利下げ期待後退がBTC相場の重石に 雇用統計で切り返せるか?

7月31日のビットコイン(BTC)円は1760万8052円から取引が始まった。東京時間は1760万円台で揉み合うも、米暗号資産(仮想通貨)政策レポートの内容を好感して欧州勢参入後からはジリ高に推移し1780万円を回復した。米国時間序盤には一時1790万円に肉薄するも、6月の米個人消費支出(PCE)デフレーターが上振れたほか、新規失業保険申請件数が市場予想ほど増加しなかったことで、市場ではFRBの利下げが9月から10月に延期されるとの見方が強まり、米国時間のBTC相場は下落一色となった。尤も、ドル円相場の上昇によってBTC円の下げ幅は限定され、終値は1749万2746円となった。


FRBがタカ派的な姿勢を崩さないなか、昨日の米経済指標は軒並み政策金利の維持を正当化する結果となり、短期金利の上昇がBTC相場の重石となった。本日は7月の米雇用統計を控えており、パウエルFRB議長が注目する失業率は4.1%から4.2%に上昇することが予想されている。これだけで利下げ期待を復活させられるかは微妙なラインと言えるが、少なからず足元の金利上昇に歯止めが掛かる可能性がある。ただ、ドル建てBTC相場は短期下降チャネルを下抜けしており、テクニカル的なセンチメントは悪化していると言える。CMEのBTC先物では、およそ3週間前に開けた約2000ドル幅(≒30万円)の窓を埋めにいく展開も視野に入ってきており、相場の続落には十分に注意しておきたい。



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bitbank Report 2025/08/01:利下げ期待後退がBTC相場の重石に 雇用統計で切り返せるか?