米政府がブロックチェーン情報に興味、コインベースと協力

米暗号資産(仮想通貨)取引所Coinbase(コインベース)がブロックチェーンの分析ソフトウェアを米政府に提供しているとThe Blockが報じた。コインベースはCoinbase Analytics(コインベース・アナリティクス)と呼ばれる独自のブロックチェーン分析ソフトウェアを所有している。
コインベースはソフトウェアをシークレット・サービスに提供している。シークレット・サービスは米国国土安全保障省の一部機関だ。公開されている契約によるとコインベースはシークレット・サービスと4年間の契約を結んでおり契約期限は2024年5月だ。
コインベースのBrian Armstrong(ブライアン・アームストロング)CEOは、twitter上で以下のように発言している。
「長期的にみて暗号通貨市場により多くの資金を呼び込むためにはブロックチェーンの分析ソフトウェアは必須だ。コインベースのようにフィアットを扱う暗号資産取引所はマネロン対策を行う上で政府と協力することが好ましい」
コインベースのブロックチェーン・アナリティクスに興味をもっているのはシークレットサービスだけでなく、DEA(麻薬取締局)やIRS(米国国内歳入庁)などの政府機関も関心を寄せている。
DEAは麻薬取引に使われた暗号資産をトラッキングする目的があると見られ、IRSは暗号資産取引で発生した利益に対する税金逃れを防ぐ狙いがある。一方、今の所DEAとIRSがコインベースと契約しているとの情報はない。
コインベース・アナリティクスはコインベースが以前に買収したNuetrino(ニュートリノ)の技術をベースに作られている。コインベースは、顧客情報とコインベース・アナリティクスの情報は別々に保存されており、顧客の行動をトラッキングするものではないと説明している。
市場が大きくなるにつれ政府機関は暗号資産の規制や監視に興味を持つようになっており、この傾向は今後も続くと見られている。ビットコインのようなパブリックのブロックチェーンをデータベースとする暗号資産の取引はオンライン上で公開されているためトラッキングは容易だ。ユーザーは自身の行動がトラッキングされる可能性があることを承知の上で利用する必要がありそうだ。