFの承認は、ビットコインがデジタル資産としての証明であり、今後仮想通貨市場へ投資される資金が増加するためです。
比較対象として、同じく管理者のいない金融資産であるゴールドの価格推移を見てみましょう。
ゴールドETFは2024年にニューヨーク証券取引所に上場し、以下の価格推移をたどっています。
年 | 価格 |
2003年 | 約400ドル |
2011年 | 約1,600ドル |
2024年 | 約2,300ドル |
参考:TradingView「金/アメリカドル」
ETFが上場して低コストでゴールドを取引できるようになり、20年間で約400%も上昇しているため、ビットコインも市場参加者が増えて、価値が上がる可能性はあります。
ビットコイン現物ETFの承認だけを見ても、今後の価値が高まる裏付けになるでしょう。
ビットコイン現物ETFの詳しい内容につきましては、以下の記事も参考にしてください。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/bitbankplus-column-bitcoinetf
ブロックチェーンプロジェクトが拡大している
仮想通貨の基盤であるブロックチェーン技術が金融業界や物流業界などの産業に応用され、仮想通貨の実用性と需要を高めているため、価値があるとされています。
ブロックチェーンプロジェクトを進めている企業と内容は、以下のとおりです。
企業 | プロジェクト名 | 分野 | 効果 |
JPモルガン・チェース | Quorum | 金融 | 銀行間決済の効率化、JPMコイン導入(独自通貨) |
マースク & IBM | TradeLens | 物流 | サプライチェーンの透明性・効率性向上 |
LO3 Energy | Brooklyn Microgrid | エネルギー | 分散型エネルギー取引の実現 |
実例からもわかるように、ブロックチェーンプロジェクトの拡大は、仮想通貨の実用性を向上させつつ価値を高める重要な要素です。
法定通貨や決済手段として普及している
仮想通貨は、法定通貨として採用されていたり決済手段として普及していたりするため、価値がある裏付けといえます。
法定通貨や決済手段としての普及が価値上昇につながる理由は、信頼性が高まり、需要が増加するためです。
今まで仮想通貨を何に利用するのか理解できなかった層に、用途を示せるとさらに市場参入者が増えます。
実際に、法定通貨や決済手段として採用された例は以下のとおりです。
- エルサルバドルがビットコインを法定通貨として採用
- ペイパルが決済手段として仮想通貨を採用
- SBIホールディングスがリップル(XRP)をアジア地域の送金サービスとして活用
すでに仮想通貨は、国や大手企業も実際に利用しているため、今後も、法定通貨や決済手段としての役割が増える可能性は高くなります。
大手企業や著名人が市場に参加している
仮想通貨は大手企業や著名人がすでに参入しているため、価値がある市場と判断できます。
資金のある大企業や、発言に影響力のある著名人が参入しているのは、仮想通貨市場には投資価値があると評価しているからです。
大企業が参入すると、資金が集まるため市場は発展します。著名人が参入していると発言すると、今まで仮想通貨に興味のなかった層も注目するでしょう。
たとえば、海外の実業家であるイーロン・マスクは、2021年1月にドージコインへの支持を表明しました。
イーロン・マスクの発言で当時、ドージコインの価格は以下のように急騰しています。
発言日付 | ドージコイン価格 |
2021年1月 | 0.007ドル |
2021年5月 | 0.68ドル |
参考:TradingView「Dogecoin/TetherUS」
約100倍も高騰しており、いかに著名人の発言が仮想通貨の価値に影響を与えているかわかります。
仮想通貨の価値はこれから上がる可能性あり!今から準備を始めてみよう
仮想通貨はブロックチェーン技術を基盤とし、中央銀行や政府の介入なしに取引が行われるデジタル資産です。
ブロックチェーン技術の特性により、投資手段としてだけでなく、新しい金融システムとして注目を集めているため価値があります。
実際に、大企業や著名人が市場に参入し、国の法定通貨に採用された実績もあるなど、資産価値は証明されつつあります。
投資家からの注目を集めている仮想通貨ですが、これから取引を始めても間に合う段階です。まずは取引所の口座を開設して、いつでも参入できる準備を整えておきましょう。