オンチェーンデータでは売り圧力の低下を示唆、底堅い相場の下支えに
今週の値動き
- 今週のビットコインは10月21日の1033万円から取引が始まりました。相場は週前半から上値が重い展開となり、冴えない動きとなりました。水曜日には価格が一時1000万円を割り込みました。一方、大台を割ったことで売りに一服感が出てその後は買い戻しの流れとなりました。1000万円近辺は買いポイントとして意識されていました。週後半は底堅い動きとなり、昨日は先週の高値を更新しました。現在も価格は24時間移動平均線(24EMA)の上位で推移し、強い値動きとなっています。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、足元の相場が底堅く推移していることもあり0.01%近辺で推移しています。ここ3ヶ月間ほどは0.01%を超える水準に到達するのは稀でしたが、現在は徐々にロングポジションが積まれていることを示しています。
2.インプライドボラティリティ
- インプライドボラティリティは、オプション市場の市場予測値を表しています。現在の同指標は低い値で推移しており、オプション市場では大きな相場変動が予想されていない状態です。相場が大きく動いた際に同指標は上昇する傾向にあります。また、インプライドボラティリティが上昇した際は相場の底や天井になりやすい傾向が見られます。現在は低い値で推移しており、相場の天井を示唆するものとはなっていません。
3.3か月先の先物取引価格乖離率
- 3ヶ月先の先物取引価格と現物価格の乖離率は足元で上昇傾向となっています。現在は10%ほど乖離しており、8月初旬以来の高さとなっています。徐々に先物取引が買われていることを示しています。相場の盛り上がりと共に買いが先行している動きがみられます。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量は足元で下落傾向となっています。ユーザーが取引所から現物BTCを引き出す動きがみられます。売り圧力の減少が示されており、相場が底堅く推移する一因となっています。
2.マイナーネットポジション
- 同指標は、マイナーアドレスの増減を示したものとなっています。同指標は足元で上昇しており、マイナーが現物を積み増している傾向がみられます。マイナーの収益が改善していることも示唆されています。このままマイナーが現物を積み増す動きが継続すれば、市場に供給される現物も限定的となるでしょう。
まとめ
- 今週は売られる場面もありましたが、1000万円近辺からはしっかり買われる動きとなりました。昨日は先週の高値を更新し、1040万円にタッチしました。先物市場では買いポジションの増加が確認されており、今後は利益を確定する売りも出やすい状況となるでしょう。オンチェーンデータでは取引所保有BTCが減少するなど売りの低下が示唆されています。全体的には強気な指標が多く、来週以降も底堅い推移が予想されます。