米CPI伸び鈍化もBTCは反落 大幅利下げ観測が後退
14日のビットコイン(BTC)円は889.9万円から方向感に欠ける展開で取引を開始。東京時間中盤には小高く推移するも、900万円では上値を重くした。欧州勢参入後には、ジリ高地合いで900万円台に乗せたが、7月の米消費者物価指数(CPI)が概ね市場予想通り(予想:+3%→結果:+2.9%)となると、FRBによる9月の大幅利下げ観測が後退し、BTC円は売り買いが交錯した後にロングの投げを伴って870万円周辺まで急反落を演じた。これにより相場は先月29日からの下落の半値戻し887.8万円と60,000ドル水準(≒883.4万円)を割り込んだが、その後は870万円周辺で下げ止まり、終値は867.7万円となった。
米CPIは懸念していたデフレの進行を示さなかった一方、FF金利先物市場では、FRBによる9月の50bp利下げの確率が50%以上織り込まれていたことから、大幅利下げに対する期待感が後退した格好だ。本日は7月の米小売売上高の発表を控えているが、前月比CPIのコア指数や物流サービス価格の上昇が加速していることに鑑みるに、6月の0%からは相応の上昇が予想される。少なからず景気後退懸念の解消が進むことは歓迎されるが、市場予想の+0.3%を上回れば大幅利下げ観測の後退が更に進み、BTC円の上値を圧迫する可能性も指摘される。他方、BTC先物市場の資金調達率は昨日の相場下落でマイナス圏に振れており、需給の偏りによって相場の下値も限定されるか。