BTCはなんとか反発 4万ドル周辺のサポートを確認しに行くか?
15日〜21日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比88,864円(1.46%)高の6,155,772円と小幅に反発した。
グレイスケールの現物ビットコイン上場投資信託(GBTC)からの資金流出による売り圧力が懸念され、先週のBTCは週後半に入ると632万円周辺から600万円近辺まで急落した。19日の米時間序盤には、強い米経済指標を受けた米債利回りの上昇が相場の重石となり、相場は一時600万円を割り込む場面もあったが、人工知能(AI)に関連する半導体や大型ハイテク株の上昇や、決算絡みの買いで米主要3株価指数が上昇すると、BTCも連れ高で下げ幅を奪回した。
週末のBTC円は610万円台後半で揉み合いに終始したが、本日は売り優勢で取引が始まり、足元では612万円周辺で推移している。
今週のBTCも上値が重くも方向感に欠ける展開が続くか。FF金利先物市場はこれまで3月の利下げ開始を50%以上織り込んでいたが、19日にミシガン大学が発表した1月の消費者信頼感は78.8と市場予想の70を大幅に上回り、3月の利下げ開始観測はついに50%を下回った。従前から市場は米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げを織り込み過ぎていると指摘していたため、これはある意味で健全な調整ではあるが、金利の先高観はBTC相場にとっては上値圧迫材料となり得る。
一方、米国で現物ビットコインETFの取引が始まり、GBTCからの資金流出がこれまでに50,106BTC(3,078億円)確認されたが、他9社のETFへの資金流入は81,366BTC(5,000億円)に上っており、引き続きGBTCからの売り圧力の実質的な影響は限定的と言えよう。
とは言え、ETFの承認を通過し、来週31日には米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、今週は週後半の米第四・四半期GDP成長率や12月の米個人消費支出(PCE)価格指数の発表までBTCにとって目星い材料も視野に入ってこない。このまま上値の重い状態が続けば、見切り売りで相場がジリ安になる展開も想定され、目先では先週指摘した心理的節目の40,000ドル水準(≒591万円)、CMEの窓埋め39,600ドル(≒585.5万円)、一目均衡表の雲下限39,614ドル(≒585.7万円)が密集する590万円周辺のサポートを確認しに行く動きにも警戒しておきたい。
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bitbank Report 2024/01/22:BTCはなんとか反発 4万ドル周辺のサポートを確認しに行くか?