トランプV.S.マスクでBTC急落 雇用統計で巻き返せるか

5日のビットコイン(BTC)円は1499万4332円から取引が始まった。東京時間は底堅い推移となる中、ドル円相場の反発もあり1510万円に戻したが、終盤にかけて一部アルトコインに売りが入ったことで1500万円近辺まで押し返された。一方、欧州時間に入り米株先物が上昇すると、BTCは1500万円で下げ止まった。米国時間には、ECBの利下げや米雇用関連指数の悪化を受けて1520万円に浮上したが、米短期金利の上昇に逆行して反落。その後は米中両首脳の電話会談が融和ムードで終わったことで一時1510万円に戻したが、「トランプ減税」法案を巡ってトランプ米大統領とマスク氏が批判の応酬を繰り広げると、テスラ株の急落に連れて1450万円まで下落した。終値はやや戻して1463万4112円。


トランプ氏とマスク氏の対立によってテスラが急落したが、株式市場への影響は局所的となっており、全体での下げ幅は限定された。また、貿易を巡る米中関係が改善に向かっていることが示されたことで、昨日のリスクオフムードは一時的になるとみている。他方、今週はADP雇用レポートと米新規失業保険申請件数が悪化し、これまで堅調だった米労働市場の減速を示した。FF金利先物市場では7、9月の利下げを徐々に織り込む動きが確認されており、今夜の米雇用統計の結果次第では利下げ再開期待に拍車が掛かると指摘される。BTCはドル建てでオプション市場において最大ピンとなる節目10万ドル近辺まで下げており、目先の下値余地は限定的だろう。



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bitbank Report 2025/06/06:トランプV.S.マスクでBTC急落 雇用統計で巻き返せるか