オンチェーンデータは売り圧力の増加を示す、ロングの清算額はここ3ヶ月で2番目の高さに

今週の値動き

- 今週のビットコインは12月11日の635万円から取引が始まりました。相場は週明けの取引開始と共に売られる動きとなりました。日本時間に610万円まで下落したところで、一旦は下げ止まるもアメリカ時間に再度下落しました。価格は590万円近辺まで下落し、今週の安値となりました。週央に入ると相場は徐々に持ち直し、底堅い推移へと移行し始めます。水曜日には620万円台を回復したところで、反発に対する戻りが発生しました。現在は608万円で推移し、24時間移動平均線を僅かに下回った水準です。現在の水準が維持されると3週ぶりの週足陰線となります。価格は600万円近辺にサポートがあり、次の動きを待っている状態です。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
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ビットコインの資金調達率(FR)は、足元でプラスで推移しています。先週は価格が640万円近辺で推移していた時は、FRが0.03%を超える水準を記録していました。一方、今週の始めに価格が下落した辺りから、FRは下落傾向に転じました。多くのロングポジションが解消され、現在は0.006%で推移しており相場の過熱感も後退しました。ロングポジションが解消されたことで、週始めよりは相場の上値が軽くなったと見ることができるでしょう。
2.ロング・ショート清算
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- 今週のロングポジションとショートポジションの清算推移は、ロング側で大きな清算が発生しました。640万円から620万円を割り込む動きが発生した際に、大量の清算を記録し、デイリーの清算額は7940万ドルとなりました。ここ3ヶ月間で2番目の高さとなり、短期的なハイレバポジションが狩られる展開となりました。先週まで強い値動きが続いていたため、高値圏でも強気なポジションを取るトレーダーが多くいたようです。
3.先物価格乖離(3ヶ月)
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- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は高値圏を維持も足元で縮小傾向にあります。先週は一時8.9%ほど上乖離していましたが、現在は8.3%で落ち着いています。短期市場の無期限先物取引と同様に今週始めの価格下落時に先物取引も売られました。乖離率はここ1ヶ月間ほど8%台で安定的に推移しています。再度9%台まで上昇した際は高値警戒が必要です。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
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- 取引所が保有するBTCの数量は足元で上昇傾向にあります。同指標は先週から上昇傾向が続いており、現在の相場の上値の重しとなっています。ユーザーは現物を利確しようとする動きを加速させており、上昇した分を解消できなければ今後も上値が重い展開となる可能性があることに注意が必要です。
2.マイナーネットポジション
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- 上記はマイナーの現物ポジションの増減を表しています。足元では多くの現物が流出していることを示しており、一部は市場で売られていると考えられます。ここ最近の価格の上昇を受け、マイニング事業の運転資金を確保しようとする動きが見られます。マイナーのポジションのマイナスは売り圧力の上昇を示唆しています。
まとめ
- 今週のビットコインは強く売られる場面もありましたが、週後半にかけて底堅い推移となり、短期的な下落に止まりました。週足は陰線となる可能性がありますが、600万円のサポートを割り込むまでは、強気の相場と見ることができるでしょう。FRや先物取引の乖離率を見る限りは、現在は週始めより需給が改善しています。一方、オンチェーンデータでは売り需要の拡大が示されており、年初来高値を更新するにはもう少し調整期間が必要です。オンチェーンデータが改善しない状態で高値まで上昇した際は再度戻り売りが発生する可能性があり、警戒が必要でしょう。