BTCは3週連続で大幅上伸 今週も10万ドル巡る攻防続くか
18日〜24日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比1,199,862円(8.63%)高の15,108,989円と3週連続で大幅に上伸した。
19日に始まったブラックロックの現物ビットコインETF(IBIT)オプション取引を切っ掛けに、先週のBTC円は初めて1500万円乗せに成功すると、22日には100,000ドル(≒1537.5万円)が目前となる水準まで上昇した。しかし、この日は米株の上昇を味方に底堅い展開となるも、大台を目前にやや上値の重い展開となり、100,000ドルタッチには至らなかった。
週末、暗号資産(仮想通貨)市場ではアルトターンが発生し、BTCはジリ安に転じると、24日にはアルトも反落し、BTCも連れ安で一時1500万円を割り込んだ。今朝方には、シカゴマーカンタイル取引所(CME)のBTC先物の取引再開に向けて押し目買いの様相で持ち直し、週足終値では1500万円の回復に成功した。
先週は目星い経済指標に欠ける1週間ではあったが、IBITオプションの他にトランプ新政権の親仮想通貨的な官僚人事も材料しされ、ビットコイン版のトランプトレードが続いた格好だ。相場は大台の100,000ドル到達に失敗したが、「素直に節目で切り返すかにはあまり自信がない」と指摘した通り、上値は重くも底堅い推移が続いている。
BTCの現物市場の外では、CMEのBTC先物建玉は先週も増加し、19日時点で建玉は初めて40,000枚を超え、米国の現物ビットコインETFの資金フローは1カ月ぶりに5営業日全てで順流入を記録、21日には10億ドルを超える資金が入ってきた(第2図)。
また、週末の相場下落でCMEのBTC先物は上窓を開けて今週の取引を始めており、目先のBTCは窓埋めを目指して再び100,000ドルを試す展開が視野に入る。
一方、先週も指摘の通り、今週は26日に11月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表、27日に10月の米個人消費支出(PCE)価格指数と週後半から重要指標が目白押しとなっている。
直近でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は「利下げを急ぐ必要はない」と発言していたが、11月のFOMC時点では「政策は(景気)抑制的である」と発言しており、どちらかと言えばハト派的な印象を受けた。また、7日の会合時点では10月の消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)の加速は考慮されていないため、タカ派的なサプライズを回避できる公算が高いか。
ただ、市場にとってはFOMC議事要旨公開にこうした時差が生じることも周知の事実であり、PCE価格指数の方が材料として注目されるとみている。PCE価格指数も他のインフレ指標と同様に加速すれば、BTC相場にとっては重石となろう。
勿論、週央までにBTC相場が上値を試す展開となることも注意しておきたい。直近3週間では特に週前半に相場が上昇する傾向があるのも事実だ。100,000ドルを超えてしまえば再び買いが買いを呼ぶ展開となる可能性もあり、今週は上下に大きく振れる展開にも警戒しておきたい。
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bitbank Report 2024/11/25:BTCは3週連続で大幅上伸 今週も10万ドル巡る攻防続くか