BTC円は800万円割れ 米雇用統計まちまちで結局下落
2日〜8日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比587,658円(6.99%)安の7,822,000円と2週続落した。
中東情勢緊迫化への懸念が緩和するなか、週明けのBTC円は850万円を回復するも、米国の景気後退への懸念が再燃し、3日からは弱地合いに転じ、800万円台前半まで水準を下げた。その後、相場は米雇用統計を控え800万円周辺で下げ渋る展開が続いた。
9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅のヒントとして注目された、6日の米雇用統計では、失業率が前月の4.3%から4.2%に改善したものの、非農業部門雇用者数が市場予想の16万人を下回る14.2万人と不透明感が残る結果となった。FF金利先物市場では結果的に25ベーシスポイント(bp)の利下げを織り込む動きが優勢となったが、雇用統計発表直後の米国債相場が激しく上下に振れるなか、BTCは売りが優勢となり、ロングの投げを伴って750万円近傍まで水準を下げた。
一方、これによりドル建てBTC相場が3月から続く下降チャネルの下限を割り込むと(第2図)、その後は買い戻しが入り反発。週末の相場は700万円台後半で揉み合う展開が続いた。
8月の米雇用統計は、市場予想比で強弱まちまちな結果となり、6日の米市場は荒れ模様となった。結果的にFF金利先物市場が織り込む50bp利下げの確率は低下したものの、景気の先行きには依然として不透明感が残り、雇用統計は9月FOMCにおける利下げ幅のはっきりとしたヒントにはならなかったと言える。
今週は8月の米消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)の発表を控えているが、現状、市場の注目としては「インフレ鈍化によるFRBの利下げ着手のタイミング」よりも「景気後退回避のためにFRBがどれだけ利下げするか」の方が重要視されていると指摘され、市場予想を大幅に乖離しない限りインフレ指標には以前ほどの影響力はない可能性がある。この週明けからFRB高官のメディアブラックアウト期間も始まっており、今週はある意味手掛かりに欠ける1週間となるかもしれない。
他方、BTCドルは終値ベースで第2図の下降チャネル(紫線)下限を維持している。この下降チャネルでは、相場は5月・7月・8月と月の初旬にチャネル下限を試す傾向があり、今月も同様の流れとなった。いずれのケースでも相場のチャネル下抜けトライ失敗後には反発しており、目先ではテクニカル的な買い戻しも期待されよう。
勿論、FOMCまでBTC相場に大きな動きは見込まれないが、先週の下げ幅を縮小して58,000ドル(≒828万円)を試すくらいの体力は残っているか。