BTCは上昇一服で上げ渋り ATH更新か反落か米CPIに注目

10日のビットコイン(BTC)円は1589万3711円から取引が始まった。前日にドル建てで節目の11万ドル(≒1594万円)にタッチしたことで、この日の東京時間は上昇一服の様相を呈し、弱含みに推移した。欧州時間に入ると1580万円から1590万円に戻すも、米国時間序盤には売りが加速し1570万円に下落した。一方、その後はラトニック米商務長官が米中通商協議を巡って関係修復に向けた枠組みに合意したと発表したことで買い戻しが入り、米国時間終盤の相場は1600万円に肉薄した。終値にかけてはやや失速するも、1595万1218円でこの日の取引を終えた。


BTCは若干の利食いが入りつつも、米中関係の改善見通しによって底堅く推移した。ただ、本日の米消費者物価指数(CPI)発表を控え11万ドル上抜けはお預けとなっており、円建てでは1600万円で上げ渋る展開となった。米CPIの結果次第では、BTCドルは史上最高値(11万2000ドル≒1623万円)を窺う可能性もあるが、5月のCPIはトランプ関税の影響が現れ始めると見込まれており、コア指数共に前年比での若干の加速が予想されている。関税による物価上昇は一過性であるとみているが、実際にCPIが強めに出ればFRBの政策方針を巡る不透明感は強くなると言え、本日のBTCは反落の可能性に注意が必要だ。昨日安値の維持に失敗すれば、テクニカル的なサポートが密集する10万7000ドル(≒1550万円)周辺まで下値余地があるとみている。



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bitbank Report 2025/06/11:BTCは上昇一服で上げ渋り ATH更新か反落か米CPIに注目