デリバティブ市場では下目線が増加、一方マイナーネットポジションは久々にプラスに
今週の値動き
- 今週のビットコインは8月12日の865万円から取引が始まりました。週始めは底堅い動きとなり、買いが先行しました。今週は先週に続き900万円を回復する場面がありましたが、高値では利確売りに押され、上値が重くなる展開となりました。木曜日には一時840万円を記録し、今週の安値を更新しました。週後半に弱い値動きが目立つ動きとなりましたが、本日は再度買い戻され、価格は24時間移動平均線(24EMA)を上回っています。現在のところ小幅なプラスとなっていますが、今週は850万円から900万円のレンジでの推移となりました。相場全体としては高値の900万円を超えることに苦労しており、引き続き弱いチャートとなっています。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、足元でマイナスで推移しています。昨日価格が850万円を割り込んだ際にFRは低下し、ショートポジションの比率が上昇しました。逆に900万円近辺ではFRがプラスに転じており、ロングポジションの比率が高まり、上値が重くなりました。
2.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は今週は下落しています。先週の安値圏では乖離率が6%台まで下落しましたが、相場が反転したため同指標も回復していました。900万円近辺では一時10%近くまで上昇しましたが、今週は週後半に相場の上値が重くなってきたため、乖離率も低下し現在は8%台で推移しています。ここ6ヶ月間で最も低い水準となっており、投機的なポジションは減少しています。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量はここ数週間減少傾向にありますが、昨日は再び減少しました。価格の下落時に同指標は低下しており、売り圧力が減少傾向にあることを示唆しています。取引所保有BTCの減少傾向が続けば、相場は徐々に底堅く推移し始めることが予想されます。
2.利益確定送金推移
- 同指標は、含み益が出ている状態のアドレスから送金があったデータを抽出したものです。ここ最近では価格が急落した先週と900万円まで反発した際に大きな送金がありました。送金の一部は取引所で売却されていると考えられ、足元の上値の重さの一因となりました。相場が反発した際に大きな送金が増加する傾向がみられ、今後も注意が必要な指標となっています。
マイナーネットポジション
- マイナーのアドレスのネットポジションは、久々に0になりました。ここ半年の傾向としては、マイナーネットポジションがプラスに転じた際は、相場も反発する傾向があり、底値が近いことを示唆しています。上昇トレンドが継続するには、市場での最大の供給源であるマイナーから現物の流出が止まる必要があります。今週は久々に0近辺まで上昇しており、需給面では市場環境が好転する可能性があります。
まとめ
- 今週のビットコインは買い戻される動きもありましたが、結果としてレンジでの推移となりました。850万円以下ではショートポジションが増加する動きもあり、徐々にデリバティブ市場の投機筋は下目線のトレーダーが増えていることを示唆しています。オンチェーンでは、取引所保有BTCの低下に加え、マイナーネットポジションも久々に0ラインを回復し、需給の改善が見られました。短期的には上値が重く再度底値を探る動きも予想されますが、安値圏では徐々に買い下がる準備も考慮する時期に入っています。