暗号資産界隈で密かに盛り上がる対コロナのチャリティー活動、ビタリック氏など著名人が積極参加
暗号資産(仮想通貨)市場では、循環する資金の一部をチャリティに回す動きが活発化している。イーサリアムの創設者であるビタリック氏や海外取引所のバイナンスがコロナ被害が大きいインドの活動家達に支援を行なっている。
ビタリック氏は先週、市場で最近トレンドになっている犬をモチーフにしたコインShiba Inu(SHIB)トークンを使って寄付を行った。50兆枚のSHIBを寄付した。仮想通貨Polugonを創設したサンディープ・ナイワル氏が立ち上げた基金に12億ドル相当のSHIBを送っている。
SHIBは犬コインの代表的存在であるDOGEのキラーコインとして作られ、ローンチ時にビタリック氏のアドレスに大量のSHIBコインが送金されていた。最近の強気トレンドに乗っていたSHIBコインは、5月に入り価格が一時25倍になっていた。
しかしビタリック氏がチャリティーに寄付するためにSHIBを送金していることが市場に伝わると、売り圧力が強まるとの懸念から相場は崩れてしまった。価格が暴落したことを受け、SHIBコミュニティーから批判されたビタリック氏は、アドレスに残ったSHIBトークンの90%に当たる410兆枚をバーン(焼却)したことを追加で発表した。
ビタリック氏は10%のSHIBトークンもチャリティーに寄付する考えであることを示している。また今回のようなコミュニティの混乱を招く恐れがあるため、同氏のアドレスに無断でトークンを送金しないよう呼び掛けた。
チャリティーとの関連性は不明だが、ビタリック氏の送金が判明した後Polugonの価格も上昇しており、5月始めの価格と比べて一時3倍まで上昇している。明確な理由もなく上昇することがある仮想通貨市場だけにチャリティ銘柄として注目された可能性もある。
海外取引所のバイナンスはチャリティ活動を定期的に行っており、インドの病院に酸素供給機器の寄付を行っていることを発表している。今回のチャリティー額は20万ドルほどになるとしているが、更なる機器提供を行う準備がるとCEOのCZ氏が明かしている。
インドのコロナ対策支援は海外取引所クーコインも参加しており、食べ物や日用品の提供を行っている。仮想通貨界隈では市場の盛り上がりで潤った資金の一部がチャリティに回るようになっており、社会貢献活動をよく目にするようになってきている。