1100万円近辺ではロングポジションや利確売りが増加傾向、高値圏での値動きに警戒

今週の値動き

- 今週のビットコインは4月8日の1052.9万円から取引が始まりました。今週の相場は週始めから買われる展開となり、価格は過去最高値を更新し、一時1100万円を記録しました。一方、高値を維持することはできず火曜日には月曜日の上昇分をかき消す展開となりました。相場は週央に入ると再度底堅さを取り戻し、上値を試す動きになりました。現在は1090万円台がレジスタンスとなり上値の重しとなっています。1時間足は移動平均線を上回り、週後半は買いの流れとなっています。短期では高値を更新しようとする動きが見られます。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
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ビットコインの資金調達率(FR)は、足元でプラスで推移しています。一方、足元では0.007%程度に止まっており、以前よりは相場の過熱感が後退しています。今週始めに価格が1100万円に近づくとFRが急騰しています。その後、反落したことから今後もFRの急騰には警戒が必要です。
2.ロング・ショート清算
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- 今週のロングポジションとショートポジションの清算推移は、両方のポジションで1000万ドル程度の清算が発生しました。今週は上下に動く不安定な相場となったためです。現在は価格調整局面にあるため、短期ではデリバティブのポジションを狩る動きが継続しています。
3.先物価格乖離(3ヶ月)
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- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は縮小傾向にあります。今週始めには一時23%程度まで上昇する場面がありました。一方、現在は18%で推移しており、やや投機的な買いが後退しています。3月後半には30%を突破する場面もありましたが、先物市場では徐々に買いポジションが解除されています。今後高値を目指す際に再度20%を超えてくると、上値が重くなる可能性があり警戒が必要です。
4.未決済建玉推移
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- デリバティブ市場における未決済建玉は足元で高止まりを見せています。今週、価格が1040万円まで下落した際は、同指標が下落しましたが、足元では再度上昇しています。デリバティブ市場でのポジションが徐々に積まれていることを示しており、ここ2週間で最も高い水準を記録しています。未決済建玉が高い間は、価格の変動が大きくなりやすい傾向があり、今後の相場の動きは慎重に見極める必要があります。
今週のオンチェーン
1.利益確定送金量
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- オンチェーン上では利益を確定する送金が価格に影響を及ぼす動きが増えています。最近の相場では、同指標が上昇すると相場の上値が重くなる傾向が見られます。先週も価格が上昇した際に、利益を確定するための送金の増加が確認されています。高値圏では利益を確定する動きが見られ、今後も1100万円近辺では上値が重くなる可能性が示唆されています。
まとめ
- 今週のビットコインは一時大きく下落する場面もありましたが、週後半には再び高値を目指す動きとなっています。引き続きデリバティブ市場ではロングポジションとショートポジションで清算が出ており、ハイレバの投機ポジションは注意が必要です。また未決済建玉が上昇しており、今後は値動きも再度大きくなることが予想されます。相場全体としては底堅く推移している一方、1100万円近辺ではロングポジションの増加や利益確定売りの増加も予想され、高値を更新したからと言って高値を大きく更新していくことは想定しづらい状況です。高値更新後に反落する動きがあれば、売りポジションを建てることも選択肢に入ってくるでしょう。