ビットコイン(仮想通貨)の積立投資とは?メリットや金額ごとのシミュレーションを紹介

仮想通貨の中でもメジャーなビットコインは、毎月一定額を積み立てられます。売買のタイミングを見極めて取引するのも有効な手段ですが、常に価格変動を気にしなければいけません。積立なら金額的にも精神的にも無理のない投資を続けられます。
今回の記事では、ビットコインの積み立てるメリットやデメリット、始め方について解説します。
ビットコインの積立とは何か?

ビットコイン積立は決められた期間内に一定金額を継続的に購入する方法で、ドルコスト平均法とも呼ばれています。積立投資は一度条件を決めるとほぼ自動で取引ができるので、余計な手間をかけずに投資できます。
項目 | ビットコイン積立を実施する理由 |
暗号資産の中での位置づけ | ・2009年の登場から10年以上経っている |
金融資産としての価値 | ・長期的に見ると右肩上がりで価値は上昇している |
発行枚数 | ・上限2,100万枚と決められて希少性が高い |
ビットコインの積立シミュレーション【金額別】
ビットコイン積立を始める前に金額別のシミュレーションで利益を獲得するイメージをつかみましょう。今回3パターンの条件を用意しました。
- 積立期間A:3年間(2020年10月~2023年9月)
- 積立期間B:12年間(2011年10月~2023年9月)
- 積立金額:3パターン(毎月500円、1,000円、10,000円)
※1直近3年間を対象
※2ビットコイン投資は流行した期間からの投資を対象
毎月500円を積み立てるパターン
まずは、3年間毎月500円を積み立てた結果から確認しましょう。
項目 | 3年間 | 12年間 |
元本 | 18,000円 | 72,000円 |
積立数量 | 0.0512787BTC | 17.41677228BTC |
評価額 | 20,226円 | 68,699,552円 |
利益 | 2,226円 | 68,627,552円 |
ビットコインは12年間で大きく価格が上昇しており、積立年数が長いほど利益も大きくなります。

2012年4月の1BTCの価格は約400円前後ですが、2023年10月現在は1BTC約400万円と10,000倍も上昇しているのです。ビットコインは4年に1度の周期で大幅に価格が上昇する傾向にあります。上昇するタイミングを逃さないためにも積立の継続が重要です。
毎月1,000円を積み立てるパターン
次に、毎月1,000円積み立てた結果を確認しましょう。
項目 | 3年間 | 12年間 |
元本 | 36,000円 | 144,000円 |
積立数量 | 0.01025572BTC | 34.83354462BTC |
評価額 | 40,453円 | 137,399,105円 |
利益 | 4,453円 | 137,255,105円 |
毎月1,000円を3年間積み立てると約1%の利益が出ます。たった4,453円しか利益は出ていませんが、銀行預金の利息(年0.001%)を考えると、今からでも積立を始める価値はあります。
毎月1万円を積み立てるパターン
毎月1万円を積み立てた場合のシミュレーションは以下のとおりです。
項目 | 3年間 | 12年間 |
元本 | 360,000円 | 1,440,000円 |
積立数量 | 0.1025571BTC | 34.83354462BTC |
評価額 | 404,531円 | 1,373,991,055円 |
利益 | 44,531円 | 1,372,551,055円 |
3年間毎月1万円を積み立てると約4万円の利益が得られます。500円や1,000円と同じく積立期間が長くなるほど利益は大きくなる傾向にあります。ビットコイン積立を検討している方は、今回のシミュレーションを参考にしてみてください。
ビットコイン積立のメリット4つ
ビットコイン積立には以下4つのメリットがあります。
- 少額からスタートできる
- 高値で購入するリスクを下げられる
- 手間がかからない
- 価格変動に左右されない
ビットコインの積立投資があなたの投資目的と合っているか確認しましょう。
少額からスタートできる
ビットコイン積立は少額でも始められるので、投資初心者にもおすすめの投資方法です。ビットコインは0.0001BTCから購入できるので1BTC=400万円の場合、約400円からスタートできます。
数十万〜数百万という大きな金額を用意する必要がないので、資金が少ない方でも実践しやすい投資方法といえます。
高値で購入するリスクを下げられる
積立投資は長期間決まった投資額でビットコインを購入する方法なので、総合的に高値で購入するリスクを下げられます。
ビットコインの価格は常に変動しているため、投資初心者が売買タイミングを見極めるのは難しいです。

毎月積み立てた場合、高値で購入する月もあれば安値で購入する月もあるので、総合的に見ると購入価格は落ち着きます。そのため、ビットコイン購入時に悩む必要はありません。
手間がかからない
積立投資は売買のタイミングや積立額が決まっているため、通常の取引と比較すると手間がかかりません。
通常はビットコインに関するニュースやチャートの変動を判断材料にして、売買タイミングを決める必要があります。積立投資なら「月末に1万円買う」などあらかじめルールを決めるだけなので、投資に一切手間はかかりません。
価格変動に左右されない
価格変動に左右されずに投資ができるのも、積立投資のメリットです。一日に何度も売買するデイトレーダーのような取引スタイルの場合、以下のようなビットコインの値動きを気にする必要があります。
- 購入価格
- 許容損失
- 損失を抱えているときの判断
- 売却判断
積立投資なら一時の値動きに左右されず取引ができるため、精神的負担を減らしたい方にもおすすめです。
ビットコイン積立のデメリット3つ
投資初心者でも取り組みやすいビットコイン積立ですが、以下のようなデメリットもあります。
- 短期間で大きな利益を出すのは難しい
- 価格変動が激しく元本割れしやすい
- 投資の経験と知識がつきにくい
思わぬ損失を発生させないためにも、取引前に確認しておきましょう。
短期間で大きな利益を出すのは難しい
ビットコインの積立投資は、短期間で大きな利益を出すのが難しい取引方法です。そもそも積立投資は短期間で大きな利益を出す方法ではありません。一定の金額を長期間積み立てて、価格の変動リスクを下げることが目的の投資方法です。
数年単位で利益を積み重ねる投資方法なので、毎月コツコツと積み立てましょう。
価格変動が激しく元本割れしやすい
ビットコインをはじめとする暗号資産は価格変動が激しい金融商品なので、積立投資の期間が短いと元本割れする可能性があります。
投資を開始した翌月に価格が下がると、一時的に損失評価となります。ただ、最終的な売却価格がプラスなら問題ありません。確実に利益を得られる投資方法ではありませんが、金額的にも精神的にも負担が軽いので、投資初心者の方におすすめです。
投資の経験と知識がつきにくい
ビットコイン積立は一度購入したらしばらく売却しないため、仮想通貨取引の経験と知識がなかなかつきません。積立投資は基本的に決められたルールに従うだけですが、仮想通貨を取り巻く情勢によっては条件を変更する必要があります。
積立投資を継続しつつ、以下の対策で仮想通貨取引に関する知識や経験を身につけましょう。
対策 | 身につくスキル |
仮想通貨関連ニュースや値動きを確認する | 仮想通貨の知識 |
積立とは別に少額で売買する | 取引ツールの操作や売買のタイミングの見極め |
ビットコインの積立方法
ビットコインの積立方法を以下3ステップで解説します。
- 積立の期間と金額を決める
- 口座開設をして入金する
- 設定したルールで積立投資をする
ビットコイン積立の手順を把握して、あなたに合ったルールを作成しましょう。
積立の期間と金額を決める
まずは、ビットコイン積立に関する以下の条件を設定しましょう。
条件項目 | 設定するときのポイント |
頻度 | 毎日、毎週、毎月と細かな設定が可能。 |
金額 | 生活資金に影響が出ない金額に設定 |
期間 | 目標金額に到達しそうな期間に設定 |
口座開設をして入金する
次に、暗号資産取引所の口座開設をして入金します。取引所の口座開設をする際は「本人確認書類(運転免許証、マイナンバー、パスポートなど)」が必要なので手元に用意しておきましょう。
口座開設の手続き自体は、案内どおりに進めれば数分程度で終了します。口座を開設したら、あらかじめ決めた積立額を入金しましょう。
ビットコインの購入方法は「ビットコイン投資の始め方!ビットコインはどうやって買うの?暗号資産(仮想通貨)投資の始め方と購入方法」でも詳しく解説しています。
ルールに基づいた積立投資をする
口座に入金が完了した後は、あらかじめ決めたルールに基づいて積み立てを実施します。積立投資に慣れてさらに金額を増やしたい方は、以下のようなルール変更を実施してみましょう。
- 積立金額を増やす
- 購入頻度を毎月から毎週に変更する
ビットコイン積立に関するよくある質問
ここでは、ビットコイン積立でよくある質問を確認します。
- ビットコイン積立は意味のない投資?
- ビットコインの積立に税金はかかりますか?
- ビットコイン以外で積立にオススメの仮想通貨はありますか?
積立投資を実践する前に、確認しておきましょう。
ビットコイン積立は意味のない投資?
ビットコイン積立は意味のない投資ではありません。積立投資は投資信託や債券、株式など金融商品でも活用できる投資手法です。資産運用の基本である「長期・分散・積立投資」を手間なく実践できるため、投資初心者でも気軽に始められます。
ビットコインの積立に税金はかかりますか?
積み立てたビットコインの売却益が20万円以上の場合は課税対象です。暗号資産(仮想通貨)の売却益は雑所得に該当し、売却益に応じて5〜45%の所得税と10%の住民税がかかります。
参考:国税庁「No.2260 所得税の税率」
売却益が20万円の計算例は以下のとおりです。
- 所得税:20万円(売却益)×5%(累進課税)=1万円
- 住民税:20万円(売却益)×10%(住民税)=2万円
- 納税額:1万円+2万円=3万円
参考:国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱いについて(情報)」
暗号資産の税金に関しては「仮想通貨の取引ってどんな税金がどれくらいかかるの?損失が出たら?」に詳しく解説があるので、ご確認ください。
ビットコイン以外で積立にオススメの仮想通貨はありますか?
ビットコイン以外の暗号資産(仮想通貨)で積立をする場合は、以下の通貨がおすすめです。
上記3つは時価総額が高く、暗号資産(仮想通貨)の中では比較的価格も安定しています。XRPは国際送金に強く、ETHとMATICはブロックチェーン技術を活用したアプリ開発が可能です。
積み立てる暗号資産(仮想通貨)を選択する前に、時価総額の大きさや実用性の有無を確認しましょう。
ビットコインは積立機能を利用して計画的に資産を貯めよう
ビットコインは将来性の高い金融商品ですが価格の変動が大きく、場合によっては大損するリスクもあります。積立投資なら長期間決まった金額を投資するので、一時は損失評価になっても、売却時にプラスになれば利益を得られます。
ビットコイン積立は数年単位の投資が前提となるので、安全性の高い国内取引所での取引をおすすめします。無理のない投資範囲でルールを設定して、ビットコイン積立を始めましょう。