ビットコインのマイニングって何?
ビットコインのマイニングとは?
ビットコインのマイニングとはブロックを生成するための演算作業を指し、これを行う人をマイナーと呼びます。ビットコインのブロックチェーンはマイナーがブロックを生成することで新たなチェーンが作られます。ブロックは10分毎に生成されるよう難易度調整されています。難易度は約2週間に1度変更されます。
マイナーは1つの解を探すために総当り方式で解を探す演算作業を行います。解を当てることに成功したマイナーはブロックを生成しネットワークへ送信します。ブロックはフルノードを立ち上げているネットワーク参加者によって検査され、正当なモノであると判断されるとブロックチェーンに追加されます。
これまでの工程をこなすとマイナーには作業報酬として新規発行のビットコインが付与されます。このビットコインを求めてマイナーは演算作業を行います。演算作業を行うにはハイスペックなコンピューターと大量の電気料金がコストとして発生します。このコストに見合ったビットコインを入手できるマイナーのみビジネスとして成り立つ仕組みになっています。
ビットコインが誕生した当初はマイニングを行っているユーザーはほとんどいなかったため、競争力が低く個人のコンピューターでもマイニングすることができました。しかし時間の経過とともにビットコインが高い価格で取引されるようになり、マイナーが急増しました。競争力も増し個人でマイニングを行うことがほぼ不可能になりました。現在は工場に何百台も同時に稼働させることができる法人がマイニングのメインプレーヤーになっています。
ビットコインマイニングの仕組みについて
ビットコインのマイニングの仕組みは、出題される計算問題に対して解を見つけるというシンプルなものです。しかし出題される計算問題は非常に難解で人間が暗算で解くことができないほどの計算量が求められます。そのためマイニングには数十万円もする高価なハイスペックコンピューターが必要になります。
マイニングを行う時、マイナーは10分間の間に暗号化されたランダムの数字を探す作業を行っています。例えば100以下の数字の一つが解だったとして、この解を当てるのは人間が手作業で行っても可能です。しかしビットコインのマイニングで出される数字は桁数が多くコンピューターを使わなければできないレベルにあります。
計算問題の難易度は約2週間に一度調整されるようになっており、解が10分間で見つかるように設定されます。計算問題を解こうとするマイナーが多ければ多いほど、難易度が上がり、少なければ下がるようプログラムされています。このためビットコインのブロックは常に10分間に一度見つかるようになっています。
難易度は2016ブロック毎に変更され、マイナーが2016ブロックを2週間以内に生成した場合はマイニング難易度が上がります。逆に2016ブロックをマイニングするのに2週間以上かかった場合は難易度は下がる仕組みになっています。
ビットコインの半減期は価格に影響があるの?
ビットコインの半減期は暗号資産(仮想通貨)投資をする上で最も重要なファンダメンタル情報です。ビットコインは半減期を迎えるとマイナーがマイニングした報酬が半分になる仕組みになっています。
ビットコインのソフトウェアが最初にリリースされた2009年当初、マイニング報酬は50ビットコインでした。演算作業を行いブロックを生成する毎に50ビットコインがマイナーへ付与されていました。2020年現在は、ビットコインはすでに3回の半減期を迎えマイニング報酬は6.25ビットコインにまで減少しています。
ビットコインは2012年11月に最初の半減期を迎えており、マイニング報酬は50ビットコインから25ビットコインに半減しました。当時は報酬の減少による悪い影響を危惧する声もありました。報酬が減少するとマイナーも減りネットワークのセキュリティ強度が落ちるとの予想がありました。しかし実際は半減期後もマイナーの演算処理量(ハッシュレート)は落ちることなく上昇を続けました。
これまでの値動きから半減期はビットコイン価格に良い影響を与えることが確認されています。バブルと表現されるような価格の高騰は半減期後に発生することが多くあります。これはマイナーからのビットコインの売り圧力が減少するため、価格が上昇しやすい相場環境に変化することが要因であると考えられています。今のところ、半減期はビットコインに良い影響をもたらすファンダメンタル要素と言えます。
ビットコインマイニングの方法と種類
ソロマイニング
ソロマイニングとはその名の通り個人が一人でマイニングを行うことを意味します。マイナーの中にはマイニングプールに参加して集団でビットコインのマイニングを行う人もいます。
個人でマイニングを行うメリットはマイニング報酬を独占できる点にあります。しかしその反面、マイニングにかかるコストも一人で支払いしなければなりません。マイニングには演算を行うためのコンピューターと電気代が主なコストとしてかかります。
ビットコインが登場して間もない頃は、ビットコイン自体に価格がついておらずマイニングをする人はごく少数でした。そのため個人のコンピューターの一部のCPUを使ってマイニングすることも可能でした。しかし日を追うごとにハッシュレートは上昇しており、マイニング競争は激化しています。
マイニングに成功すると報酬を独占できる一方、マイニングするための十分なハッシュレートを出せないと、ビットコインのブロックを生成できないというリスクもあります。現在はマイニング競争は非常に厳しく、工場を使って数百台のマイニング機器を同時に動かすマイニング企業もありるほどです。
個人でも大量のマイニング機器を稼働させれば企業に対抗することも可能性ですが、マイニング機器は24時間365日稼働しているためメンテナンスも一人で行うのは現実的には厳しいといえます。マイニング事業は現状、個人レベルではオペレーションが難しいレベルに達していると考えられています。
プールマイニング
プールマイニングとはソロマイニングとは異なりマイナーが集団で演算作業を行いブロックを探します。それぞれのマイナーがハッシュレートを共有(プール)することで、個人でマイニングするより効率的にブロックを発見することができます。個人で行うより安定的な収入を見込むことができるため、小規模のマイナーに好まれています。
プールマイニングを行うサービスをマイニングプールと呼び、マイニングプールは大手マイナーが運営しているものもあります。マイニングプールで得られた報酬はそれぞれのマイナーで分割されます。マイニングプールによって報酬の分割割合は異なりますが、概ね貢献したハッシュレートの割合によって報酬が割り当てられます。
マイニングプールは集団で演算作業をシェアし報酬もシェアするというマイニング方法です。個人はそれぞれマイニング機器を所有し通常のマイニング作業を行いますが、ハッシュレートを特定のプールに供給します。マイニング事業は日を追うごとに新たな機器が発売されたり競争が厳しくなっています。そこで個人ではブロックを発見することができないマイナーなどが集まり協力してマイニングを行っています。
クラウドマイニング
クラウドマイニングとは機器を持たない人がクラウド上の演算パワーを購入してマイニングを行うことです。マイニングには通常、演算を行う機器、機器を設置するためのスペース、機器の冷却装置などが固定費として掛かります。しかしクラウドマイニングでは、演算パワーを購入しマイニングを行うことができるため、初期費用などがかなり安く抑えられます。
クラウドマイニングを利用すると手軽にマイニングを始めることができるため、マイニング初心者の方に人気です。マイニング機器のメンテナンスなども必要ないため、コンピューターの知識がなくてもマイニングを行うことができます。ソロマイングやマイニングプールは実際に機器を動かしてマイニング作業を行いますが、クラウドマイニングでは自身で機器を動かすことはありません。
クラウドマイニングは資金さえあればマイニング事業に参加できるシステムです。世界のどこかにある工場で動かされているマイニング機器をリモートで動かす権利を買いマイニング作業を行います。手軽に始められるクラウドマイニングですが、予定されていた報酬が支払われないなどの詐欺事件も発生してるため、マイニング機器がある工場の場所が特定できることなど詳細の確認が必要です。
ビットコインのマイニングで得た税金はどうしたら良い?
ビットコインや他の暗号資産(仮想通貨)のトレードで得られた利益は課税対象にされており税金を納めなければなりません。これはマイニングで得た利益に対しても同様の課税方法が取られています。2020年現在では、ビットコインのトレードやマイニングで発生した利益は雑所得に区分されており、20万円以上の利益が発生した場合は申告しなければなりません。
トレードで得られたビットコインの収入は取得価格と売却価格の差で利益を計算しますが、マイニングで得られた収入計算は、トレードの時とは少し異なりビットコインの入手時の時価がそのまま利益として計算されます。
マイニングで得られたビットコインは即座に利益として計上されるため、ビットコインをそのまま保有し価格が下がった場合でも取得時の価格が利益として計算されます。値動きによっては税金が払えなくなるというリスクもあるため注意するべきです。
確定申告の際は、国税庁のホームページを参考に不明点は税務署や税理士と相談しながら進めましょう。
真田 雅幸