BTCは1000万円定着か? 今週はイーサリアムのデンクン・アップグレード
4日〜10日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比692,789円(7.31%)高の10,169,332円と2週続伸した。
週前半の乱高下から一転し、週央からのBTC円は1000万円を巡る攻防が続いていたが、8日の米雇用統計で失業率が上振れ平均賃金が下振れると、米債利回りの低下に逆行して相場は上昇し、1030万円近辺まで戻した。一方、これによりBTCはドル建てで初めて70,000ドル(≒1028万円)に乗せると、すかさず売りが入り反落。その後はすぐに戻りを試し、底堅い推移となったが、同水準の上抜けには失敗して週末に入った。
週末9日のBTCは1000万円台を維持するも方向感に欠ける展開が続いたが、10日には再び70,000ドル水準をトライ。しかし、週末で取引材料に乏しい中、相場は再び同水準の上抜けに失敗し、本日は売り優勢で取引を始めている。
BTCはドル建てで史上最高値トライ後に利益確定売りが入り、先週は底堅くも上下に大きく振れる展開となった。しかし、チャートは乱高下しつつも安値を切り上げて推移しており、高値での売り圧力が徐々に後退していることを示唆している。
相場には引き続きテクニカル的な過熱感が確認されるが、米国の現物ビットコインETFへの資金流入が相場と市場センチメントの支えとなっており、今週もETFへの資金フローには要注目だ。直近2週間では、週前半にETFへの資金流入が高水準となる傾向があり、相場も週前半に上昇しやすくなっている。
また、今週は2月の米消費者物価指数(CPI)や小売売上高の発表を控えており、先週に引き続き重要な米経済指標の発表が続く。先週公開された米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、インフレによる家計の裁量的支出の低下や、サプライチェーンの更なる正常化に進捗が見られ、インフレと消費に鈍化傾向が期待される。
高値圏での売り圧力の低下に加え、インフレ鈍化による米国債利回りの低下が進めば、BTCはそろそろ70,000ドルの上抜け達成もあり得るだろう。今週13日にはイーサリアムのデンクン・アップグレードも控えており、ETH相場の上昇にBTCも連れ高となる余地もある。
BTCが70,000ドルの上抜けに成功すれば、オプション市場で建玉が集中する75,000ドル(≒1102万円)が次の上値目途と見ている。
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bitbank Report 2024/03/11:BTCは1000万円定着か? 今週はイーサリアムのデンクン・アップグレード