いよいよ現物イーサETF取引開始 米政府のBTC送金は懸念に値しないか
22日のビットコイン(BTC)対円相場は5日ぶりに反落した。米大統領選からの撤退を表明したバイデン米大統領が候補者としてハリス副大統領を支持したことで、BTC円は朝方に1070万円を回復したが、ドル建て相場が中期下降チャネル上限にタッチしたことでその後は失速し、東京時間終盤には利益を確定する売りが入った。欧州時間に入ると相場は持ち直すも、高寄して取引を始めたナスダック総合が押すと、BTCも連れて1045万円周辺まで下落。しかし、米株が序盤の売りをこなすとこの日は大型グロース株に資金が戻り反発し、BTCは連れ高で下げ幅を奪回した。ただ、これによりBTCドルは再び下降チャネル上限が走る68,400ドル周辺まで戻し失速すると、米政府が58.742BTC(≒6.2億円)の送金を行い、相場は1060万円近辺まで下落した。
今朝方の米政府によるBTCの送金は、ダークウェブで医薬品の違法販売を行っていたライアン・ファラス氏から2021年に米司法省(DOJ)が押収したBTCの量と一致する。DOJがファラス氏から押収したBTCの量は合計で2,933BTC(≒310億円)となり、今後も残りの2,874.258BTC(≒304億円)の売り圧力が想定されるが、この程度の額はETFが1〜2日で吸収できるため、過度に懸念する必要はないだろう。一方、本日からは米国で現物イーサリアムETFの取引が始まる見通しとなっており、ビットコインETFの取引開始時と同様にイーサ(ETH)相場の下落には注意したい。以上に鑑みて本日のBTC相場も下降チャネル上限を背に揉み合う展開が続くか。
PDFリンク
bitbank Report 2024/07/23:いよいよ現物イーサETF取引開始 米政府のBTC送金は懸念に値しないか