ETFフロー改善でBTC続伸 米早期利下げの気配も支援に
9日のビットコイン(BTC)対円は続伸し、週末の下げを奪回した。915万円周辺での揉み合いで始まったこの日の相場だったが、前日にブラックロックのETF(IBIT)に302億円もの流入があったことが明らかになると、確りとした推移で930万円まで戻した。この日もドイツ政府によるBTC売りが続いたが、こうした機関投資家による押し目買いに加え、流動性の低下で捌き切れなかったBTCがドイツ政府のウォレットに送り返され影響は相殺された。注目されたパウエルFRB議長の議会証言では、期待されていたほどハト派的な発言はなかったが、景気や労働市場への配慮も垣間見えた。また、その後行われた米3年債の入札が堅調だったこともあり、BTCは940万円周辺まで戻した。
パウエル議長の議会証言は、特段に目新しい材料があった訳ではなかったが、これまでのインフレ低下進捗の評価以外に、景気と労働市場を抑制し過ぎるリスクへの言及があり、政策転換に向けた地均しの気配を僅かながら感じさせた。ただ、今週11日には6月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えており、BTC相場の上値は限定的だった。本日もパウエル議長は下院での証言を控えているが、BTCドルは既に週末に戻り売りが入った58,000ドル(≒936.8万円)周辺まで戻しており、CPIの発表前に同水準の上抜けに成功するには材料不足な印象もある。ただ、ETFフローの改善や、ドイツ政府のBTC売りが思っていたほど相場に影響しない可能性も鑑みれば、上抜けの可能性もゼロではないか。
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bitbank Report 2024/07/10:ETFフロー改善でBTC続伸 米早期利下げの気配も支援に