BTCは短期三尊否定も方向感乏しく 値固めは続くか

先週(10日〜16日)のビットコイン(BTC)対円相場は92,442円(1.91%)高の4,937,480円と3週ぶりに反発し、ようやく値固めの兆候が見えてきた。
BTCは14日、短期三尊のネックラインにあたる480万円近辺の下抜けを試す展開を繰り広げたが、ハッシュレートの史上最高値更新や、リオデジャネイロ市長が市の準備資産の内1%をビットコインに割り当てる計画を発表したことで反発。ただ、相場は1時間足の200本移動平均線を回復し490万円台に乗せたが、この日の米株市場が軟調となったこともあり上値は限定的だった。
週末の相場は、薄商いとなる中、488万円〜500万円の狭いレンジで横ばいとなっており、1時間足の200本移動平均線に支えられつつ、対ドルで節目43,000ドル(≒491.6万円)を巡る攻防となっている。


今週のビットコインは、底堅い展開を視野に入れつつも、チャートや心理的節目での戻り売りに注意したい。先週指摘の通り、市場は米連邦準備制度理事会(FRB)による年4回の利上げを織り込み始めており、それ以上の利上げが行われるというヒントは現状視界に入ってこない。加えて、今週は当局者がブラックアウト期間に入るため、そういった材料が出る公算はそもそも低いと言える。また、ハッシュレートの堅調な推移の他、BTCの資金調達率(FR)は12日からマイナスに振れ始めており、底堅い展開に期待が持てよう。
ただ、先週にはマイナーから取引所へのBTC送金の増加も検知されており(第3図)、相場の戻り上値を抑える切っ掛けとなる可能性もある。上値目途としては、一目均衡表の基準線(527.8万円)、年初の相場下落前の水準となる対ドルで節目の48,000ドル(≒549万円)や、対ドルで200日移動平均線の走る555万円水準があり、特に549万円〜555万円エリアは強い上値抵抗帯になると見ている。


第3図:BTC対円、マイナーネットフロー、マイナーから取引所へのBTC送金量チャート 日次 出所:bitbank.cc、Glassnodeより作成
