仮想通貨はギャンブルと投資のどちらに該当する?定義や違い、投資手法を解説
仮想通貨がギャンブルになるかは、資金の投じ方によります。そのため、一歩間違えるとギャンブルのように資金を使ってしまい、気づいたときには大きな損失を抱えてしまうかもしれません。
本記事では、ギャンブルと投資の違いや仮想通貨がギャンブルだと思われる理由、リスクを抑えた投資方法などを解説しています。
【この記事を読むとわかること】
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仮想通貨がギャンブルなのか気になる方は、参考にしてください。
【結論】仮想通貨がギャンブルになるかは投資方法による
結論として仮想通貨がギャンブルになるかどうかは、投資方法によります。
ここでは、どういった投資方法がギャンブルになるのかについて以下2つを解説します。
- ギャンブルと投資の違い
- ハイレバレッジはギャンブルになりやすい
ギャンブルと投資の違い
ギャンブルと投資は、リスクとリターンの管理方法や目的が異なります。
ギャンブルは運任せで、一攫千金を狙う行為です。一方、投資は計画的な資産形成や利益の最大化を目指す方法で、分析や情報をもとにして、余裕資金の中で運用を行います。
下表でギャンブルと投資の違いを整理します。
ギャンブル | 投資 | |
目的 | ・短期間で大きな利益を得るのが目的 ・一時的な刺激を求める | ・長期的な資産形成や安定した収益が目的 ・計画的に資産運用をする |
リスク・リターンの管理 | ・リスクが高く、リターンは予測できない ・結果は運任せ | ・リスクは調整でき、リターンは分析や情報から予測する ・過去のデータや市場の動向が情報源 |
分析 | 分析なしの運頼り | 経済指標、企業の財務状況、価格推移などデータをもとに分析する |
宝くじやパチンコなどは、運任せの要素が強いため、まさにギャンブルです。
仮想通貨の場合、2017年のバブル時は、市場も小さく分析できる情報も少なかったため、ギャンブル要素が強かったのは事実です。
しかし、現在では市場価値も大きくなり、時価総額も大企業と遜色のない銘柄が増えてきたため、分析できる項目も増えてきています。
そのため、仮想通貨はギャンブルの印象が強いものの、分析して投資資金を調整すると、長期でお金を増やせるような投資に該当します。
ハイレバレッジはギャンブルになりやすい
仮想通貨がギャンブルと呼ばれるのは、ハイレバレッジ取引も原因にあげられます。
レバレッジとは、自己資金を担保にして、取引所から投資資金を借りて取引する仕組みです。
レバレッジ取引は、上手くいくと効率よく資産を増やせる一方、自己資金以上のお金を取引に使っている時点で投資とは呼びにくいのが事実です。
仮想通貨の国内取引所では、リスクを下げるためにレバレッジの上限を2倍までと定められていますが、海外取引所では100倍以上の倍率で取引できます。
参考:金融庁「暗号資産(仮想通貨)に関連する制度整備について」
手持ち資金が100万円、レバレッジが100倍の場合、最大で1億円分の取引ができるため、自分の予想とは逆の方向に価格が1%動くと、もとの100万円はすべて吹き飛んでしまいます。
そのため、ハイレバレッジな取引は「ギャンブル」と呼ばれやすいのが現状です。
仮想通貨がギャンブルと言われる4つの理由
仮想通貨がギャンブルと言われる理由を知っておくと、周囲にギャンブルだと指摘を受けても正しく説明ができます。
ここでは、仮想通貨がギャンブルと言われる理由について以下4つを解説します。
- 法定通貨と違い実物がない
- レバレッジで保有資産以上の取引ができる
- ボラティリティが高い
- 仮想通貨による犯罪件数が多い
法定通貨と違い実物がない
仮想通貨はデジタル資産であり、法定通貨と違い実物がないため、ギャンブル性が高いと判断されてしまいます。
仮想通貨は、公的機関で取扱いがないため、信頼性がなく、ギャンブル性の高い金融商品であると認定されるからです。
しかし、海外ではビットコインとイーサリアムの現物ETFが承認されたため、将来的には国内の金融機関でも取引できる可能性はあります。
仮想通貨は法定通貨とは違い実物がないため、信用を勝ち取るには、金融機関でも取り扱えるかが重要です。
レバレッジで保有資産以上の取引ができる
レバレッジ取引は、取引所からお金を借りて保有資産以上の取引ができるため、リスクが高くギャンブルだと判断されてしまいます。
具体的にレバレッジ取引の特徴を見てみましょう。
- 短期間で大きく資産を増やすのが目的
- 分析できる要素が少ない
- 余剰資金以上にお金を投じている
- 手持ち資金すべてを失うリスクがある
レバレッジ取引の特徴を見てみると一攫千金を狙う手法で、ギャンブル要素が強いとわかります。
ただ、国内でのレバレッジは上限が2倍までと定められているため、FXの25倍や海外仮想通貨の100倍と比較するとリスクは低く設定されています。
レバレッジ取引を取り扱っていない国内仮想通貨取引所もあるため、ギャンブル要素を削除したい場合は、国内で現物取引をしましょう。
ボラティリティが高い
仮想通貨がギャンブルと見なされる理由は、高いボラティリティによって短期間で大きな価格変動が頻繁に発生し、予測が困難でリスクも高いからです。
たとえば、仮想通貨バブルが起こった2017年と2021年のビットコイン価格を下表で確認してみましょう。
年度 | 最高値 | 最安値 | ボラティリティ |
2017年 | 19,783ドル | 789ドル | 約2,500% |
2021年 | 64,863ドル | 28,893ドル | 約124% |
年間の価格差が1,000%を超える年もあるため、安定感のある投資商品とはいえません。
また、2017年と2021年を比較するとボラティリティには差があり、過去の価格変化を分析して投資するのは困難であるため、ギャンブル性が高いとされています。
ただ、一部の取引所は最小取引金額を0.0001BTC(約1,000円)程度に設定しているため、リスクは自身で調整できる場合があります。
ボラティリティの高さは、ギャンブルと判断される原因ですが、リスクは調整できる点も理解しておきましょう。
仮想通貨による犯罪件数が多い
仮想通貨がギャンブルとされる理由には、法整備が不完全な新しい技術と市場であり、犯罪件数が多いためです。
実際、警察庁から注意喚起が出ていた時期もあります。
インターネットを通じて電子的に取引される、いわゆる「暗号資産(仮想通貨)」をめぐ るトラブルが増加しています。また、暗号資産(仮想通貨)の交換と関連付けて投資を持ち 掛け、トラブルとなるケースが増えています。 引用:警察庁「暗号資産(仮想通貨)に関するトラブルにご注意ください!」 |
仮想通貨知識がない方からすると、「仮想通貨は危ない金融商品」だと思われてしまうため、ギャンブルと呼ばれてしまうわけです。
ただ、注意喚起の内容は、株式や投資信託など他の金融商品にも当てはまります。
現在では、金融庁の認可(暗号資産取引業者としての認可)を受けないと、国内では仮想通貨取引所の運営ができません。そのため、仮想通貨を利用した犯罪はあるものの、市場環境は改善されつつあることを理解しておきましょう。
仮想通貨リスクの詳しい内容につきましては、以下の記事も参考にしてください。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/bitbankplus-column-trading-risk
仮想通貨がギャンブルになる危険な例を3つ紹介
仮想通貨は、特性上ギャンブルになってしまう可能性もあります。
ここでは、仮想通貨がギャンブルとなる危険な事例について以下3つを紹介します。
- ギャンブル依存症になった例
- ギャンブル性の高い仮想通貨ゲームにハマってしまった例
- 仮想通貨を利用したオンラインカジノの利用例
ギャンブル依存症になった例
仮想通貨の短期的なトレードはハイリスクハイリターンであるため、ギャンブル依存症と同じ症状になる可能性もあります。
ギャンブル依存症とは「ギャンブルにのめりこんでしまい、自分をコントロールできない精神疾患」のことです。
とくに仮想通貨は、FXや株などの金融商品よりも中毒性が高い傾向にあります。
たとえば、2017年の仮想通貨市場は、ビットコインが2,500%も上昇するバブル相場で「億り人」と呼ばれる投資家が多く登場しました。
「仮想通貨取引で一攫千金が得られる」という、他の投資では味わえないスリルと快感を得られるため、ギャンブル依存症に陥ってしまう方が出てしまったのです。
仮想通貨取引でギャンブル依存症にならないためにも、余剰資金で長期的な投資を心掛けましょう。
ギャンブル性の高い仮想通貨ゲームにハマってしまった例
仮想通貨には、ブロックチェーンの特徴を活かしたギャンブル性の高いゲームもあるため要注意です。
ゲームの記録や報酬のやり取りなどはブロックチェーン上に記録されるため、いかさまができません。たとえば、オンラインポーカーやスポーツギャンブルなどのゲームがあります。
仮想通貨について調べているつもりが、ブロックチェーンを利用したギャンブルにハマって、資産を減らしてしまう危険性もあるため注意しましょう。
仮想通貨を利用したオンラインカジノの利用例
仮想通貨はオンラインカジノとも相性がよいため、遊び半分で利用してしまいハマってしまう例もあります。
オンラインカジノの取引履歴や報酬記録などを管理するのは、ブロックチェーンが得意とする分野であるためです。
実際、時価総額ランキング10位につけるカルダノ(ADA)は、オンラインカジノプラットフォームで利用できる仮想通貨として誕生しました。
仮想通貨が使われているオンラインカジノにハマってしまい、ギャンブル化してしまう例も存在します。
そもそもオンラインカジノは、日本国内において賭博罪が適用される立派な犯罪です。前科がついてしまうため、仮想通貨を用いたオンラインカジノの利用は避けましょう。
海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪です。 |
仮想通貨をギャンブルではなく投資にする4つの方法
仮想通貨はお金の投じ方次第でギャンブルに変わってしまうため、正しい
投資方法を理解しておく必要があります。
ここでは、仮想通貨をギャンブルではなく投資にするために、以下4つの方法を紹介します。
- 余剰資金での投資
- 少額投資
- 分散投資
- 長期投資
余剰資金での投資
仮想通貨に投資する資金は、使う予定のない「余剰資金」を使いましょう。
仮想通貨は元本が補償されている金融商品ではなく、取引が失敗して損失を抱えるリスクもあります。そのため、生活費やライフイベント(学校行事や知人の冠婚葬祭)など使う予定がある資金は、仮想通貨投資に回してはいけません。
理想としては、毎月貯金に回しているうちの一部を仮想通貨投資に回すのがおすすめです。
仮想通貨投資がギャンブルにならないように、損失を抱えても問題のない余剰資金で取引しましょう。
少額投資
仮想通貨取引をギャンブルにしないためには、リスクを最小限にできる少額投資もおすすめです。
仮想通貨は変動幅の大きい金融商品ですが、少額投資を行うことで、大きな損失を防げます。
たとえば、投資金額が100万円と1万円では、以下のように価格が下落したときの損失も少なく済みます。
投資金額 | 10%下落した場合 |
100万円 | 10万円の損失 |
1万円 | 1000円の損失 |
仮想通貨取引は価格の変動が大きく、リスクの高い金融商品ですが、少額から取引ができます。
いきなり大きな金額をかけるのではなく、投資経験がなくても少額でリスクの低い取引ができるのも仮想通貨の魅力です。
分散投資
仮想通貨に投資する際は、分散投資を行うとギャンブル性が低くなります。分散投資とは、時間や金額を複数回に分けて投資して、リスクを軽減する投資手法です。
真逆の投資手法として、ハイリスクハイリターンの集中投資があります。
分散投資と集中投資の違いは以下のとおりです。
投資手法 | 投資する銘柄 | 購入タイミング |
分散投資 | ビットコイン、イーサリアム、リップルなど複数 | 1ヵ月に1度のように定期的に購入する |
集中投資 | 特定の通貨(例:ビットコインのみ)に対象を絞る | 1度にまとめて購入する |
集中投資はハイリスクハイリターンであり、ギャンブル要素が高いため、バランスよく投資してリスクを抑えたい場合は、分散投資を意識してください。
分散投資の詳しい内容につきましては、以下の記事も参考にしてください。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/bitbankplus-column-diversified-investment
長期投資
仮想通貨は長期投資を行うと短期的な価格変動の影響を受けにくくなるため、ギャンブル性が減少します。
たとえば、ビットコインの価格は、1年で見ると価格変動は大きいですが、10年の長期を見ると右肩上がりで上昇しています。
以下はビットコインの価格チャートです。
参考:TradingView「ビットコイン/日本円」
ビットコインの価格変動は、短期で見たときと、長期で見たときの印象は異なります。
短期で大きく稼ぐことを目的にすると、ギャンブル性が高くなるため、長期的な目線で投資をしましょう。
長期投資の詳しい内容につきましては、以下の記事も参考にしてください。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/bitbankplus-column-longterm-investment
「投資」に分類される方法で仮想通貨を売買しよう
仮想通貨は、資産の投じ方によってギャンブルにも投資にもなり得ます。
仮想通貨を投資にするためには、ギャンブルと言われる理由と、正しい投資手法を覚えるとよいでしょう。
仮想通貨は歴史が浅く認知度は低いため、上記が原因でギャンブルと言われるケースもあります。
ただ、以下のようにリスクの低い投資手法を実践すると、ギャンブル性を減少させられるため、意識して資産を投じてみましょう。
- 余剰資金での投資
- 少額投資
- 分散投資
- 長期投資
仮想通貨は、株式や債券などの金融商品と比較すると、ハイリスクハイリターンであるのは事実です。一方で市場が新しく、将来性もあるため、正しく投資を行うと資産を増やせるチャンスはあります。
まずは、国内取引所を開設し、少額から仮想通貨投資をしてみましょう。