イーサリアムとビットコインの違いを項目別に紹介!どちらが向いているか判断しよう
イーサリアムとビットコインは両方とも「仮想通貨の代表格」として知られています。しかし、購入を検討する際、具体的な違いがわからず悩んでしまう方も多いです。
本記事では、イーサリアムとビットコインにおける時価総額・発行上限・通貨の役割などの違いを一覧表で比較しています。さらに、過去の価格推移や今後の価格予想、購入方法まで詳しく解説しています。
イーサリアムとビットコインの違いを項目別に紹介
イーサリアムとビットコインの違いを項目別に紹介します。
項目 | イーサリアム | ビットコイン |
時価総額 | 約41兆円 | 約130兆円 |
発行上限 | 無制限 | 2100万BTC |
決済手段としての役割 | 一部投資家から受け入れられている(ビットコインよりは浸透していない)。 | 世界中の店舗やオンラインストアで受け入れられている。 |
プラットフォームとしての役割 | スマートコントラクト※1やdApps※2を構築できる | なし |
ブロック生成時間 | 約15秒 | 約10分 |
コンセンサスアルゴリズム | PoS (プルーフ・オブ・ステーク) | PoW (プルーフ・オブ・ワーク) |
半減期 | なし | 4年ごと |
※2024年1月時点の情報
各項目について詳しく見ていきましょう。
時価総額
項目 | イーサリアム | ビットコイン |
時価総額 | 約41兆円 | 約130兆円 |
時価総額は「発行数量×通貨価格」で計算できるため、数値が大きいほど人気の通貨だといえます。
2024年1月時点でビットコインの時価総額は、仮想通貨の中でトップです。一方、イーサリアムの時価総額は、ビットコインに次ぐ2位です。
イーサリアムの時価総額は決して低くないですが、ビットコインの時価総額が飛び抜けて高い状況となっています。
発行上限
項目 | イーサリアム | ビットコイン |
発行上限 | 無制限 | 2100万BTC |
イーサリアムとビットコインは「発行上限」も異なります。
ビットコインは、希少性の担保やインフレ防止を目的として、発行量に上限を設けています。
一方、イーサリアムには発行上限がありません。そのため、「Burn(バーン)」という仕組みを採用して、過度な発行による価値の下落を防止しています。
Burnは、仮想通貨の一部を「誰もロックを解除できないアドレス」に送付し、実質的に使えなくする仕組みです。
Burnを実施すると仮想通貨の供給量が減るため、価格の上昇や安定化につながります。
決済手段としての役割
項目 | イーサリアム | ビットコイン |
決済手段としての役割 | ビットコインよりも幅広く受け入れられているわけではないが、一部で受け入れられている。 | 世界中のさまざまな店舗やオンラインストアで受け入れられている。 |
イーサリアムとビットコインを比較すると、決済手段としてはビットコインの方が普及しています。ビットコインは、現在以下の場所で利用できます。
- スターバックス
- ペイパル
- コカコーラ
一方、イーサリアムはビットコインほど普及していませんが、NFT(非代替性トークン)取引やゲーム内の通貨として使用されています。
プラットフォームとしての役割
項目 | イーサリアム | ビットコイン |
プラットフォームとしての役割 | スマートコントラクトやdAppsを構築できる | なし |
プラットフォームとしての役割は、イーサリアムにのみ付帯しています。
ビットコインは、通貨としての機能に特化した仮想通貨です。一方、イーサリアムはスマートコントラクトと分散型アプリケーション(DApps)の実行を主な目的としています。
イーサリアムは金融サービスやゲームなど、幅広い分野での応用が可能です。ビットコインが単一の機能に特化しているのに対し、イーサリアムは多様なサービスの基盤となっています。
ブロック生成時間
項目 | イーサリアム | ビットコイン |
ブロック生成時間 | 約15秒 | 約10分 |
イーサリアムとビットコインのブロック生成時間には、大きな違いがあります。
ブロック生成時間とは、取引を記録するブロックがブロックチェーンに追加されるまでの時間です。一般的に、ブロック生成時間が短いほど、素早く取引が完了する傾向にあります。
イーサリアムのブロック生成時間は約15秒と短く、早急な取引が可能です。一方で、ビットコインのブロック生成時間は約10分となっており、取引確認まで時間がかかります。
コンセンサスアルゴリズム
項目 | イーサリアム | ビットコイン |
コンセンサスアルゴリズム | PoS (プルーフ・オブ・ステーク) | PoW (プルーフ・オブ・ワーク) |
イーサリアムとビットコインは「コンセンサスアルゴリズム」においても異なります。
コンセンサスアルゴリズムとは、ブロックチェーンネットワーク内の取引承認に関するルールのことです。仮想通貨の場合、取引を承認する「マイニング」という手法でも通貨を取得できます。
各メリット・デメリットは、以下表のとおりです。
コンセンサスアルゴリズム | PoS(プルーフ・オブ・ステーク) | PoW(プルーフ・オブ・ワーク) |
採用している仮想通貨 | イーサリアム | ビットコイン |
特徴 | 多くの通貨を所有している人ほど、新しいブロックを追加するときの報酬を得やすい | 膨大な計算をこなして、一番早く取引を承認した人が通貨を得られる |
メリット | ・電力消費量が少ない ・取引承認までの時間が短い | 通貨の保有量に関わらず誰でも参加できる |
デメリット | ・電力消費量が大きい ・計算に時間がかかるため、取引時間も長くなる | ・大量の通貨を保有する人が有利になるため、貧富の差が生まれやすい ・保有するほど有利なため、通貨の流動性が低くなる |
どちらも通貨にもメリットとデメリットが存在するため、優劣に対して研究者の間で議論が続いています。
半減期
項目 | イーサリアム | ビットコイン |
半減期 | なし | 4年ごと |
ビットコインを保有していると、取引承認の報酬を半分にするイベント(半減期)に遭遇する可能性があります。
半減期はビットコインの過度な発行を抑制し、価値を安定させる役割があります。一方、イーサリアムは発行上限が無制限であるため、半減期の概念はありません。
通貨によっては半減期の前後で価格が上下します。半減期のタイミングを狙いたい方は、イーサリアムよりビットコインの購入をおすすめします。
イーサリアムとビットコインの過去価格推移を比較
本章では、イーサリアムとビットコインの過去の価格推移について解説します。
今後の通貨保有にも影響しますので、購入を検討している方は参考にしてください。
イーサリアムの価格推移
イーサリアムの価格推移を、以下に示します。
年 | 1ETHの価格 | 主な出来事 |
2015年 | ー | イーサリアムの取引開始 |
2016年 | 1,000円台で推移 | TheDAO事件(大規模ハッキング)の発生 |
2017年 | 9万円を突破 | 暗号資産(仮想通貨)元年として価格上昇 |
2018年 | 年初に14万円突破、その後下落 | バブル崩壊による大暴落 |
2019・2020年 | 1〜3万円台で推移 | DeFiサービスの注目増、コロナショック影響 |
2021年 | 52万円台 | 史上最高価格を更新 |
2022年 | 52万円(年初)、その後下落 | 「暗号資産の冬」による市場の冷え込み |
2023年 | 32万円を突破 | 価格回復の兆し |
2024年 | (1月時点)34万円台 | ビットコインETF承認 |
※1ドル150円で計算
イーサリアムは2015年の取引開始以降、価格の上下を繰り返してきました。2024年1月時点の価値(約34万円)は過去最高額まで達していませんが、徐々に上昇しています。
過去に起こった価格変動の原因を理解して、イーサリアムの価格予想に活かしましょう。
ビットコインの価格推移
ビットコインの価格推移は以下のとおりです。
年 | 1BTCの価格 | 主な出来事 |
2009年 | ー | ビットコイン誕生 |
2017年〜2018年 | 255万円を突破 | 暗号資産の取引所に対して登録制を導入 |
2018年〜 | 35.7万円付近まで下落 | ・FacebookやGoogleが暗号資産の広告掲載を禁止 |
2021年 | 770万円を突破 | ・テスラが15億円分のビットコイン購入 |
2022年 | 240万円付近まで暴落 | ・ロシアのウクライナ侵攻 |
2023年 | 10月までは400万円台、その後高騰 | 世界的な利上げやインフレ |
2024年 | (1月時点)670万円 | ビットコインETF承認 |
※1ドル150円で計算
ビットコインは2009年に誕生して以来、「バブル崩壊」などのイベントによる影響を受けながらも価値を上げています。
2021年のピークにはまだ戻っていませんが、2023年は主に「ビットコインETF」誕生への期待から価格が上昇しました。
さらに2024年1月にはビットコインETFが承認され、今後の価値上昇が期待されています。
イーサリアムとビットコインの価格予想を紹介
AIによるイーサリアムとビットコインの価格予想を紹介します。
2024年1月現在、イーサリアムは約2,380ドル(約34万円)、ビットコインは約46,000ドル(約670万円)です。
予測機関 | イーサリアムの10年後 | ビットコインの10年後 |
DigitalCoinPrice | 46,337ドル (約695万円) | 896,185ドル (約1億3,442万円) |
CoinPriceForecast | 6,710ドル (約100万円) | 217,905ドル (約3,268万円) |
PricePrediction | 114,273ドル (約1,714万円) | 2,236,953ドル (約3億3,554万円) |
※2024年1月13日時点の価格
※1ドル150円で計算
AIによって結果は大きく異なりますが、3つとも「上昇する」と予想しています。あくまで予測であると理解しつつ、購入時の参考にしてください。
イーサリアムはビットコインを超えるのか?
2024年1月時点のAI予想から、イーサリアムがビットコインの価格を超える未来は考えにくいです。ただ、イーサリアムの将来性も十分に期待できます。
イーサリアムの強みは、スマートコントラクトやDAppsの開発など、ビットコインにはないプラットフォーム機能を有している点です。
今後の開発状況によっては、イーサリアムの価格が高騰する可能性も十分考えられます。ビットコインとイーサリアムどちらを保有するか悩む場合は、以下の観点で考えてみましょう。
仮想通貨 | 購入の際に考慮するポイント |
ビットコイン | ・発行上限や半減期などによって希少性が担保される ・他の通貨よりも安定性が比較的高い |
イーサリアム | ・スマートコントラクト機能を有している ・NFTやアプリの開発に使用されている |
将来的にスマートコントラクトの普及やNFT・アプリ開発が活発になると期待する場合「イーサリアム」、安定性を求めている場合は「ビットコイン」の購入がおすすめです。
イーサリアムとビットコインを購入する方法
イーサリアムとビットコインを購入する方法について、以下3ステップで解説します。
- 口座開設
- 日本円を入金
- 通貨を購入
本章では、国内仮想通貨取引所「bitbank」を例に解説します。購入時の参考にしてください。
1.口座開設
まずは、以下の手順に沿って仮想通貨取引所の口座を開設しましょう。
- 仮想通貨取引所の新規口座開設ページにアクセス
- メールアドレスを登録
- 届いたメールから登録用ページにアクセス
- 氏名や住所など個人情報を記入
- 取引の目的や投資経験などの情報を記入
- 本人確認書類を提出
パソコンだけでなくスマホからでも手続きできます。口座開設は数分程度で完了します。
2.日本円を入金
次に日本円をパソコンまたはスマホから口座に入金しましょう。
基本的に銀行へ入金しますが、取引所によって指定される振込先が異なります。入金する前に銀行名を確認しておきましょう。
3.通貨を購入
日本円を口座に入金したら、パソコンまたはスマホでイーサリアムとビットコインを購入できます。仮想通貨は「販売所」または「取引所」で購入可能です。
イーサリアムとビットコインに関するよくある質問
最後に、イーサリアムとビットコインについてよくある質問を2つ紹介します。
- イーサリアムに欠点はありますか?
- ビットコイン・イーサリアム・リップルの違いはなんですか?
質問に対する回答を確認して、購入時の参考にしてください。
イーサリアムに欠点はありますか?
イーサリアムの欠点としては、以下の項目が挙げられます。
- 取引量が多くなると、承認速度が落ちる
- 取引量が多くなると、手数料(ガス代)が高くなる
- PoSを採用しているため、通貨保有量が少ない人が不利になる
1番と2番はイーサリアムに限らず、他の仮想通貨にも該当する欠点です。
3番の欠点に関してはPoSを採用している仮想通貨に当てはまりますが、とくに、取引量が多いイーサリアムで懸念されています。
ただ、前述したAI予想からもわかるとおり、イーサリアムは今後も価格上昇が予想されています。上記の欠点を理解したうえで、購入を検討しましょう。
ビットコイン・イーサリアム・リップルの違いはなんですか?
リップル(XRP)がビットコイン・イーサリアムと異なる点は、主に以下の2点です。
- 第3者(リップル社)によって管理されている
- 国際送金の利便性を上げるシステムが搭載されている
仮想通貨には通常「特定の管理者」がいません。一方リップル(XRP)は、リップル社という第3者がユーザーと通貨の間に存在します。
また、リップル(XRP)は「リップルペイメント」と呼ばれる、国際送金を迅速かつ低コストで行えるインフラを提供しています。
イーサリアムとビットコインの違いを理解して購入してみよう
イーサリアムとビットコインは「仮想通貨の代表」ともいえる存在です。
どちらも投資家の間で有名な仮想通貨ですが、通貨ごとに特徴が異なります。購入する際は、通貨の特徴や将来性などを考慮して、慎重に選択しましょう。
仮想通貨を購入する際には、仮想通貨取引所の口座を開設する必要があります。イーサリアムやビットコイン購入を検討していている方は、まず口座開設手続きから始めましょう。