今週は先週の反動で調整局面入り、相場を動かすには新たな材料が必要か

今週の値動き

- 今週のビットコインは10月2日の417万円から取引が始まりました。今週は週明けと共に買われ高値を追う展開となりました。価格は428万円まで上昇しました。一方、月曜日のアメリカ市場が開くと利確売りが発生し反落しました。下落の流れは水曜日まで続き、価格は今週の安値となった405万円を記録しました。一方、週央からは底堅い推移となりました。価格は木曜日に418万円まで戻すも高値を追う流れは長く続かず、上値が重い展開に。今週は1.5%ほど下落しましましたが、ほぼ横ばいの推移となりました。現在は価格が24時間移動平均線(24EMA)近辺で推移し、方向感に欠ける動きを見せています。今週は、先週6.8%上昇した反動から調整相場となりました。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
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出所:glassnode.comより作成 1時間足
ビットコインの資金調達率(FR)は、足元でプラスで推移しています。一方、最近の相場ではマイナスになることも多く、デリバティブ市場では大きな偏りはない状態です。足元のプラスが維持されれば値動きの上値が重くなる可能性がありますが、短期的なデリバティブ取引を扱う投機筋はポジションの方向性を決めかねています。現在の相場のトレンドが弱いことを示しています。
2.先物価格乖離(3ヶ月)
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- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は現在4%台を維持しています。9月の最終週にはポジション調整があったとみられ、乖離率は一時3%を下回りました。一方、10月に入ると再度ロングポジションが積み上がり、今週は4.25%の高値を記録しました。長期的には価格の上昇が見込まれており、信用買いが多い状態です。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
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- 取引所が保有するBTCの数量は足元で下落傾向が続いており、今週は足元の安値を更新しています。取引所保有BTCの下落はユーザーからの売り圧力の低下を示します。また、相場が停滞していることからトレード機会の減少を理由に取引所の保有資産が減少している可能性も示唆しています。同指標が減少しているにもかかわらず価格の上値が重いことは、現在の相場が閑散期を迎えていると言えるでしょう。
2.含み益アドレス割合
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- ビットコインアドレスで含み益が出ている割合の推移は、ここ2週間程度で60%台後半まで上昇しています。一時は70%を超える水準まで上昇しました。今年は70%を超える水準では相場の上値が重くなる傾向があり、なかなか上昇トレンドが続かない状況が続いています。足元でも72%近辺まで上昇した際に相場は売られました。利益確定売りが出やすい水準が70%の上位にあると言えます。
3.マイナーネットポジション
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- マイナーネットポジションはマイナーアドレスの現物の増減を表した指標です。これまでマイナスで推移することが多く、アドレスから現物の流出傾向が見られました。一方、10月に入り同指標はプラスとなっており、マイナーは現物の保有量を増加させています。また、ビットコインのハッシュレートは上昇傾向が続いており、マイニング難易度も過去最高水準を記録しています。マイナーの動向からはビットコインのファンダメンタルズが良好であることを示しています。
まとめ
- 今週のビットコインはほぼレンジで推移する展開となりました。先週まで上昇の流れが出ていましたが、調整局面入りしたことで短期相場は不透明感が出ています。デリバティブ市場では僅かにロングポジションが多いことから、高値が重くなりやすい相場が想定されます。現在の相場状況では含み益割合が70%を超えた水準では、利益確定売りを吸収できるほどの買い需要は見込みずらいでしょう。上昇トレンド発生には相場のセンチメントが変わるような新たな材料を必要としています。一方、マイナーの動向は強気で推移しており、来年の半減期に向けてファンダメンタルズは順調に推移していると言えるでしょう。