相場は一時940万円台まで下落、オンチェーンでは短期の売り需要残が示唆される
今週の値動き
- 今週のビットコインは7月29日の1052万円から取引が始まりました。週始めは先週からの底堅い動きが継続し、1070万円台まで上昇しました。一方、高値からは相場が反転し強い下落トレンドが発生しました。今週は日銀が政策金利を上げたことで外国為替市場で円高となり、対円のビットコイン相場も売られやすい状況となりました。ビットコインは木曜日に970万円台まで下落し、ここまでの安値となっています。ここ3週間の安値を更新し弱い値動きとなっています。1時間足は現在も24時間移動平均線(24EMA)を下回った963万円で推移しており、週末に向けて警戒が必要な値動きとなっています。今週は8.4%の下落幅となっています。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、足元でプラスで推移しています。今週価格は大きく下落している一方、FRはプラスで推移していることから、短期的にはまだロングポジションの比率が高いことを示唆しています。価格が下落しているにもかかわらず、ロングポジションが多い状況は、ロングポジションの清算や解消を伴って相場がさらに下落するリスクを孕んでいます。
2.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は足元で縮小傾向にあります。こちらでは、無期限先物取引とは異なり、ロングポジションが急速に解消されています。ここ1ヶ月間の安値は7.4%ですが現在は9.2%まで下落しています。先週は13%にタッチする場面もあり、先物市場では今後の値動きが下方修正されています。
3.ロング・ショートポジションの清算推移
- ロング・ショートの清算推移は、ロングポジションで小さな清算が発生しましたが、かなり限定的なものとなりました。1時間足で最も大きな清算は500万ドル程度となり、下落幅に対しては小さいものとなりました。FRがまだプラスで推移している要因として挙げられます。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量はここ数週間上昇基調が続いていましたが、今週は小幅に下落しています。ユーザーの売り需要が一巡した可能性があります。一方、7月中旬から上昇した時期と比べるとまだ高い水準となっており、現物の売りをこなすにはまだ時間がかかることが予想されます。
2.マイナーネットポジション
- マイナーのネットポジションは今週、上昇していますが、まだマイナスで推移しています。徐々にマイナーからの売りが減少していることを示唆しています。相場が本格的な上昇トレンドに突入するには同指標がプラスに回復する必要があるでしょう。
まとめ
- 今週のビットコインは日銀の金融政策変更の影響から相場が強く売られました。現在も反発の兆しが見られず、週末に向けて警戒が必要な展開となっています。デリバティブ市場ではFRがプラスで推移していることから、続落した際は清算を伴いボラティリティが高くなるリスクがあります。オンチェーンデータでもまだ短期的な売り需要が残っていることが予想され、上値が重くなりやすい状況です。相場には下落リスクが急速に高まっており、来週以降の見通しを下方修正する必要があるでしょう。