BTC週足は10%超の上昇 相場トレンドは「中立水準」で分岐点に

21日〜27日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比142万1435円(11.77%)高の1349万8760円と3週続伸した。
急速なドル売りや米中貿易摩擦緩和への期待から、BTCは週明けから確りとした推移となり、1200万円周辺から1350万円まで上昇した。24日には、中国外務省報道官が米国と関税を巡る協議をしていないと表明したことで、一時は1300万円割れを試したが、米クリーブランド連銀ハマック総裁が6月までに金融政策を調整する可能性に言及したことで持ち直した。
25日には、中国が対米関税の125%のうち一部の製品への関税を免除すると発表した他、米消費者信頼感指数が上振れたことで相場は1380万円にワンタッチした。
一方、これによりドル建てBTC相場が9万6000ドルにタッチしたことで、その後は失速。週末は材料不足でジリ安となり、1350万円周辺まで水準を落とし、先週の取引を終えた。

今週は3月の米個人消費支出(PCE)価格指数と4月の米雇用統計など重要指標を多数控えており、ある程度の相場の動きが見込まれる。
30日に発表されるPCE価格指数に関しては、3月の消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)の伸びが鈍化していたことから、同様にインフレの鈍化を示唆するとみており、BTCにとっては追い風となる可能性が高いと指摘される。一方、雇用統計では月間の雇用者数が前月の+22.8万人から+13万人と大幅に低下することが見込まれており、週末にかけては景気後退懸念が台頭する可能性にも注意しておきたい。
他方、オンチェーン上では、短期筋(STH、Short Term Holder)の損益レシオ(割合)が1周辺まで戻しており、BTC相場のトレンドが中立であることを示している(第2図)。STH損益レシオは1を下回れば下降トレンド、1を上回れば上昇トレンドを示唆する指標となる。
ただ、同指標が中立水準で推移すると、相場が下降トレンドの際は戻り売りが入りやすいタイミングとなり、相場が上昇トレンドの際は押し目買いが入りやすいタイミングをシグナルすることもあり、足元のBTC相場は戻り売りが下降トレンド脱却かの分岐点に立っていると言える。

先週も指摘の通り、BTCドルは一目均衡表の三役好天が完成した他、年末年始にかけて形成したダブルトップのネックラインの回復にも成功しており、テクニカル的には下降トレンドが反転したと言えるが、足元の9万4000ドル(≒1350万円)での踊り場から相場が上放れできなければ、オンチェーン的には安心できない。
米国の指標が相場の味方となれば、今週は大台の10万ドル(≒1436万円)を試す可能性も十分にあると見ているが、足元の相場水準は戻り売りが入りやすい水準ということも念頭に入れておきたい。




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bitbank Report 2025/04/28:BTC週足は10%超の上昇 相場トレンドは「中立水準」で分岐点に