急落から一転して底堅いBTC 今週は値固めが続くか
18日〜24日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比50,604円(0.50%)安の10,150,351円とほぼ変わらずだったが、4週ぶりの陰線となった。
米国の現物ビットコインETFへの資金フローが純流出に転じたことで、先週前半のBTC円は1030万円から下値を模索する展開を繰り広げ、一時は923万円まで下落した。一方、ドル建てで61,000ドルとなる同水準で相場は下げ止まると、米公開市場委員会(FOMC)の経済見通しで年内3回の利下げ想定が維持されたことで急反発を演じ、20日には週初の下げ幅を奪回した。
ただ、今回のFOMCはタカ派に傾斜すると市場で予想されていたため、昨年末からの金利見通しの維持はハト派に映った訳だが、利下げ開始のタイミングについては手掛かりを掴めず、21日のBTCは68,000ドル水準となる1027万円周辺で失速。すると、米新規失業保険申請件数の下振れや景気先行指数の上振れを受けて米債利回りが上昇し、BTC円の上値は圧迫された。さらに、22日にはアップルのMシリーズチップで秘密鍵が流出する可能性がある脆弱性が発見された他、JPモルガンが「ビットコインは依然として買われ過ぎ」と指摘したことで、相場は1000万円の維持に失敗し、950万円近辺まで下落した。
一方、週末のBTC円は、BTCのオプション市場で最大ピンとなる65,000ドル水準(≒982.4万円)で揉み合いに転じると、GBTC(グレイスケール)からの資金流出が減速したことを受けて徐々に戻りを試した。24日には一部のアルトコインが復調したことでBTCも連れ高となり、週足終値ではなんとか1000万円を回復した。
今週のBTC円は高値圏での揉み合いが継続すると想定する。ETFのフローは先週、全営業日で純流出となったが、19日の-3.2億ドルをピークに22日には-5210万ドルまで流出額が減少した。これまで資金流入でトップ2となっていたIBIT(ブラックロック)とFBTC(フィデリティ)への流入は依然として細っているが、BTC相場の反発後にGBTCからの資金流出にはブレーキが掛かり始めており、相場の過熱感が解消した現在、全体のフローが純流入に転じるのは時間の問題かと指摘される。
一方、今週は週後半の米国のインフレ指標発表まで目星い材料に乏しいと言える。こうした中、シカゴマーカンタイル取引所(CME)のBTC先物は、週末の相場上昇に伴って2,500ドルほどギャップアップして今週の取引を開始しており、目先のBTC円は窓埋めによって37万円ほど下落余地があると指摘される。
ただ、ドル建てのBTC相場は67,000ドルを回復して先週の取引を終えており、窓埋め後は再びオプション市場のマグネット効果で底堅い推移となろう。また、65,000ドル周辺には一目均衡表の転換線やボリンジャーバンドの-1σといったテクニカル的なサポートも位置しており、60,000ドル台中盤は相場の強いサポートになると見ている。