なめちゃいけないNFTとメタバース銘柄 成長とパフォーマンスをレビュー

今回は流行りのNFTとメタバースについてです。「ビットコインのことばかり書いてないで、メタバースとかNFTとか、たまには流行ってる銘柄についても書けよ」と、言われたので書きます。マーケティング用語としては「ICO」と同じくらいバズっているNFTとメタバースですが、トークンの運用面では分散投資の観点から有用性が高いので、紹介したいと思います。なので、本稿は「NFTとかメタバースとかよくわかんないけど、この波に乗りたい」という方に朗報かと思います。
ビットコイン(BTC)の時価総額は、昨年序盤から100兆円という大台に付けて大きな話題になりました。ただ、NFT、メタバース関連銘柄(以後関連銘柄)も負けていません(本稿では、関連銘柄についてCoinGeckoのNFTとメタバースカテゴリーで時価総額が上位のソラナ(SOL)、サンドボックス(SAND)、エンジンコイン(ENJ)、ディセントラランド(MANA)、チリーズ(CHILI)、アバランチ(AVAX)、DeFiキングダム(JEWEL)、レンダー(RNDR)、エコミ(OMI)、セータ(THETA)、ギャラ(GALA)、フロー(FLOW)をピックアップします)。2020年初頭には200億円程度だった時価総額ですが、2021年初頭にはその5倍の1,000億円を超過、同年に怒涛の急拡大を経て10兆円台に乗せています。第1図はBTC、ETH、関連銘柄の時価総額チャート(ログスケール)ですが、関連銘柄の時価総額の伸びが顕著なことがわかります。足元では、イーサリアムの約5分の1、ビットコインの約10分の1くらいの時価総額に成長しています。

さて、第1図を見ると、確かに関連銘柄への資金流入が確認される一方で、動きはやはりビットコインとイーサリアムに連動しているようにも見えます。しかし、個々の値動きを比較するとだいぶ違った絵が見えてきます。
第2図は、ビットコイン相場が史上最高値を付けた2021年11月10日時点の終値を100とした、ビットコイン、イーサリアムと関連銘柄の指数化チャートとなっています。中には当時より値を安くし、ビットコインとイーサリアムよりアンダーパフォームしている銘柄(ENJ、FLOW、CHILI、THETA、AXIE、SOL)もありますが、当時と然程相場水準を変えない、或いはビットコインとイーサリアムを大きくアウトパフォームしている銘柄(GALA、JEWEL、SAND、RENR、MANA、AVAX、OMI)もあります。特にGALA、JEWEL、SANDの3名柄は、ビットコインが史上最高値を付けてから約半額になった現在までに100%以上の価格上昇を記録しており、同じ期間の相場の値動きを参照した相関マトリクスをみても、時価総額上位の銘柄から独立した動きは一目瞭然かと思います(第3図。なんとなくXRPも入れました)。


つまり、年末年始に暗号資産(仮想通貨)市場が悲観ムードとなっていた中でも、NFTとメタバース銘柄への分散投資をしていれば、ポートフォリオ全体のドローダウンを抑え、チョイスと比率によっては好成績を出せていたことになります。
そもそも、ビットコインは2020年に半減期を迎えてその後の上昇サイクルも危うくなっており、若干、今年はテーマに欠ける一年とも言えます。それと比べると、NFTとメタバースは国内外の大手企業が業界を問わず次々と参入するホットなテーマとして市場で持続的に注目される公算が高いので、実際にサービスを使わずとも、関連する仮想通貨銘柄を保有するだけでかなりのリスク分散を測れそうだなという話でした。