ロングポジションの清算が2年ぶりの高水準、多くの投機筋がロスカットされたか

今週の値動き

- 今週のビットコインは8月14日の425万円から取引が始まりました。月曜日はここ数週間の動きと同様に買われて取引が始まりました。一方、レジスタンスとなっていた430万円まで上昇したところで上値が重くなりました。レジスタンスを抜けることができないと、相場では売りが出始めました。火曜日以降は日足ベースでは陰線を並べ、木曜日の夜には足元のサポートだった410万円にタッチしました。今週は下落の勢いが強く今朝方サポートを割れ、価格は390万円を記録しました。今週の下落幅は35万円(-8.2%)となり、現在も24時間移動平均線(24EMA)を下回り、弱いプライスアクションとなっています。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
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ビットコインの無期限先物取引の資金調達率(FR)は、昨夜までプラスで推移していましたが、今朝方の下落時にマイナスとなりました。昨夜まで多くのロングポジションが残っていましたが、現在はショートポジションの比率が上昇してきていることを示唆しています。今後もFRがマイナス圏を維持できるか注目です。
2.ロング・ショート清算
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- 今週のロングポジションとショートポジションの清算推移は、ロング側で大きな清算が発生しました。1時間足では最大で1億6000万ドルの清算がありました。最近はレンジで推移していたため大きな清算はありませんでしたが、今週は約2年ぶりの大きな清算となりました。多くの投機筋のロングポジションがカットされたことを示しています。
3.先物価格乖離(3ヶ月)
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- 3ヶ月先の先物取引価格と現物価格の乖離率は縮小傾向にあります。今週は価格が下落しているため、先物取引でもロングポジションのクローズが進んでいます。現在は4.8%近辺で推移しています。価格の大きな下落とは裏腹に先物取引価格は依然として上乖離しています。まだポジション調整の売りが残っていることを示しています。
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4.未決済建玉推移(キャッシュマージン)
- 現金を裏付け資産にする先物取引の未決済建玉は昨夜まで上昇し、年初来高値水準で推移していましたが、今朝方の下落時に大きく下落しました。多くのロングポジションが清算されたため、未決済建玉は減少しました。相場の傾向としては、トレンドの発生時に未決済建玉が増加するとトレンドが継続する動きがよく見られます。短期的には減少した未決済建玉ですが、今後も未決済建玉が増加した際は下落方向への動きに注意が必要です。
今週のオンチェーン
1.含み益アドレス割合
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- ビットコインアドレスで含み益が出ている割合は、足元で価格が下落している影響から低下しています。一時は74%程度で推移していましたが、現在は61%程度で推移しています。アドレスベースで見ると、相場の調整がかなり進んでいることを示しています。とは言え、強い下落トレンドの発生時には含み益割合が50%を下回ることもあるため、まだ利益を確定する売りも出てくるでしょう。
まとめ
- 今週は、重要なサポートだった410万円を割り込み大きく売り越されました。デリバティブ市場では大きなロングポジションの清算があり、大半のトレーダーの方向感が間違っていたことが示されました。FRは足元でマイナスで推移し始めていますが、長期目線の先物取引価格は依然として上乖離していることから今後もポジション調整を伴う売りが発生しやすい状況です。今週の動きは新たな下落トレンドが発生した可能性を示しており、来週以降も下落方向への動きに警戒が必要です。