ETF取引二日目にBTC急落 重要イベント通過で次のテーマは?
1月8日〜14日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比305,866円(4.80%)安の6,066,908円と反落した。
先週は米証券取引委員会(SEC)が現物ビットコイン上場投資信託(ETF)を初めて承認し、取引所日の活況具合を好感してBTC円は2021年11月ぶりに710万円を回復する場面もあったが、その後は12月の米消費者物価指数(CPI)上振れによる米債利回りの上昇を受けた米株安が相場の重石となった。翌12日の米時間には、ETF承認による材料出尽くし感で売り優勢となると、相場はロングの投げを伴って週前半の上げ幅を完全に掻き消し、620万円周辺まで押した。
週末のBTC相場は同水準で揉み合う展開に終始していたが、今朝方には再び売りが入り、週足終値は610万円を割り込んだ。
現物ビットコインETFの取引開始による祝賀ムードが短期的に相場の下支えとなるかと指摘したが、初日の合計売買代金が46億ドルと好調に映ったのに対して、その後、ETFへの資金流入は6.55億ドル程度にとどまったと伝わり、やや失望感もあったか。いずれにせよ、昨年からETF承認への期待感でBTC相場は上昇してきており、イベントを通過した現在、取引材料としての影響値は限定されよう。
一方、ビットコイン界隈はETFの話題で直近は持ち切りだったが、伝統的金融市場では米連邦準備理事会(FRB)の利上げ開始のタイミングが引き続き大きなテーマとなっており、BTCも米政策金利動向がこの先の手掛かりとなろう。
先週は12月の米CPI上振れサプライズがあったことに対して、12月の卸売物価指数(PPI)は市場予想比で下振れ、週末の米債利回り下落に拍車が掛かった。12月の米CPIが3.4%だった訳だが、市場が利下げ開始を予想する3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)までに1.4%ポイントもの低下を期待するのはかなり楽観的に思える。それでも市場の3月利下げ開始観測は大きく後退することなく、足元ではドル安、債券高(金利は低下)、ゴールド高と、BTCにとって悪い環境ではない。
ETF承認後の事実確定売りが出尽くしたかは依然として判断し難いが、BTCの無期限先物市場の過熱感も解消しており、目先では心理的節目の40,000ドル周辺が下値目途と指摘される。
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bitbank Report 2024/01/15:ETF取引二日目にBTC急落 重要イベント通過で次のテーマは?