【2024年最新】ステーブルコインの4種類を解説!最新ニュースも紹介
ステーブルコインは、通常の仮想通貨と異なり「安定性」を重視して作られています。近年ニュースやSNSで「ステーブルコイン」を見かけるようになりましたが、具体的にどのような特徴や種類が存在するのか、知らない方も多いでしょう。
本記事では、ステーブルコインの種類や銘柄、メリット・デメリットなどについて解説しています。
仮想通貨のステーブルコインとは?
ステーブルコインについて、以下2つの観点から詳しく解説します。
- 価値の安定を重視している
- ステーブルコイン市場は現在も成長している
価値の安定を重視している
ステーブルコインとは、通貨価値を安定させるために作成された暗号資産(仮想通貨)です。ビットコインやイーサリアムなどのメジャーな仮想通貨と比べて、価格の変動が比較的小さく、投資リスクを低減できるメリットがあります。
ステーブルコインの安定性が高い理由は、コインの発行体が法定通貨や金などを担保としているためです。
たとえば、発行体がステーブルコインと同じ価値の米ドルを保有することで、コインはドルと1:1の価格で担保されます。
そのため、市場の不安定な場面でも、投資家は安心して取引を行いやすくなるのです。
ステーブルコイン市場は現在も成長している
ステーブルコイン市場は、仮想通貨市場が急速に成長していることから、総供給量が増加しています。
そのため、ステーブルコイン市場のさらなる成長に期待できます。
ただ、ステーブルコインに担保性があるとはいえ、法定通貨ほど価値が安定しているわけではありません。ステーブルコインを購入する前に、メリットだけでなくデメリット(損失機会)も把握しておきましょう。
ステーブルコインは4種類に分かれる
ステーブルコインは担保となる資産によって、「法定通貨担保型・仮想通貨担保型・無担保型・コモディティ型」の4種類に分けられます。代表的なステーブルコインを以下に示します。
種類 | 主な銘柄 | 特徴 |
法定通貨担保型 | USDT(Tether) USDC(USD Coin) BUSD(Binance USD) | 法定通貨(ドルやユーロなど)を担保としている |
仮想通貨担保型 | DAI | イーサリアムやwstETHなどの仮想通貨によって担保されている |
無担保型 | FRAX UST(TerraUSD) | ・アルゴリズムによって価値が安定している |
コモディティ型 | PAX Gold ZPG(ジパングコイン) | 金や銀などと価値が連動して、安定性を利用している |
本章では4種類のステーブルコインについて、詳しく解説します。
- 法定通貨担保型
- 仮想通貨担保型
- 無担保型
- コモディティ型
1.法定通貨担保型
法定通貨担保型ステーブルコインは、価値がドルや円などの法定通貨によって担保されています。
法定通貨担保型のステーブルコインとしては、主に以下の銘柄が挙げられます。
- USDT(Tether)
- USDC(USD Coin)
- FDUSD(First Digital USD)
たとえば、USDT(Tether)は1USDTが1米ドルに等しい価値をもっており、USDC(USD Coin)やFDUSD(First Digital USD)も同様に米ドルに連動しています。
2024年1月19日時点で、上記のステーブルコインは仮想資産市場において上位にランクインしています。
2.仮想通貨担保型
仮想通貨担保型ステーブルコインとは、他の仮想通貨によって価値が担保されているコインです。
たとえば、代表的な仮想通貨担保型ステーブルコインであるDAIの価値は、イーサリアムやwstETH などによって担保されています。
仮想通貨担保型ステーブルコインは、仮想通貨の急な価格変動に対応するために、「過剰担保」と呼ばれる仕組みを採用しています。
たとえば、DAIの担保比率は、2024年1月19日時点で275.86%です。過剰担保を設定すると、担保にしている仮想通貨の価値が急落したとしても、ステーブルコインの価値を維持できます。
また、仮想通貨の価値が下落し、最低担保比率よりも低くなる場合に備えて、追加の担保を用意したり、強制的に売却したりできる仕組みも導入されています。
3.無担保型
無担保型ステーブルコインは、アルゴリズム(問題解決や目的達成の手順・ルール)にもとづいて価格を安定させるため、裏付け資産はありません。
無担保型は、市場の需給バランスによって価格を調整する仕組みが特徴です。たとえば、無担保型の代表的な通貨UST(TerraUSD)は、価格が1ドルを上回ると市場での売りが促進、1ドルを下回ると買いが促進されるように設計されています。
しかし、無担保型ステーブルコインは市場の変動に弱く、アルゴリズムが対応できなくなるリスクも存在します。無担保型を選択する際は、価格変動リスクをあらかじめ考慮しておきましょう。
4.コモディティ型
コモディティ型ステーブルコインは「金」や「銀」などの物理的資産を担保として、価値が連動するコインです。
たとえば、ZPG(ジパングコイン)の価値は金と連動しており、コモディティ市場の動向によって価格が変動します。
また、金や銀などの実物資産と連動しているため、ポートフォリオに多様性をもたせる用途として有効です。
ステーブルコインを購入する3つのメリット
ステーブルコインを購入するメリットは、以下の3つです。各メリットについて、詳しく解説します。
- 価値が安定している
- 損失リスクを分散できる
- 多様な方法で利益を狙える
価値が安定している
ステーブルコイン最大の特徴は、価値の安定性です。法定通貨や金などに価値が裏付けられているため、一般的な仮想通貨よりも価格変動の幅が小さくなる傾向にあるのです。
また、ステーブルコインの価値が安定すると、仮想通貨市場が不安定なときでも取引しやすくなります。たとえば、「法定通貨担保型」ステーブルコインは、法定通貨と1:1で価値が連動しているため、基本的に価値が安定しています。
仮想通貨に「安定性」を求める方は、ステーブルコインの購入を検討してみましょう。
損失リスクを分散できる
ステーブルコインは「安全資産」としての役割をもつため、ポートフォリオのリスク分散にも貢献します。
ビットコインなどの仮想通貨は価格変動が大きく、市場の状況に左右されやすい金融商品です。ステーブルコインと組み合わせると、ポートフォリオ全体の損失リスク低減につながります。
多様な方法で利益を狙える
ステーブルコインは通貨の値上がりによる利益だけではなく、以下の方法でも利益を狙えます。
収益手法 | 説明 | 利点 | リスク |
レンディング | ステーブルコインを貸し出し、利息を稼ぐ方法。利用者は貸出による利息収入を得る | 価格変動が小さいため、比較的安定した収益を見込める | 貸出先がデフォルト(債務不履行)するリスクがある |
アービトラージ | 異なる取引所でのステーブルコインの価格差を利用して、低い価格で購入し、高い価格で売却して利益を得る | 短期間で利益を得られる可能性がある | 取引のタイミング遅れによる損失のリスクや、取引手数料による利益の減少リスクが存在する |
多様な取引方法を試してみたい方にも、ステーブルコインは適しています。ただし、上記の方法にもリスクがあるため、理解したうえで取引を行いましょう。
仮想通貨のレンディングに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/bitbunkplus-column-cryptolending
ステーブルコインを購入する3つのデメリット
ステーブルコインを購入するデメリットは、以下の3つです。購入する前に各デメリットを把握しておきましょう。
- 価格変動が小さいため大きな利益を狙いにくい
- デペッグによる損失リスクがある
- 規制されるリスクがある
価格変動が小さいため大きな利益を狙いにくい
ステーブルコインの特徴である価格の安定性は、大きな利益を求める投資家にとってはデメリットになる場合があります。
価格変動が少ない場合、リスクが抑えられる反面、得られる利益も小さくなる傾向にあります。そのため、仮想通貨特有の高リターンを得られない可能性があるのです。
とくに、小さな価格変動から利益を得る「デイトレード」や「スキャルピング」などの短期取引において、ステーブルコインは不向きです。
一方で、ステーブルコインの安定性はリスクを抑えられるメリットにもなります。投資方針と照らし合わせて、購入を検討することをおすすめします。
デペッグによる損失リスクがある
ステーブルコインには、デペッグの発生リスクがある点を理解しておきましょう。ステーブルコインは通常、法定通貨や金などの資産に価値をペッグ(固定)しています。
しかし、デペッグ(ベックが解除されること)が発生すると、ステーブルコインの価値暴落につながる可能性があるのです。
デペッグは、市場の信用喪失や運用管理上の問題などが原因で起こります。2022年5月には無担保型であるUSTにデペッグが発生し、価格が大幅に下落しました。
ステーブルコインにも暴落リスクがある点を、投資前に理解しておきましょう。
規制されるリスクがある
ステーブルコインは世界中の規制当局から注目されており、将来的に規制が強まる可能性もあります。
規制が導入・強化されると、ステーブルコインの運用・発行・取引に制限がかかり、コインの価値にも影響することが予想されています。
日本では2023年に改正資金決済法が施行されているため、法規制によってコインの国内発行が解禁され、ステーブルコインが発行されやすい環境となりました。
一方で、今後ステーブルコインにマイナスの規制がかかると、価格が下落する可能性もあります。ステーブルコインに関するニュースに、今後も注目しましょう。
ステーブルコインに関する最新ニュース
本章では、ステーブルコインに関する最新のニュースを3つ紹介します。最新の動向をチェックして、投資を始める際の参考材料にしてください。
- 2023年にステーブルコインが法整備された国は6カ国
- 中国がステーブルコイン「テザー」の取り締まりを強化
- ステーブルコイン発行企業がIPO申請
2023年にステーブルコインが法整備された国は6カ国
2023年、ステーブルコインが法整備された国は以下のとおりです。
- バハマ
- ケイマン諸島
- ジブラルタル
- 日本
- モーリシャス
- スイス
PwCのレポートによると、不正な資金取引を防ぐための「マネーロンダリング防止規則」や、取引情報を共有する「金融活動作業部会のトラベルルール」などが規制内容に含まれています。
一方で、アメリカやイギリスなどの大国では、ステーブルコインを含む仮想通貨の法整備がいまだ完成していない状況です。
ただし、今後法規制が進んでいく可能性は十分あるため、投資を検討している方は、世界各国の動きに引き続き注目しましょう。
中国がステーブルコイン「テザー」の取り締まりを強化
中国では、ステーブルコインUSDT(Tether)に対する取り締まりが強化されています。
中国の最高人民検察院は、中国人民元と他の法定通貨との取引に、「USDT」を仲介手段として使用する方法について警告しました。
また、国境を越えた取引におけるUSDTの使用に対して、厳しい措置をとるよう地元当局に要請しています。
中国では過去にも大規模な仮想通貨規制を実施しています。ステーブルコイン市場に対しても、中国政府は厳しいスタンスをとっているのです。
ステーブルコイン発行企業がIPO申請
ステーブルコイン「USDコイン(USDC)」を発行するサークル・インターネット・フィナンシャルが、米国で新規株式公開(IPO)を申請しました。
サークルは時価総額で2番目に大きなUSDCの発行者で、IPOは上場計画の一環だと報道されています。
2024年1月現在、具体的なIPOの提案価格や株式数は公表されていません。今後は、米証券取引委員会(SEC)の審査完了を待って、市場状況次第でIPOが進行する予定です。
サークルが上場すると仮想通貨界隈にとってインパクトがあります。今後の動向に注目しましょう。
ステーブルコインに関するよくある質問
ステーブルコインに関するよくある質問を3つ用意しました。質問に対する回答を確認して、ステーブルコイン購入時の参考にしてください。
- ステーブルコインとビットコインの違いは何ですか?
- 金融庁はステーブルコインをどのように扱っているのですか?
- おすすめのステーブルコインはありますか?
ステーブルコインとビットコインの違いは何ですか?
ステーブルコインとビットコインの主な違いは、価値の安定性にあります。ビットコインは、市場の「需要」と「供給」で価格が決まるため、価格変動は比較的大きい傾向にあります。
一方、ステーブルコインは法定通貨や他の資産と価値を連動しているため、価格はビットコインに比べて安定しているのです。
たとえば、1USDT(Tether)は常に1米ドルに等しい価値をもつように設計されています。基本的に法定通貨は仮想通貨よりも価格変動が小さいため、ビットコインよりも安定した運用が可能です。
金融庁はステーブルコインをどのように扱っているのですか?
金融庁はステーブルコインを、資金決済法の枠組み内(通貨や電子マネーと同等の扱い)で扱っています。
そのため、発行者や仲介者は、為替取引に関する規制や利用者保護、マネーロンダリング対策の観点から適切な措置が必要です。
ステーブルコインの種類によっては、資金移動業者や特定信託会社などの規制が適用される場合もあります。
金融庁は、利用者保護や市場の透明性を確保するため、ステーブルコインの発行や取引に関する規制の在り方を引き続き検討している段階です。
おすすめのステーブルコインはありますか?
おすすめのステーブルコインとして「DAI」が挙げられます。
DAIは「仮想通貨担保型」の一種で、価値が米ドルに連動しているステーブルコインです。DAIは「過剰担保」と呼ばれるメカニズムを用いて価格の安定を図っており、仮想通貨市場の価格変動にも影響されにくい点が特徴です。
DAIは国内で購入できるステーブルコインなので、国内仮想通貨取引所「bitbank」でも購入できます。ぜひ検討してください。
口座開設手続きについては、以下の記事で詳しく解説しています。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/how-to-buy-bitcoin
ステーブルコインにも投資の幅を広げてみよう
ステーブルコインは通常の仮想通貨と異なり、法定通貨など他の資産を担保として価値を安定させる新しい仮想通貨です。
ビットコインやイーサリアムなどの価格変動が大きい通貨に比べて、安定性が高くリスク管理の観点でもメリットがあります。
そのため、損失リスクを抑えたい投資初心者から経験者まで、幅広い層に利用価値のある仮想通貨といえるでしょう。
ステーブルコインでは「DAI」がおすすめとして挙げられます。DAIはイーサリアムやwsETHを担保としたステーブルコインで、1DAIは1米ドルと価値が連動しています。
DAIは国内仮想通貨取引所「bitbank」で購入可能です。購入には口座を所有する必要があるため、DAIに投資したい方は開設手続きを実施してみましょう。