BTCはスタグフレーション懸念で反落 米相互関税の発表迫る

24日〜30日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比54万471円(4.2%)安の1233万8027円と反落した。
週明けの1300万円回復以降、底堅い推移が続いていたBTC円だったが、28日には米インフレ指標を控え東京時間終盤から売り優勢となり、1280万円台まで水準を下げた。米国時間朝方に発表された2月の米個人消費支出(PCE)価格指数は+2.5%と市場予想と一致したものの、その後発表された米ミシガン大学の消費者調査で、消費者信頼感指数の悪化と5年先のインフレ期待上昇を受けて、市場ではスタグフレーション懸念が台頭し、相場は1257万円周辺まで一段と下落した。
これにより、24日にシカゴマーカンタイル取引所(CME)のBTC先物相場で開いた窓が埋まり、BTC円は下げ止まったが、29日には週明けのリスクオフムードを先取りする形で再び売り優勢となり、相場は1250万円を割り込んだ。

目先のBTC相場は上値の重い展開が続くか。ミシガン大学の消費者信頼感指数は57と2年4カ月ぶりの低水準となり、5年先のインフレ期待は+4.1%とおよそ30年ぶりの高水準を記録しており、アジアや欧州市場へのリスクオフ波及が相場の重石となろう。
尤も、PCE価格指数は、2月は横ばいとなり、中長期的なインフレの方向感の指針となるトリム平均PCEインフレ率の伸びも加速していない(第2図)。また、消費者調査のインフレ期待はセンチメントベースであり、正確さに欠けると言える。実際にインフレが40年ぶりの高水準となっていた2022年でさえ、5年先のインフレ期待は最高でも+3.1%にとどまっており、足元では予測不能なトランプ関税への懸念が過度に反映されている可能性が指摘される。

そんなトランプ関税だが、今週2日にはいよいよ相互関税が発表される。一時は国やセクターを絞った柔軟な政策になるとの情報もあったが、今朝方、トランプ氏本人は「全ての国で(関税を)始める」、「根本的に我々が言及している全ての国だ」と話しており、情報に一貫性がない。こればかりはイベントを通過してみないと全貌が見えてこないと言え、2日までは相互関税への警戒感も相場の重石となるだろう。
週後半の相場下落でドル建てBTC相場は8万7000ドル台から8万2000ドル台まで下落した。予てから指摘の通り、7万9000ドル〜8万ドル(≒1176万円〜1190万円)エリアでは、オンチェーン上で強い需要が確認されているが、その下は7万ドル(≒1042万円)まで極端に出来高の薄い「真空地帯」となっている(第3図)。相場は2月から8万ドル下抜けを2度トライし失敗しているが、今週は3度目のトライが視野に入る。
トランプ関税が全ての国を対象とする「一斉射撃」となれば、BTCは真空地帯に突入し7万ドル近辺まで急落する可能性に注意しておきたい。





PDFリンク
bitbank Report 2025/03/31:BTCはスタグフレーション懸念で反落 米相互関税の発表迫る