ビットコインATMは日本国内で利用できない!理由や今後の普及について解説
ビットコインのATMとは、取引所や銀行などを介さずATMでビットコインを売買できる機械です。
ビットコインATMは、日本でまだ普及していない機械なので「そもそもどんな仕組み?」と疑問に思う方は多いでしょう。
本記事では、ビットコインATMの概要やメリット・デメリット、使い方などを解説しています。
【この記事を読むとわかること】
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ビットコインATMについて気になる方は、ぜひ参考にしてください。
ビットコインATMの特徴
本章では、ビットコインATMの特徴を以下2つの観点から解説します。
- ATMを介してビットコインを売買できる
- 世界で約4万台設置されている
ATMを介してビットコインを売買できる
ビットコインATMでは、利用者がATMを通じてビットコインを売買できます。
取引所を介さずに現金やデビットカードでビットコインを購入したり、保有しているビットコインを現金化したりできる点が特徴です。
ビットコインATMを利用することで、ビットコインを初めて購入する方や、オンラインでの取引に不慣れな方でも、手軽に売買できます。
また、旅行先で現地通貨を持ち合わせていない場合でも、ビットコインATMを利用することで必要な資金を調達できるメリットもあります。
ビットコインATMは、ビットコインの普及と利用拡大に重要な役割を果たしている機械といえるでしょう。
世界で約4万台設置されている
ビットコインATMは、世界中で急速に普及が進んでおり、2024年5月時点で世界全体の設置台数は約4万台に達しています。
ニュース専門放送局CNBCの調査によると、2023年1月時点で設置台数が最も多いのはアメリカ合衆国で、全体の約87%を占めています。
次いでビットコインATMの設置が進んでいる国は、カナダ、ヨーロッパ諸国、オーストラリアなどです。
世界的なトレンドを考慮すると、今後ビットコインATMの設置はさらに拡大していくと予想できます。
日本国内でビットコインATMは利用できない
2024年5月時点で、日本国内にビットコインATMは設置されていません。
世界的にビットコインATMの普及が進むなか、日本では規制の不確実性やビットコインに対する認知度の低さなどから、設置が進んでいない状況です。
しかし、株式会社ガイアが「BTM」という、ビットコインATMと似たシステムを国内で導入しています。BTMでは、以下4種類の仮想通貨を日本円に両替できます。
- ビットコイン
- イーサリアム
- ビットコインキャッシュ
- ライトコイン
BTMは全国に設置されつつありますが、台数はまだ限定的であり、ビットコインATMほどの利便性はありません。
ビットコインATMの使い方を4ステップで解説
ビットコインATMにはいくつか種類があり、機種によって操作は異なります。
本記事では、基本的な操作方法を以下の4ステップで紹介します。
- STEP1:ウォレットを用意する
- STEP2:ATMで必要情報を入力する
- STEP3:ウォレットのQRコードをスキャンする
- STEP4:現金・カードで売買する
STEP1:ウォレットを用意する
ビットコインATMを利用するには、まずビットコインを送金・受け取りできるウォレットが必要です。ウォレットとは、仮想通貨を保管するデジタル上の財布を指します。
ビットコインATMでは、QRコードを読み取るとウォレットを認識するため、スマートフォンにウォレットアプリを事前にインストールしておくと便利です。
ウォレットには、取引所が提供するウォレットや、スマートフォンアプリなど、さまざまな種類があります。
有名なウォレットとして「MetaMask(メタマスク)」があり、Google拡張機能やスマートフォンアプリなどからダウンロード可能です。
仮想通貨のウォレットを保有していない方は、以下の記事を参考にして作成してみましょう。
https://bitbank.cc/knowledge/column/article/bitbankplus-column-wallet
STEP2:ATMで必要情報を入力する
まず、ATMの画面に表示される指示に従い、取引の種類(購入・売却)を選択します。
次に取引金額を入力しましょう。ただ、1回あたりの取引金額には上限が設定されているため、大量のビットコインを購入・売却する際は複数回に分ける必要があります。
また、本人確認のために、電話番号やメールアドレスが求められる場合もあります。
STEP3:ウォレットのQRコードをスキャンする
取引金額を入力したら、ATMの画面にウォレットのQRコードをスキャンするよう指示が表示されます。
スマートフォンでウォレットアプリを開き、受取用のQRコードを表示して、ATMのスキャナーで読み取りましょう。
QRコードが読み取れない場合は、ウォレットのアドレスを手動で入力する必要があります。アドレスは長い英数字の羅列なので、入力ミスがないよう注意しましょう。
STEP4:現金・カードで売買する
最後に、現金やデビットカードを挿入して取引を完了させましょう。
ビットコインの購入なら、指定された金額を投入し、売却の場合は、指定したビットコインの数量分、現金がATMから払い出されます。
取引完了となるとレシートが発行されます。ビットコインがウォレットに着金するまでには時間がかかるため、着金を確認してからATMから離れましょう。
機種によって手順が異なるため、初めて利用する際は、事前に取扱説明書で操作方法を確認しておきましょう。
ビットコインATMを利用するメリット
ビットコインATMを利用するメリットは以下の3つです。一つひとつ確認していきましょう。
- 現金でビットコインを購入できる
- 現地法定通貨とビットコインを交換できる
- ATM間でビットコインを送金できる
現金でビットコインを購入できる
ビットコインATMでは、現金を使ってビットコインを購入可能です。
国内取引所を利用する場合、銀行口座やクレジットカードの登録が必要で、入金に時間がかかったり手数料が高くなったりする場合があります。
一方、ビットコインATMでは、手持ちの現金を投入するだけで簡単にビットコインを購入できます。
たとえば、旅行先でクレジットカードが使えない場面でも、現地通貨さえあればいつでもビットコインを手に入れられるため便利です。
ATMで購入したビットコインは、その場で指定したウォレットに送金されるため、両替と同じ感覚で現金をビットコインに交換できます。
現地法定通貨とビットコインを交換できる
外国へ行く際、日本円を現地通貨に両替するのと同じように、ビットコインATMを使うと現地通貨とビットコインを交換できます。
海外のビットコインATMでビットコインと現地通貨を両替できるため、万が一のときにも安心です。
現地通貨を持ち合わせていなくても、ビットコインさえあれば観光地での支払いに困ることがなくなるため、観光客にとって利便性が高いATMといえるでしょう。
ATMでビットコインを送金できる
国内外のビットコインATM間で、ビットコインを直接送金できるのもメリットです。
たとえば、アメリカのビットコインATMから日本に住んでいる知人のウォレットを指定し、ビットコインを送金できます。
わざわざ取引所を経由する必要がなくなるため、24時間いつでも即時に送金できる利便性を求めている方にとっては、大きなメリットといえるでしょう。
ビットコインATMを利用するデメリット
現地の法定通貨と交換できたり、24時間いつでも利用できたりとメリットの多いビットコインATMには、デメリットも存在します。
ここからは、ビットコインATMを利用するデメリットについて確認していきましょう。
- 機種によって操作方法が異なる
- 設置されていない地域では使用できない
- 手数料が高い
機種によって操作方法が異なる
ビットコインATMは、メーカーや運営会社によって機種が異なり、操作方法も変わってきます。
たとえば、現金の投入口やタッチパネルの位置、ボタンの配置なども機種によって違いがあるため、初めて利用する際は戸惑うことがあるでしょう。
ATMに表示される案内を読んで、不明点があれば付属のマニュアルを参照したり、サポートセンターに問い合わせたりしましょう。
設置されていない地域では使用できない
ビットコインATMを設置している地域は限定的であるため、使えない地域も多々あります。
反対に、ビットコインATMを使用できる地域は以下のとおりです。
- アメリカ
- カナダ
- オーストラリア
地方都市や人口の少ない地域でビットコインATMが普及するには、まだ時間がかかると予想されています。
設置しても利用者が少ないと利益を回収できないうえ、地域による規制問題があるためです。
ビットコインATMが使えなくても、仮想通貨取引所では簡単に通貨を売買できます。ビットコインATMを利用できない方は、仮想通貨取引所の利用を検討してみましょう。
手数料が高い
ビットコインATMは利便性の高いサービスである一方、手数料が高いため、コストの増加が懸念されます。
ビットコインATMの手数料は、取引金額の5〜23%程度が相場で、一般的な仮想通貨取引所と比べると高い水準です。
国内仮想通貨取引所「bitbank」の売買手数料が0.12%であることからも、ビットコインATM手数料の高さがわかります。
少額の取引なら手数料の影響は小さいですが、大口の取引では無視できないコストになります。ビットコインATMを利用する際には、手数料に注意しましょう。
ビットコインATMが日本国内で今後普及する可能性はある?
ビットコインATMは日本に設置されていませんが、法規制が緩和されてビットコインの利用が広がると、設置される可能性があります。
たとえば、金融庁がビットコインATMの設置基準を明確化し、運営会社の参入障壁を下げると、ATMの普及が加速するかもしれません。
また、ビットコインが決済手段として広く受け入れられると、利便性を高めるためにATMの需要が高まると予想されます。
法規制の緩和とビットコインの利用拡大が進むと、日本でもビットコインATMが身近な存在になる可能性があります。
ビットコインATMと並行して国内取引所を利用しよう
ビットコインATMは、ビットコインを手軽に売買できる便利な機械です。しかし、日本にはビットコインATMが設置されていないため、国内では使えないのが実情です。
仮想通貨取引所でもビットコインATMと同様に、ビットコインを簡単に売買できる仕組みが導入されています。手数料に関してはビットコインATMよりも安い傾向にあるため、コストを押さえた取引も可能です。
ビットコインの売買には仮想通貨取引所の利用を検討してみましょう。