これまで強かったビットコイン相場に変化、含み益アドレスは90%まで低下
今週の値動き
- 今週のビットコインは4月15日の1012万円から取引が始まりました。先週末に中東紛争ニュースをきっかけに大きく売られたビットコインですが、週始めは底堅く推移しました。火曜日には価格が1030万円手前まで上昇しました。一方、これが今週の高値となりその後は高値を切り下げる形となっています。足元では930万円台で差が止まりを見せているものの、強い買い戻しは見られない状況です。現在の1時間足は24時間移動平均線(24EMA)近辺で推移しています。このまま高値を切り下げた状態が来週まで続くともう一段安の危険性が高まるでしょう。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの資金調達率(FR)は、足元でマイナスで推移し始めています。今週の価格が下落した影響からデリバティブ市場では、ロングポジションの比率が低下しています。短期的なロングポジションが解消されたものと考えられます。FRは-0.005%となり、大きくマイナスとなっている訳ではないものの、これまでのロングポジションに偏った相場から徐々に変化しています。
2.ロング・ショート清算
- 今週のロングポジションとショートポジションの清算推移は、ロング側で大きな清算が発生しました。先週末にイランとイスラエルの中東紛争ニュースが市場価格に影響を与えた際に1.6億ドルの清算が発生しました。ここ3ヶ月では2番目に大きな清算となりました。高値圏で短期的なロングポジションを持ったトレーダーが狩られたものと思われます。今週は足元で対ドルで6万ドルを割り込む動きもありますが、6万ドルでは大きな清算は走りませんでした。
3.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は足元で縮小傾向に動いています。ここ2週間程度で約10%強も乖離が縮小しています。足元では10%の上乖離となっています。今週末には半減期を迎えるビットコインですが、投機筋は急速にロングポジションを解除しています。
今週のオンチェーン
1.含み益アドレス割合
- ビットコインアドレスで含み益が出ている割合の推移は、足元で価格が下落している影響から低下しています。1000万円より上位で推移していた際は、ほぼ全てのアドレスで含み益が出ている状態でした。一方、現在は90%近くまで低下しており、ポジション調整が進んでいます。
まとめ
- 今週もビットコインは下落が目立つ展開となりました。このままの価格帯が維持されると3週連続の陰線となります。足元の高値を切り下げる形が解消されない限り、相場の反転は難しいでしょう。デリバティブ市場では全体的にロングポジションの解消が進んでいます。含み益アドレス割合も低下傾向に変わっており、これまで強かった相場から徐々に変化していることがわかります。ロングポジションの解消は通常の相場であれば、需給面から上値が軽くなることが示唆されます。しかし現在は株式市場も下落傾向にあるため、市場全体のリスクオフでビットコインも下げている可能性があります。現状は来週以降も底値を探る展開が予想されます。