仮想通貨の長期保有(ガチホ)の特徴を解説!おすすめの銘柄や他の投資手法との違いも
仮想通貨投資の長期保有は、手間をかけずに資産を増やせる投資手法で「ガチホ」とも呼ばれています。
長期保有は、銘柄選びがうまくいくと、右肩上がりに投資資金を増やせるのが特徴です。
ただ、銘柄選びを間違えると損失を放置しつづける可能性があるため、長期保有の特徴や始める際の注意点を事前に確認しておく必要があります。
本記事では、長期保有(ガチホ)の概要やメリット、デメリットを紹介しています。
【この記事を読むとわかること】
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長期保有をこれから始めるか検討している方は、ぜひ参考にしてください。
仮想通貨取引における長期保有とは?
仮想通貨取引における長期保有とは、購入した銘柄を数年にわたって保有しつづける投資手法で「ガチホ(ガチガチにホールド)」とも呼ばれています。
短期取引と異なり長期保有は、銘柄の成長に期待して長期間保有しつづけるため、トレードスキルや専門的な投資知識なしでも取り組めます。
長期保有の概要を理解するためにも、まずは短期取引や塩漬けとの違いから見ていきましょう。
短期取引との違い
長期保有と短期取引の違いは、下表のとおりです。
長期保有 | 短期取引 | |
期間 | 数ヶ月から数年 | 数秒から数時間 |
重視する内容 | ・公式ホームページ ・銘柄の技術 ・実用性 | ・チャート ・ニュース ・話題性 |
特徴 | 銘柄の成長ととも資産が増えやすい | 需要と供給によって資産が増えやすい |
取引手法 | ・積立投資 ・分散投資 | ・テクニカル分析 ・レバレッジ取引 |
長期保有と短期取引の違いは、銘柄を保有する期間と取引回数です。
たとえば、デイトレードやスキャルピングなどの短期取引は、短時間で売買を繰り返して利益を上げるスタイルです。
一方で長期投資は購入した仮想通貨を保有しつづけるため、銘柄の成長とともに資産が増えやすくなります。
長期保有と塩漬けの違い
長期保有に不向きな銘柄を選択すると、塩漬け状態になります。
塩漬けとは、投資した銘柄が成長せず「売却タイミングを逃して損失が増え続ける状態」です。
たとえば、とある仮想通貨銘柄の将来性に期待して長期投資を始めたとしましょう。
残念ながら、投資した銘柄はプロジェクトが中断し、提携企業からの支援も打ち切られました。
価格も購入時から30%以上落ちており、下げ止まる気配がありません。
例のような状態でも「価格が戻るかもしれない」と長期保有を続けると、塩漬け状態となります。
仮想通貨を長期保有する5つのメリット
仮想通貨の長期保有に興味がある方は、まずメリットから把握しておきましょう。
本章では、長期保有について以下5つのメリットを解説します。
- 手間がかからない
- 手数料を抑えられる
- 専門知識を必要としない
- 少額からでも始めやすい
- 積立投資と相性がよい
1.手間がかからない
長期保有は、短期取引と比べて売買の手間がかからないため、日中忙しい方でも取り組めます。
チャートや関連ニュースを頻繁に確認する必要もほとんどありません。
短期売買による損益の結果に疲弊する機会も少ないため、精神的に楽な取引方法といえます。
2.手数料を抑えられる
長期保有は短期取引と比べて、購入後に売却する機会が少ないため、手数料を抑えられます。
たとえば、短期取引は一日に何回も売買するため、取引手数料を意識する必要があります。
一方で長期保有の場合は、数ヶ月〜数年に一度しか売却機会がないため、取引手数料を気にする必要はほとんどありません。
3.専門知識を必要としない
長期保有は、専門知識がなくても取り組める投資手法です。
売却しない前提で仮想通貨銘柄を選択するため、購入後の判断機会もほとんどありません。
短期取引の場合は以下の知識が必要です。
- テクニカル分析でチャート読む
- 価格に影響するニュースを把握する
- 板情報から需要と供給を確認する
- 経済指標と仮想通貨の関係性を把握する
一方で長期保有は、銘柄に将来性があると判断した場合は売却しないため、仮想通貨取引に関する知識もほとんど必要ありません。
そのため、仮想通貨取引を始めたての初心者におすすめの方法といえます。
4.少額からでも始めやすい
仮想通貨の長期投資は、以下2つの理由から少額でも始めやすい投資手法といえます。
- 日々の値動きを気にせずに長期間保有できる
- 資金が少額でも成り立つ
投資金額が大きくなると日々の値動きが気になり、長期間の保有に対してプレッシャーを感じる可能性もあります。
長期保有の場合、売却する際に利益が出ているか確認するだけで、気楽に取引を実行できます。
加えて、時間の経過とともに利益を伸ばす手法となっているため、少額からでも始めやすく、取引を始めてから日の浅い初心者にもおすすめです。
5.積立投資と相性がよい
仮想通貨の長期保有は、積立投資と手法が似ているため、相性がよいです。
積立投資とは、決められた期間に一定金額を継続的に購入する手法です。
積立投資の詳しい内容につきましては、以下の記事も参考にしてみてください。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/bitbankplus-colummn-bitcoin-fixed-reserving
仮想通貨を長期保有する4つのデメリット
仮想通貨の長期保有は、取引の手間や手数料を抑えられるメリットがある一方、以下4つのデメリットも存在します。
思わぬ損失を発生させないためにも、長期保有を始める前に確認しておきましょう。
- 銘柄選びを間違えると価格が上がらない
- 売却タイミングが難しい
- 短期投資と比較して効率が悪い
- 取引所の問題に巻き込まれやすい
1.銘柄選びを間違えると価格が上がらない
価格上昇が見込めない銘柄を選択すると、時間をムダにする可能性があります。
取引方法に限らず、価格上昇が見込めない銘柄を選択しても、なかなか利益は得られません。
とくに、長期保有は投資時間も長いため、慎重に銘柄を選択しましょう。
以下画像の通貨は、現在開発が止まっている「OMGコイン」のチャートであり、価格の下落が続いています。
約2,000円まで上昇した価格は、2024年2月現在約100円と20分の1まで下落しています。
あくまで結果論ですが、銘柄選びを間違えて長期保有をすると、資産を大きく減らすリスクも高まります。
ただ、確実に価格が上がる銘柄は誰にも判断できません。時価総額や取引量ランキングによる判断、分散投資を活用して損失リスクを抑えましょう。
2.売却タイミングが難しい
仮想通貨の長期保有は、売却タイミングが難しい投資手法といえます。
売却しない前提の投資手法であり、利益や損失が発生した場合、保有を継続すべきか判断しにくいためです。
対策として、以下のような売却ルールを設定しておくとよいでしょう。
- 購入価格より20%下落した
- 購入価格より40%上昇した
長期保有の売却タイミングは難しいですが、納得できるルールを自分で設定して損失機会を減らしましょう。
3.短期投資と比較して効率が悪い
長期保有は短期取引と比較すると、資金効率が悪いです。
短期取引は投資金額よりも価格が上昇したタイミングで利益を確定できます。
次回の投資に資金を回せるため、資金効率がよく、利益を増やしやすいメリットがあります。
一方、長期保有は価格が上昇しても基本的に売却しないため、再度価格が下落する可能性もあるのです。
長期保有は売却回数が少ない分、取引の手間や手数料を抑えられます。投資目的に応じて使い分けてみましょう。
4.取引所の問題に巻き込まれやすい
長期保有は短期取引と比べて銘柄を保有する期間が長いため、以下取引所の問題に巻き込まれるリスクも高くなります。
- 取引所がハッキングされて使用できなくなる
- 取引所の倒産で資金が引き出せなくなる
過去には、以下の取引所で不正流出被害が発生しました。
取引所 | 時期 | 被害総額 |
マウントゴックス | 2014年 | 470億円 |
コインチェック | 2018年 | 580億円 |
ビットポイント | 2019年 | 35億円 |
取引所による問題が発生する可能性は0%といえません。ただ、海外と比べて国内取引所はセキュリティレベルが高く、安心して利用できます。
仮想通貨ウォレット(通貨を保管する場所)を用意しての管理もおすすめです。
仮想通貨ウォレットには「コールドウォレット」と「ホットウォレット」の2種類があります。
とくに「コールドウォレット」は、インターネット接続されていないため、取引所の口座で保有したときよりハッキングのリスクを抑えられます。
長期保有をこれから始める方は、国内取引所や仮想通貨ウォレットで資産を管理しましょう。
仮想通貨における長期保有のシミュレーション
長期保有の成功イメージを掴んでいただくためにも、本章では、2013〜2023年のビットコインチャートを例にシミュレーションしていきます。
2013年1月に約1,000円の価格だったビットコインは、2024年2月現在約700万円まで上昇しました。
2013年に購入して10年間長期保有しつづけた場合は、投資資金は約7,000倍増える計算となります。
例題のように長期保有は銘柄選びを成功させると、長期間放置しても資産を増やせる可能性があります。
仮想通貨の長期保有に向いている銘柄5選
仮想通貨の長期保有を検討する際に重要なのが銘柄選びです。
保有銘柄を誤ると、長期保有による利益を獲得する確率も減少します。
本章では、長期保有に向いている銘柄を5つ紹介します。
もちろん確実に上昇する保証はないため、分散投資や少額投資などで損失リスクを抑えつつ投資してみましょう。
- ビットコイン(BTC)
- イーサリアム(ETH)
- リップル(XRP)
- カルダノ(ADA)
- アバランチ(AVAX)
1.ビットコイン(BTC)
ティッカーシンボル | BTC |
時価総額 | 約150兆円 |
時価総額ランキング | 1位 |
発行日 | 2009年1月3日 |
最大供給量 | 2100万枚 |
2024年2月時点の価格 | 約760万円 |
ビットコイン(BTC)は金融市場に登場した最初の仮想通貨です。「金融機関を経由せずに、当事者同士で直接オンライン決済する」ことを目的として、サトシ・ナカモトによって作られました。
現在の仮想通貨市場全体は、ビットコインによって実現されたアイデアがもとになっており、全銘柄が価格変動の影響を受ける傾向にあります。
2024年1月、米証券取引委員会(SEC)により現物ETFも承認されたため、金融資産としての価値も認められつつあります。
ビットコインETFについては、以下の記事も参考にしてください。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/bitbankplus-column-bitcoinetf
2.イーサリアム(ETH)
ティッカーシンボル | ETH |
時価総額 | 約50兆円 |
時価総額ランキング | 2位 |
発行日 | 2014年 |
最大供給量 | 上限なし |
2024年2月時点の価格 | 約40万円 |
イーサリアムはブロックチェーンを利用したプラットフォームです。イーサリアムの特徴はスマートコントラクトとDappsにあります。
スマートコントラクト | 決められた条件に従い、自動的に契約を実行する仕組み |
Dapps | ブロックチェーン技術を活用した中央管理者が存在しないネットワークシステム |
イーサリアムのプラットフォームはブロックチェーンを活用しやすいため、NFTやアプリ、他の仮想通貨銘柄の開発にも利用されています。
イーサリアムの詳しい内容につきましては、以下の記事も参考にしてください。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/bitbankplus-column-futureofethereum
3.リップル(XRP)
ティッカーシンボル | XRP |
時価総額 | 約4兆円 |
時価総額ランキング | 6位 |
発行日 | 2012年 |
最大供給量 | 1,000億枚 |
2024年2月時点の価格 | 約80円 |
リップル(XRP)は国際送金に優れた仮想通貨です。
現在の国際送金システムである「SWIFT」の問題解決を目標としています。
SWIFTとは、世界各国から11,000以上の金融機関が加盟しているシステムです。
設立は1973年と古いシステムで、リップル(XRP)と比べると送金時間や対応件数などの機能が劣ります。
今後リップル(XRP)が国際送金として普及し、SWIFTの代わりになった場合、長期的な価格上昇に期待できます。
リップル(XRP)の詳しい内容につきましては、以下の記事も参考にしてみてください。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/bitbankplus-column-ripplesfuture
4.カルダノ(ADA)
ティッカーシンボル | ADA |
時価総額 | 約3兆円 |
時価総額ランキング | 8位 |
発行日 | 2017年9月 |
最大供給量 | 450億枚 |
2024年2月時点の価格 | 約90円 |
カルダノはDAppsの開発ができるブロックチェーンプラットフォームです。
元々はオンラインカジノのプラットフォームとして利用されていましたが、現在は医療や教育、小売りや金融など幅広い分野のDApps開発に活用されています。
5.アバランチ(AVAX)
ティッカーシンボル | AVAX |
時価総額 | 約2兆円 |
時価総額ランキング | 9位 |
発行日 | 2020年9月10日 |
最大供給量 | 7億2,000万枚 |
2024年2月時点の価格 | 約5,600円 |
アバランチ(AVAX)はイーサリアムと同じく、レイヤー1と呼ばれるカテゴリーのブロックチェーンです。
イーサリアムと同じくブロックチェーンを活用したプラットフォームで、アプリ開発や自動契約が実行されています。
アバランチはイーサリアムの弱点であるトランザクション(取引)の遅延を解消しており、イーサリアムキラーの一つともいわれています。
仮想通貨の長期保有を始めるときの注意点
長期保有で損失を発生させないためにも、あらかじめ注意点を把握しておきましょう。
本章では、仮想通貨の長期保有における以下3つの注意点を解説します。
- 税金が発生するタイミングを把握しておく
- レバレッジはかけない
- 損切りラインは決めておく
税金が発生するタイミングを把握しておく
仮想通貨の長期保有で税金が発生するタイミングは「銘柄を売却したとき」です。
売却したときの利益が20万円以上だった場合は雑所得の対象となるため、確定申告が必要です。
確定申告をせずに放置すると、延滞税や加算税などが発生してしまうため、忘れずに手続きしましょう。
レバレッジはかけない
長期保有とレバレッジは相性が悪いため、なるべく利用するのは避けましょう。レバレッジとは、保有資産を担保に最大2倍の金額で取引できる方法です。
レバレッジを効かせた状態で銘柄の価値が上昇すると、その分利益も増えます。
長期保有の場合、ロスカットやレバレッジ手数料の影響を受けやすいため、レバレッジは向いていません。
強制ロスカット | 一定以上の損失を抱えると、保有銘柄が強制的に売却されるシステム |
レバレッジ手数料 | 取引所がクローズしたタイミングでポジションを保有している場合に発生する手数料 |
レバレッジの効いた取引を実行したい場合は、長期保有以外の方法で活用しましょう。
仮想通貨のレバレッジ取引について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/bitbankplus-column-leverage-trading
損切りラインは決めておく
長期保有による損失をできるだけ抑えるためにも、損切りラインを決めておきましょう。
仮想通貨の価値は、他の通貨による影響や経済指標の変化で動くため、長期保有とはいえ損失が発生しつづける可能性もあります。
「購入時より20%下落した場合は損切りする」「投資した銘柄の悪いニュースが出たら売却」など具体的なルールを設定しておくと、損失が膨らむ前に売却できます。
塩漬けにならないためにも、損切りラインはあらかじめ決めておきましょう。
仮想通貨の長期保有には国内取引所がおすすめ
仮想通貨の長期保有には、以下のメリットがあります。
- 手間がかからない
- 手数料が抑えられる
- 専門知識がいらない
- 少額からでも始められる
長期保有は、短期取引と比べて売却機会が少ないため、投資初心者でも始めやすい取引方法といえます。
ただ、長期保有の場合、一度銘柄を保有すると基本的に数ヶ月〜数年間売却しないため、セキュリティや信頼度の高い取引所に預ける必要があります。
金融庁に認可されている国内仮想通貨取引所なら安心して利用可能です。
これから長期保有を始める予定の方は、国内仮想通貨取引所で口座を開設しましょう。