BTCの破竹の勢いは一服 米指標上振れ続くもなぜ底堅い?
12日〜18日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比617,844円(8.58%)高の7,816,862円となり、5週連騰となった。
米国の現物ビットコインETFへの資金流入が加速し、先週のBTC円は週央に2021年11月に付けた史上最高値の779.8万円を更新し、792万円の高値を記録した。一方、その後は52,000ドル水準となる780万円周辺を巡り揉み合いに転じると、16日に発表された1月の米卸売物価指数(PPI)の上振れを機に相場は上値を重くした。
週末に入ると、52,000ドル水準の維持に失敗しジリ安となり、17日には見切り売りが入り760万円まで押した。一方、その後は押し目買いの様相で持ち直すと、780万円周辺を背に揉み合いつつも安値を切り上げ、今朝方にはイーサ(ETH)相場の上昇に連れ高となり、780万円を回復して週足終値を付けた。
米国の現物ビットコインETFは、16営業日連続で資金が純流入となっており、先週は一日にマイニングされるBTCの量の約7〜13倍と大幅に供給を上回るペースで日々資金が入ってきた。一方、先週は米国の消費者物価指数(CPI)、新規失業保険申請件数、PPIなどが市場予想比で上振れる結果となり、BTCは52,000ドル周辺で失速する格好となった。
ただ、こうした強めの米経済指標を受けてもBTC相場は深い押し目を形成することなく、底堅い推移を続けており、ETFへの資金流入が今週も相場の支えとなりそうだ。
また、FF金利先物市場では、従前まで3月〜5月の利下げ開始が大勢の予想となっていたが、昨今の米経済指標やFRB高官発言を織り込んで、利下げ開始予想が6月までずれ込んできている。加えて、年末のFF金利の着地予想は、1月末時点の4%から4.5%まで引き上がっており、12月米連邦公開市場委員会(FOMC)の経済見通しで示された4.75%に接近している(第2図)。
引き続き市場の金利予想がFOMCの見通しをやや下回る状態ではあるが、こうした乖離の縮小は歓迎される。仮に市場の金利予想がFOMCの見通しを大幅に下回っていた場合、強めの雇用統計やインフレ指標が相場に与える影響や、FRBが利下げを見送った場合の相場に与える影響が軽減されるからだ。
今月7日から14日にかけての破竹の勢いも一服しているBTC相場だが、今週は保ち合い上抜けを想定している。上値目途としては、節目の水準でオプション市場でも建玉が集中する55,000ドル(≒825万円)が目先のターゲットとなるが、昨今ではさらにその上の60,000ドルコールを物色する動きも確認され、ガンマスクイーズ(コールオプションの売り手による現物や先物の買い)によって思いの外早く相場が60,000ドル(≒899.9万円)を目指す展開も視野に入る。
下値のサポートとしては、引き続きオプション市場で最大ピンとなる50,000ドル(≒749.9万円)周辺があり、相場が調整に入ったとしても下値余地は限定的だろう。