相場の需給は引き続き買いが強い状況、全ての長期投資家が含み益が出ている状態に
今週の値動き
- 今週のビットコイン相場は11月11日の1230万円から取引が始まりました。今週も先週に続き週始めから買われる流れとなり上昇しました。月曜日のアメリカ時間には1時間足で10連続陽線を記録しており、強い買いが見られました。1300万円到達後も上昇の勢いは止まらず、水曜日には過去最高値となる1448万円を記録しました。週後半に入ると利益確定の売りに押され、現在の1時間足は24時間移動平均線を下回っています。それでも価格は1380万円で推移し、週次で12%ほど上昇しています。週後半にかけて短期的な調整局面入りしていますが、現在の相場状況からは来週も底堅い動きが期待されます。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、今週大きくプラスとなる場面がありました。価格が1300万円を突破した際に0.08%台を記録しました。今年4月以来の高さとなりました。年初の相場の天井となった時のFR水準に肉薄する動きとなりました。デリバティブ市場ではロングポジションにかなり偏ってきたことを示しています。一方、週末にかけて016%までFRは低下しています。
2.ロング・ショート清算推移
- 今週も大きな値動きとなった一方、デリバティブ市場の清算額としては先週ほど大きなものとなりませんでした。今週は一時間足で約5000万ドルと約4000万ドルのロングポジションの清算が発生しましたが、先週は1億ドルを超える清算が発生しています。相場の上昇の背景には強い現物買い需要があることが考えられます。
3.3ヶ月先の先物取引
- 今週の3ヶ月先の先物取引と現物価格の乖離率は、現在13%で推移しています。一時15%まで上昇する動きもありましたが、高値を付けた後に急落し利益を確定するために一部ロングポジションが解消されました。年初は一時30%の乖離を記録する場面があり、相場の過熱感としては当時よりは低い状態です。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量は足元で小幅ながら減少傾向にあります。今週もこの流れが変わらず引き続き取引所から現物が流出しています。取引所が保有するBTCは枯渇傾向にあり、相場の上昇に影響を与えています。同指標が減少している間は強気トレンドが継続することが予想されます。
2.含み益アドレス割合
- 同指標は、ビットコインアドレスで含み益が出ている状態のデータを抽出したものになります。含み益アドレス割合は、相場が過去最高値を更新していることから100%に近い状態で推移しています。どの価格帯で買っていても長期保有していれば利益が出ている状態を示しています。新たなアセットクラスとして重要な指標となっています。
まとめ
- 今週のビットコインも高値を更新する流れとなり、強気相場が継続しています。ボラティリティも大きく1300万円に到達後は一気に1400万円台に上昇しました。デリバティブ市場ではロングポジションが増加している一方、年初と比べると過熱感は弱く相場の上値余地を示しています。取引所保有BTCの数量も減少傾向が続き、需給面からも相場の上昇を後押しする地合いとなっています。足元では調整局面入りが示唆されていますが、短期の売り一巡した後は再度高値を試す動きとなるでしょう。上昇トレンドの継続を示唆するシグナルが多い状態となっており、来週も底堅い動きが予想されます。