BTCは方向感示せず 下値は堅いが決定的な材料に欠ける
19日〜25日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比40,912円(0.52%)安い7,775,950円となり、6週ぶりに下落した。
先週のBTC円は、週央にかけて上値の重い展開となるも、760万円周辺で下げ渋っていると、エヌビディアの好決算を受けた米株市場の反発に連れ高となり、780万円回復を窺った。一方、ドル建てで52,000ドルとなる同水準周辺で相場は上値を抑えられると、23日には見切り売りが入り、相場は再び760万円周辺まで値を下げた。
しかし、週末に差し掛かると、3月に大型アップグレードを控えるイーサリアムのイーサ(ETH)が反発し、BTCも連れ高となり、760万円を死守。ETHは週末に3,000ドル(≒4.5万円)の上抜けに成功し、暗号資産(仮想通貨)市場の上昇を牽引。BTCは25日未明に再び780万円回復を試す展開となったが、同水準の上抜けには依然として苦戦している。
今週のBTCは引き続き値固めが続くか。日経平均やS&P500種が史上最高値を更新する中、BTCは52,000ドル(≒782万円)を背に足踏み状態が続いている。先週は20日から21日にかけて米国の現物ビットコインETFへの資金流入が急低下し、21日には18営業日ぶりに資金が純流出を記録し、ETF絡みの需給にやや懸念が台頭した。ただ、エヌビディアの好決算を受けた米株式市場の復調がBTC相場の下支えとなり、BTCは上値が重くも下値も堅かった。
一方、21日のビットコインETFからの純流出額は3,566万ドル(≒53.6億円)と比較的少額にとどまった。また、翌22日から23日にはフローが純流入に戻り、日次で2億ドルを超える(>300億円)流入を維持しており、需給への懸念は後退するだろう。加えて、ETH相場が心理的節目の3,000ドルの上抜けに成功したことで、市場では循環物色の動きも散見され、目先のBTC徐々に戻りを試し、52,000ドル回復を窺うか。
他方、今週は28日から昨年第四・四半期の米GDP成長率の改定値や、1月の米個人消費支出(PCE)価格指数の発表を控えており、週の前半は相場の大きな動きを期待できないか。また、28日の米GDP成長率は速報値からの下方修正が市場で予想されている一方、翌29日のPCE価格指数は前月比で高止まりが予想されており、BTCにとっては今週も相場の方向感を示し難い状況が続くか。
幸い、テクニカルの側面では、BTCドルは相対力指数(RSI)が「買われ過ぎ」とされる70%を割り込み、過熱感が解消された。また、先週21日に相場はボリンジャーバンドで強い上昇トレンドを示す上昇バンドウォークを解消したが、その後、下値のターゲットとなるセンターラインが上昇し、足元では50,000ドル(≒752.4万円)周辺で推移しており、BTCは引き続き50,000ドル周辺が強い相場のサポートとして機能しそうだ。