ショートポジションの清算が3ヶ月ぶりの高さを記録、底値を探りやすい相場へ

今週の値動き

- 今週のビットコインは8月28日の383万円から取引が始まりました。週始めはほぼ横ばい推移となり、小幅な値動きでした。一方、火曜日には米取引所のグレースケールの勝訴が決まり、ビットコイン現物ETFの認可期待から価格は急騰しました。価格は一時409万円まで上昇しましたが、高値圏では買いが続かず、即座に上値が重くなりました。木曜日には高値を保つことができなかった相場は、火曜日の上昇分をかき消す動きが発生しました。現在の相場には短期的な買い手しかおらず、底堅さにかけることを示す結果となりました。価格は現在も24時間移動平均線(24EMA)を下回っており、弱い相場が続いています。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
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ビットコインの資金調達率(FR)は、足元でプラスで推移しています。先々週の価格が下落した際は、多くのロングポジションが解消されたため、FRはマイナスとなっていましたが。一方、現在は今週価格が上昇したこともありFRがプラスを回復しています。ロングポジションの割合の上昇は上値が重くなる要因となります。
2.ロング・ショート清算
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- 今週のロングポジションとショートポジションの清算推移は、価格が急騰した際にショートポジションで大きな清算がありました。清算額は2000万ドルとなり、ここ3ヶ月間で最も大きい清算となりました。今週の価格上昇の背景には、短期なショートポジションの清算が影響していたことが示されています。ショートポジションが多く解消されたことは、下値を探りやすくなったと言えます。
3.先物価格乖離(3ヶ月)
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- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は、今週ほぼ横ばい推移となりました。現在は4%程度で推移しており、まだ上乖離が続いています。価格が400万円にタッチした際も上乖離は広がっておらず、デリバティブ市場の投機筋からの強い買い入れはありませんでした。徐々に投機熱が冷めてきていることを示しています。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
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- 取引所が保有するBTCの数量は下落傾向が続いており、ユーザーが取引所から現物を引き出す動きが見られます。現物を扱う投資家は価格の下落時に買いを行っていると推測されます。長期的な投資家は買い増しを行っていますが、値動きが反転するほどの買いはないようです。
2.含み益アドレス割合
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- ビットコインアドレスで含み益が出ている割合の推移は、価格の上昇時に68%まで上昇しました。400万円より上位では上値が重くなる傾向がみられ、含み益を確定する動きが強いと考えられます。今後も価格の上昇時には利確を目的とした売りが発生すると予想され、高値圏の値動きには注意が必要です。現在は65%程度の含み益割合で推移しています。
まとめ
- 今週のビットコインは価格が上昇する場面もありましたが、結果として戻り売りを誘う動きとなりました。デリバティブ市場は徐々に投機熱が低下している一方、まだ3ヶ月先の先物価格は上乖離が続いており、今後もポジションを解消する売りが予想されます。含み益アドレス割合は今週上昇しており、利益を確定したい投資家がまだいることにも注意が必要です。