ビットコインの長期投資家は買いに転じる、徐々に現物保有を増やしている

今週の値動き

- 今週のビットコインは3月24日の1287万円から取引が始まりました。今週も先週までの流れを引き継ぎ、小幅ながら上昇しています。現在のところ2%ほど上昇しています。上昇は1330万円近辺で上値を抑えられていますが、高値圏で揉み合う動きとなっています。足元では1300万円近辺がサポートとなっており、1300万円から1330万円をどちらに抜けるか注目の価格帯となっています。現在の価格は移動平均線近辺で推移し、方向感がやや欠ける動きとなっています。週末にかけて1330万円を超えることができると、来週も底堅い動きが期待されます。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
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ビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、足元でマイナスになることが増えています。価格は上昇していますが、戻り売りを狙ってショートポジションを建てるトレーダーが増加していることを示唆しています。投機的な買いポジションも減少していると考えられます。
2.ロング・ショート清算推移
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- 今週は価格が1300万円を回復しましたが、ショートポジションの清算は限定的となっています。現在は現物の購入が相場の押し上げ要因となっていることを示しています。大きめのショートポジションの清算が入るまでは底堅い値動きとなる可能性を示唆しています。
3.3ヶ月先の先物取引
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- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は5%台で推移し、一時は5%を割り込む場面もありました。先物市場で長期的な買いは弱い状態となっています。乖離率としてはここ1年間で最も低い水準となっており、冷え込んだ状態を示しています。2月の下落相場によって多くのロングポジションが解消されたものと考えられます。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
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- 取引所が保有するBTCの数量は足元で大きな減少を見せています。取引所のBTC数量はここ半年間ほど下がり続けており、需給面では供給サイドが弱い状態です。相場のモメンタムが上がり、強い買いが入れば価格の上昇が期待できる地合いと言えます。
2.長期投資家のポジション変化

- 同指標は、glassnodeが提供する長期投資家のアドレス推移を示したものとなります。足元では長期のビットコイン保有が増えており、価格の下落に応じて現物買いが入っています。長期投資家は12月に売りのピークを記録していましたが、足元では買い越しています。高値で売って安値で現物を買う動きが見られ、長期投資家は足元で徐々に買いポジションを増加させています。
まとめ
- 今週のビットコインは小幅ながら上昇しており、底堅い地合いが戻りつつあります。2月は20%の下落を記録しましたが、今週プラスとなれば3週連続の陽線となり相場の回復が印象付けられます。デリバティブ市場では投機的な動きが減り、価格急落のリスクは軽減されています。オンチェーンデータでは、現物が買われていることを示しており、長期では相場が持ち直す可能性があります。まだ強い上昇トレンドの回帰には時間が必要になると考えられますが、安値圏では買いポジションを建てやすい相場地合いとなってきています。