ロングのポジション調整が進む1週間、相場はまだ上値余地を残しているか

今週の値動き

- 今週のビットコインは5月12日の1519万円から取引が始まりました。週前半は上値を追う動きとなり、1550万円近辺まで上昇しました。しかし上値を伸ばすことはできず、週中は下落する動きが強くなりました。木曜日は一時1500万円を割り込む動きが見られました。相場は1500万円より下では買い戻しが入り、現在は24時間移動平均線(24EMA)を上回り、1510万円台で取引されています。週を通じては小幅なマイナスとなっており、調整の1週間となりました。今週マイナスとなれば6週ぶりの陰線となります。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
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ビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、足元でプラスで推移しています。一方、昨日価額が下落した際には小幅にマイナスを記録しています。先週は価格が大きく上昇したことで0.01%を記録し、ロングポジションが増加していました。一方、現在は再度0.01%を下回り、短期のロングポジションが解消されました。
2.ロング・ショート清算推移
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- 今週は相場がほぼ横ばいで推移したため、ロング・ショート共に大きな清算はありませんでした。1000万ドルを超える清算は発生しませんでした。先週は価格が大きく上昇したため2000万ドルを超えるショートポジションの清算が発生していました。
3.3ヶ月先の先物価格乖離率
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- 今週は1500万円を割れた際に先物価格と現物価格の乖離率は一時5%近くまで下落しました。ここ数週間の安値圏まで下落しました。先物で買いポジションが多く解消されたものと考えられます。現在は6.5%の乖離率となり、今週の始めと比べると低水準となっています。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
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- 取引所が保有するBTCの数量はここ数週間継続的に下落しています。昨日も大きく下落する動きが見られ、現物が取引所から引き出されています。取引所で売られる現物は供給不足傾向となっています。
2.含み益アドレス割合
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- 同指標は、ビットコインアドレスで含み益が出ている状態のデータを抽出したものになります。2週間ほど前には92%のアドレスが含み益を出している状態でした。一方、現在は価格が上昇したことから含み益割合は98%まで上昇しています。この含み益が出ている投資家がどこで売りを出すのか注視する必要があります。
まとめ
- 今週のビットコインは一時1500万円を割り込む動きもありましたが、買い戻しもあり下落は小幅にとどまっています。デリバティブ市場では短期のロングポジションが解消されており、ポジション調整が進みました。取引所から現物は継続的に引き出されており、需給面では相場にポジティブに影響するでしょう。長期投資家の含み益は98%まで上昇しており、今後の利益確定売りが懸念されます。相場が上値を目指すには新規の買いを入れる資金が売りを上回る必要があります。デリバティブ市場を見る限りは、ロングポジションに調整が入ったことで短期的にはまだ上値を目指す余地がありそうです。今週は6週ぶりに陰線を記録する可能性がありますが、5週連続で陽線を記録していたことを考えれば短期の価格調整は仕方がないことでしょう。相場全体としては、まだ底堅さが見られ来週以降も買いが優勢な相場が予想されます。