BTC週足は大幅続伸 強気シグナル点灯も上昇はお預けか
11日〜17日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比1,608,302円(13.07%)高の13,909,127円と大幅に続伸した。
先週のBTCは13日に90,000ドル(≒1390.8万円)台乗せて以降、利食いと米インフレ指標の上振れで上値の重い展開が続いたが、デリビットのBTCオプション市場で最大ピンとなる同水準周辺で相場は底堅く推移した。
15日、BTC円は10月の米小売売上高の上振れ(予:+0.3%、結:+0.4%)を受けて上値を圧迫される場面もあったが、この日の米株式市場ではコインベースやマイニング企業の株価が堅調に推移したことや、週末を控え米国債市場でポジション調整が入りBTCは持ち直し、週末は1400万円台での推移で始まった。
一方、その後は材料待ちとなる中、ジリ安に推移し、週足終値での1400万円の維持には失敗した。
BTC円は2週連続で大幅な上昇を演じるも、直近6日間では高値で揉み合う展開が続いている。先週は米国のインフレと消費の加速に注意したいと指摘したが、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での金利据え置き観測が台頭する中でも下値は極めて限定的だった。
米国の株式市場が金利上昇を受けて調整する中、BTCも引き続き油断はできないとみているが、第二次トランプ政権の暗号資産(仮想通貨)政策への期待感が依然としてBTC相場の下支えとなっている格好か。先週は閣僚人事で次期財務長官候補に仮想通貨推進派のスコット・ベセント氏の名前が挙がった他、新トランプ政権下では米国で発行された仮想通貨のキャピタルゲインが非課税になるとの噂が流れていた。
また、16日に米商品先物取引委員会(CFTC)が公表したシカゴマーカンタイル取引所(CME)のBTC先物の取組状況では、先週12日時点で建玉が38,531枚と、先月記録した市場最高枚数の34,494枚を大きく上回り(第2図)、市場参加者数も152と市場最高を記録し、活況具合が窺える。以前にも指摘の通り、CMEのBTC先物の建玉増加は強気のシグナルと言え、BTC相場の上昇トレンドはまだ続くことが示唆されている。
他方、米国の現物ビットコインETFでは、直近2営業日連続で3億ドル以上の資金順流出が確認されているが、これは「45日ルール」と言われる年末のファンド解約期限が先週15日だったことが影響していると言え、弱気のサインとして捉える必要はないだろう。
とは言え、BTCは90,000ドル台で利食いが入っており、先週も指摘の通り、ここから上値を試すにはもう少しインパクトのある材料が欲しいところだ。今週は生憎にも目星い経済指標に乏しく、注目材料としては20日水曜日の米国市場引け後に控えるエヌビディアの決算があるくらいだ。
また、パターンフォーメーションの観点では、BTCドルは「旗は半旗の位置で靡く」というブレイクアウト後の上値ターゲットに達しており(第3図青線)、来週に控えるFOMC議事要旨の公表や米国のインフレ指標発表まで足元の基調が続いてもおかしくないだろう。