【2024年版】ビットコイン(仮想通貨)のマイナーとは?報酬や始め方を解説
ビットコインマイナーとは、新しいビットコインを生み出す(マイニング:採掘)重要な役割を担う存在です。新しいビットコインを生み出すための取引検証作業に対する報酬として、マイナーにはビットコインが支払われます。
利益を上げられる可能性があるマイナーになるには、事前の準備や知識が必要です。本記事では、ビットコインマイナーの役割や仕組み、メリットとデメリットを解説します。
【この記事を読むとわかること】
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マイナーになって定期的にビットコインを手にいれる方法もまとめているため、ぜひ参考にしてください。
ビットコイン(仮想通貨)マイナーとは?
ビットコイン(仮想通貨)マイナーは、ビットコインネットワークのセキュリティと安定性を維持するための重要な存在です。主な役割と特徴をまとめると以下のとおりです。
- マイニング(採掘)を行うネットワーク参加者に該当する
- 流通量に応じてマイナーへ報酬が支払われる
マイニング(採掘)を行うネットワーク参加者に該当する
ビットコイン(仮想通貨)マイナーとは、取引の承認とブロックチェーンの新しいブロック生成を担当するネットワーク参加者です。ブロックチェーンとは、すべての取引履歴が記録された巨大な帳簿で、ブロックは取引記録の集合体です。
マイナーは高性能なコンピュータを使用して複雑な計算問題を解いた後、ビットコインの送受信が正しいかを確認します。取引を検証し、ブロックを生成するまでの作業をマイニング(採掘)といい、世界中のどこからでも参加可能です。
各マイナーは、自分のコンピュータや専用の機器を使用してマイニングを行います。
マイニングの概要については、以下の記事を参考にしてください。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/bitbankplus-column-pow
送金手数料に応じてマイナーへ報酬が支払われる
ビットコインのマイナーは、取引の処理や新しいブロックの生成に対する貢献に応じて報酬を受け取ります。マイナーが新しいブロックを生成すると、新規発行のビットコインの他にユーザーが支払った送金手数料がビットコインとして与えられます。
取引の数や規模が増えると、マイナーが受け取る報酬も増加する仕組みです。マイナーが取引を処理するためのインセンティブ(報奨金)として受け取ります。
つまり、ビットコインネットワーク上で行われる取引が多いほど、マイナーが受け取る報酬も増えるのです。
ビットコインマイナーがもらえる報酬額
ビットコインマイナーがもらえる報酬額は、収入源によって異なります。マイナーの主な収入源であるブロック報酬と、トランザクション(取引)手数料がいくらになるか、以下の順番で解説します。
- ブロック報酬とトランザクション(取引)手数料がもらえる
- ブロック報酬は半減期ごとに減少する
ブロック報酬とトランザクション(取引)手数料がもらえる
マイナーが新しいブロックを生成すると、ブロックに一定量の新しいビットコインが与えられ、報酬として受け取れます。受け取れる報酬額は、2024年4月の半減期以降、1ブロックあたり3.125BTCです。
ビットコインを送金する人が支払うトランザクション(取引)手数料は、比較的低額です。手数料は、取引量が増えてネットワークが混雑したときに高くなる傾向にあります。
報酬額はビットコインの価格や取引量、ネットワークの混雑状況などに応じて変動するため、安定した収益を上げることが難しくなります。
ブロック報酬は半減期ごとに減少する
ビットコインのマイニング報酬は、約4年ごとに発生する半減期ごとに減少し、報酬額が半分になります。「ハービング」と呼ばれる仕組みで、ビットコインの希少性を高めるのが主な目的です。
ハービングが近づくと、マイナーに与えられる報酬が減るため、採算が合わないマイナーは撤退を余儀なくされます。生き残るためには、より効率のよい機械への投資や電気代の安い地域への移転といった工夫が必要です。
ビットコインの発行枚数について気になる方は、以下の記事を参考にしてください。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/bitbankplus-column-btc-issuance
ビットコインマイナーの役割
ビットコインマイナーは、ビットコインネットワークを支える重要な存在です。主な役割は以下のとおりです。
- 取引の検証と承認
- ブロックチェーンの維持
- ビットコインネットワークの安全性を確保
取引の検証と承認
マイナーは、ネットワーク上で行われるすべての取引を確認・検証し、問題がないかチェックします。マイナーの主な役割は、確認作業を行い、問題がなければ承認手続きを済ませることです。
たとえば、マイナーはビットコインを送金する人が十分な通貨をもっているか、二重支払いをしていないかを確認します。不正な取引を防ぐためにも、マイナーの確認作業は不可欠です。
確認された取引情報はひとつのブロックにまとめられ、ビットコインの場合は約10分ごとにネットワークに追加されます。一度追加された情報は取り消せないため、ハッカーによって操作される心配もありません。
ブロックチェーンの維持
ブロックチェーンの信頼性は、マイナーによる取引の検証と新規ブロックの生成作業によって維持されています。マイナーはビットコインの取引情報をひとつのブロックにまとめ、既存のブロックチェーンに追加するのが主な役割です。
新しいブロックを生成するために、マイナーは「プルーフ・オブ・ワーク」と呼ばれる計算問題を解く必要があります。この問題を最初に解いたマイナーが、新しいブロックを提案する権利を得る仕組みです。
提案された新しいブロックは、ビットコインネットワーク全体で検証されます。他のノード※がブロックの正当性を確認し、合意が得られるとブロックチェーンに追加されます。
※パソコンや専用のデバイスなどのこと
一連の検証プロセスにより、ネットワーク全体が一貫性のあるブロックチェーンを維持できるのです。また、このシステムによって、約10分ごとに新しいブロックを生成するペースが保たれています。
ビットコインネットワークの安全性を確保
マイナーたちが競争して複雑な数学的問題(ハッシュ計算)を解くことで、悪意ある攻撃からネットワークが守られています。
この仕組みはプルーフ・オブ・ワーク(PoW)と呼ばれ、約10分に1回のペースで新しいブロックが生成されます。各ブロックは前のブロックのハッシュ値※を含む構造であるため、過去の取引記録の改ざんは極めて困難です。
※データを一定の長さに変換した値で、ブロックごとに異なる
たとえば、1年前の取引を改ざんしようとすると、全ブロックのハッシュ値を再計算し、ネットワークの過半数の承認を得る必要があります。
一度つなげたブロックの中にある取引記録を書き換えるには、膨大な計算能力と電力を必要とします。改ざんは経済的に割に合わず、現実的に困難です。
【4STEP】ビットコインマイナーの始め方
ビットコインマイナーは企業や団体だけでなく、個人でも始められます。マイナーの始め方は以下のとおりです。
- マイニング用の演算機器(ASIC)を用意する
- マイニングソフトをダウンロードする
- 仮想通貨ウォレットを準備する
- マイニングソフトとウォレットを連携する
1.マイニング用の演算機器(ASIC)を用意する
マイニングを始めるには、専用の演算機器であるASICが必要です。ASICは高性能で効率的なマイニングを可能とします。
選ぶ際には性能や電力効率、メーカーの信頼性などを考慮して比較・検討しましょう。新品の機材は高価なため、中古機器の購入も選択肢のひとつです。
ただし、故障する恐れもあるため、選ぶ際には注意しましょう。
2.マイニングソフトをダウンロードする
ASICを用意したら、次はマイニングソフトウェアをダウンロードしましょう。以下のソフトウェアはマイニングソフトとして有名で、ダウンロードは無料です。
- NiceHash
- EasyMiner
- CGMiner
ソフトウェアの選択は、使用するASICの種類や参加するマイニングプールによって異なります。マイニングプールとは、複数のマイナーが計算能力を集約し、協力してビットコインをマイニングする仕組みです。
設定ミスによってマイニング効率が低下したり、セキュリティリスクが高まるため注意しましょう。
3.仮想通貨ウォレットを準備する
マイニングで得たビットコインを保管するために、仮想通貨ウォレットを準備しましょう。ウォレットの種類をまとめると以下のとおりです。
ウォレットの種類 | 説明 |
デスクトップウォレット | パソコンにインストールして使用するウォレット |
ウェブウォレット | インターネット上のサービスを通じてアクセスするウォレット |
ハードウェアウォレット | 専用のハードウェアデバイスに仮想通貨を保管するウォレット |
オンラインで使えるウォレットは便利な一方で、ハッキングのリスクがあります。一方でハードウェアウォレットの安全性は高い点が強みである一方、別デバイスにつなげるため使い勝手は悪くなります。
ウォレットの特徴と利便性を理解し、自分に最適なウォレットを選びましょう。ウォレットの具体的な作り方については、以下の記事を参考にしてください。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/bitbankplus-column-wallet
4.マイニングソフトとウォレットを連携する
マイニングソフトにウォレットのアドレスを入力して連携させれば、マイニングで得た報酬を自動的にウォレットに送金できます。アドレスを間違えると、報酬が別のウォレットに送られてしまう可能性があるため注意しましょう。
連携方法は、使用するソフトウェアやウォレットによって異なります。設定が完了したら少額の取引でテストを行いつつ、定期的に設定を確認し、問題がないか確認しましょう。
マイニングについて気になる方は、以下の記事を参考にしてください。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/kyokasho-mining
ビットコイン(仮想通貨)マイナーになるメリット
ビットコイン(仮想通貨)マイナーは、専門の業者や団体だけでなく、個人でも参加できます。マイナーになるメリットは、以下のとおりです。
- 報酬としてビットコインを定期的に獲得できる
- 仮想通貨の積み立てを行える
- 短期的な価格変動を気にする必要がない
ブロック生成の成功報酬としてビットコインを獲得できる
ビットコインマイナーになりマイニングに成功すると、ビットコインを獲得できます。そのため、ハッシュレートが高いマイナーの方が多く収入を得られる可能性があります。
マイニングの収益性は、ビットコインの価格変動やネットワークの難易度、電力コスト、機器の効率性など、多くの要因に左右されます。
2024年現在、マイニングには高性能なASICマイナーや大量の電力が必要であり、初期投資とランニングコストが高くなっています。収益を上げるためには、低コストの電力へのアクセスや最新の採掘機器への継続的な投資が不可欠です。
マイニングを検討する際は、ランニングコストと利益を十分に計算することが重要です。
大手のマイナーは仮想通貨の積み立てを行える
資金力があり大きなハッシュレートを保持するマイナーの利点は、市場価格の変動に関わらず作業を続ければ、結果的にドルコスト平均法(積立投資)のような投資戦略を実践できる点です。
ビットコインの価格が低い時期にマイニング作業で多くのコインを獲得すると、価格上昇時に高い価値をもつ可能性があります。一方で、価格が高い時期でも得られるビットコインの数は変わらないため、継続して報酬を受け取れます。
マイニングを通じた積み立ては、市場の短期的な変動に左右されにくく、長期的な視点で仮想通貨を貯蓄できます。
ビットコインの積み立てについて気になる方は、以下の記事を参考にしてください。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/bitbankplus-colummn-bitcoin-fixed-reserving
資金力があるマイナーは短期的な価格変動を気にする必要がない
運転資金に余裕がある大手マイナーは常に一定量のビットコインを生成し続け、価格が下がっているときに慌てて売りに出す必要がなく、将来の価格上昇に備えることができます。
ただし、マイニングの収益性は電気代やマイニングソフトのコストにも影響されるため、ビットコインの価格変動から完全に独立しているとはいえません。
資金力があるマイナーであっても効率的なマイニングと、獲得したビットコインの保有・売却に関する適切な判断が重要です。
ビットコイン(仮想通貨)マイナーになるデメリット
ビットコインマイナーになれば、報酬としてビットコインを定期的に獲得できます。ただし、以下のデメリットもあるため注意が必要です。
- 膨大な電気代がかかる
- 高額な初期投資が必要になる
- 競争が激しく個人での利益確保が難しい
膨大な電気代がかかる
ビットコインのマイニングに必要な演算機器・ASICの利用には、大量の電力が必要です。24時間365日稼働しつづける場合、膨大な電気代がかかります。
一般的なASICは1台あたり月に約3〜5万円の電気代がかかり、複数台運用する場合はさらに費用が膨らみます。電気代を抑えるには、電力料金の安い地域での運用や、太陽光発電などの再生可能エネルギーの活用が効果的です。
高額な初期投資が必要になる
ビットコインマイニングを始める際に必要なASICは高額で、複数台揃えるとなると数百万円の投資が必要です。
他にも、ASICを冷やす冷却設備や電源設備などの付帯設備にも費用がかかります。初期投資を抑えるには、中古機器の利用やクラウドマイニングサービスの活用がひとつの選択肢です。
競争が激しく個人での利益確保が難しい
ビットコインのマイニングは企業が市場を支配しており、個人マイナーの収益性は低下しています。マイニングの難易度は約2週間ごとに調整され、時間の経過とともに獲得できるビットコインの量は減少します。
そのため、集団で協力してマイニングを行うマイニングプールへの参加が効果的です。代表的なマイニングプールは以下のとおりです。
- F2Pool
- Nicehash
- Antpool
個人でマイニングを行って利益を上げることは難しいですが、プールに参加すると、安定して少額の報酬を得られる可能性が高まります。
ビットコインマイナーがもつ課題
ビットコインマイナーになれば、安定して仮想通貨を獲得できます。ただし、以下の課題点もあるため注意が必要です。
一部の企業に独占されている
一部の大企業によってマイニングが独占され、ネットワークの分散性に懸念点が出てきています。2024年5月、世界第2位のビットコインマイニングプールであるAntPoolが、7ブロック連続でマイニングを行いました。
上位の企業がマイニングを独占している状況は、ビットコインの根本理念である分散性に反しています。集中化を緩和するには、個人マイナーや小規模マイナーの参加を促進する必要があります。
他にも、規制当局による独占禁止法の適用や、ビットコインコミュニティによる自主的な分散化の取り組みが重要です。
ビットコインとマイナーに関するよくある質問
最後に、ビットコインとマイナーについてよくある質問を2つ紹介します。
- ビットコインマイナーがいなくなったらどうなりますか?
- マイニングの有名企業はどこですか?
ビットコインマイナーがいなくなったらどうなりますか?
ビットコインマイナーがいなくなった場合、ビットコインネットワークは機能を停止します。マイナーは取引の検証と新しいブロックの生成を担っているため、マイナーなしではネットワークが維持できません。
ただし、現実的にはすべてのマイナーが同時にいなくなるとは考えにくいです。マイニングの収益性が低下しても、一部のマイナーは将来の価格上昇を期待して活動を続ける可能性があります。
マイニングの有名企業はどこですか?
ビットコインマイニング業界には、世界的に有名な大企業が存在します。主要な企業名を並べると、以下のとおりです。
- Marathon Digital Holdings
- Hut 8 Mining Corp
- Riot Platforms
- CleanSpark Inc.
- Hive Digital Technologies
上記の企業は、マイニングハードウェアの開発や大規模マイニング施設の運営を行う、業界をリードする存在です。ただし、企業によるマイニングの独占化が進んでいるため、ビットコインの分散性を脅かす存在でもあります。
ビットコインで利益を狙うならマイニングより取引所での売買がおすすめ!
ビットコインマイナーとは、新しいビットコインを生み出す存在です。マイニングの報酬としてビットコインを受け取れますが、利益を上げるためには事前の準備や知識が必要になります。
個人でマイニングを行うのは難易度が高いため、ビットコインで利益を得るならば、マイニングよりも仮想通貨取引所での売買がおすすめです。仮想通貨取引所での売買は少額から始められ、市場の動きに応じて売買の判断ができます。
仮想通貨に興味がありつつも、大きなリスクは避けたいという場合、まずは国内取引所で仮想通貨投資を始めてみましょう。初心者でも始めやすく、徐々に経験を積みながら投資を学べる環境が整っています。