週末に動意付いたBTC 史上最高値まであと3%弱

12日〜18日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比293,197円(+1.93%)高の15,487,310円と6週続伸した。
米中貿易戦争が一時休止となったことで週明けに1550万円を試したBTCだったが、貿易摩擦懸念の後退でドル売りが逆転したことで上値追いには失敗し、その後は方向感に欠ける展開となると、米アリゾナ州知事が暗号資産(仮想通貨)準備金に関する法案に拒否権を行使した他、市場のリスク回避姿勢が巻き戻す中、週央にかけて上値の重い展開となり、一時は1500万円を割り込んだ。
尤も、15日に発表された一連の米経済指標が弱めに出たことで、米金利の低下が相場の下支えとなり、15日米国時間には1500万円を回復。その後も1500万円台前半で方向感に欠ける展開が続いたが、週末にはムーディーズが米国債格付けをAaaからAa1に引き下げると、週末にはジリ高となり、18日米国時間には再び1550万円を試した。
これによりドル建てBTC相場が10万6000ドルにタッチすると利食い売りが入り上げ幅を解消したが、今朝方、シカゴマーカンタイル取引所(CME)のBTC先物が取引を再開すると、再び1550万円近辺まで上昇している。

本日の取引が始まるとドル建てBTC相場は一時10万7000ドル(≒1552万円)にタッチしたが、その後は急反落を演じ10万5000ドル周辺まで押し返されている。ただ、米国債の格下げによる不安感が週末のBTC相場の支援材料となったと言えるが、週末で仮想通貨以外の市場が開いていない状況でも相場が上昇したことは注目に値する。
週末にかけてリスク要素が浮上した際、週明けの株式市場の寄り付きに先んじてBTCは売られやすい傾向がある。今回は米国債格下げによる「国の信用低下」というBTCにとっては好材料だったこともあるが、足元ではリスクや不透明感が漂う中、米株先物が上値の重い展開となっており、こうした環境でもBTCが無国籍通貨としての機能を発揮するかに注目したい。
尤も、今年はトランプ関税で市場が振り回される中でもBTCは米株と比較して底堅い推移を演じてきた。一時は資金の流出が続いたETFも直近1カ月ほどは流入が続いており、今週はワーストケースでも底堅い推移が続くか。
BTCドルは終値ベースで最高値を記録しており、史上最高値まであと3%弱の水準まで戻している(第2図)。想定される週明けの金融市場でのリスクオフやテクニカル的な過熱感を跳ね除けて史上最高値の更新に成功すれば、一時的に買いが買いを呼ぶ展開が見込まれ、直近のオプション市場で取引が盛んとなっている12万ドル(≒1740万円)付近まで上値を伸ばす可能性もあるか。




