BTCは8万ドル乗せに成功 まだ上値余地を探るか?
5日〜10日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比1,960,607円(18.96%)高の12,300,825円と上伸した。
5日に投開票が始まった米国の大統領選挙で、翌6日東京時間に親暗号資産(仮想通貨)派のトランプ前大統領の再選が濃厚となる中、BTC円は1050万円から1150万円近辺まで上値を追う展開を繰り広げた。同日の米国時間には、米株式市場の上昇を味方に1150万円の上抜けに成功するも、その後はアルトターンの発生で底堅くも上値の重い展開に転じた。
8日からの相場は1170万円周辺で踊り場を形成し、小動きとなったが、10日にはオプション市場で期近の80,000ドル(≒1224万円)コールを物色する動きが確認され、ガンマスクイーズとショートスクイーズを伴って相場は1200万円乗せに成功。本日未明にかけてはやや上下に振れるも、週足終値にかけて高値を維持し、終値は1230万円と80,000ドル水準を上回った。
BTCはテクニカル的な過熱感に加え、週末に相場が上昇したことでシカゴマーカンタイル取引所(CME)の先物は大きく窓を開けて今週の取引を開始しており、通常であれば高値警戒感がでてきてもおかしくない状況と言える。
しかし、相場が連日史上最高値を更新する状況下では、史上最高値の更新そのものが強材料と意識され、過熱感を無視して上昇に拍車が掛かりやすいのもBTCの特徴ではある。
オプション市場では、期近のオプションで80,000ドルより上のアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)コールを物色する動きは昨日時点で確認されなかったが、この先もアップサイドを織り込む動きが再開する可能性は十分あると言え、マーケットメイカーのヘッジによるガンマスクイーズには引き続き注意しておきたい。
また、予てから指摘の通り、保ち合いからブレイクアウトした相場は、保ち合い開始直前のトレンドと同等幅で動きやすいと言われ、目先の上値ターゲットはおよそ88,500ドル(≒1354.1万円)となる(第2図)。
他方、今週は週央13日と14日に10月の米消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)の発表を控えている。市場では前年比のCPIが+2.4%から+2.6%に加速、同PPIが+1.8%から+2.3%に加速することが予想されており、インフレ指標の発表までにBTC相場が更に上値余地を探る可能性もあるが、今週は足元のトランプフィーバーが一服する可能性にも注意しておきたい。