1600万円到達もモメンタムは上がらず、足元では売りが強い状況か

今週の値動き

- 今週のビットコインは6月9日の1527万円から取引が始まりました。週前半は買いが先行し高値を試す展開となりました。一方、1600万円近辺からは上値が重くなる動きになりました。高値圏では買いが続かず、1600万円を超えていく勢いは見られません。足元では高値警戒から利確売りが進んでおり、24時間移動平均線を下回っています。週前半に上昇した反動から、足元の短期的な動きは弱気となっています。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達
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ビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、足元でプラスで推移しています。今週の始めにはマイナスで推移することもあり、ロングポジションとショートポジションの比率は拮抗しています。相場は過去最高値圏で推移していますが、短期のデリバティブ市場はニュートラルなポジションが取られています。
2.ロング・ショート清算推移
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- 今週は価格の上昇が見られていますが、ショートポジションの清算は大きくありませんでした。1600万円を超えてくるような動きがあれば、大きなショートポジションの清算が発生することが予想されます。今週はロングポジションとショートポジションの清算は小さい水準にとどまっています。
3.3ヶ月先の先物価格乖離率
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- 3ヶ月先の先物取引価格と現物価格の乖離率は足元で下落傾向となっています。現在は6%程度で推移しています。相場は高値圏で推移している反面、先物市場では買い控える動きが見られます。
今週のオンチェーン
1.マイナーネットポジション
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- 上記チャートはマイナーの平均ネットポジションを示しています。足元ではやや下落方向へ推移しており、マイナーからの売りが出ている状態にあると考えられます。高値圏での上値の重さはマイナーの売りが一因となっている可能性があります。
2.長期投資家ポジション変化
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- 同指標は、長期で保有されているビットコインの数量変動になります。足元では長期投資家はポジションを減らしています。高値圏では長期で利益が出ている投資家の売りが出ているものと考えられます。新規の投資家による買いが入らない限り、上値を追っていく展開になるのは難しいでしょう。
まとめ
- 週の前半は買いが先行しましたが1600万円を目指す動きとはなりませんでした。足元では利確売りが入り、短期的には上値が重い展開です。デリバティブ市場では買い控えが起こっており、相場の勢いはやや足りない状況です。オンチェーンデータでも売りが出ていることを示唆する指標があり、需給面はさほど良くないと言えます。1600万円を大きく超えていくには、新規投資家の買いから相場のモメンタムが上昇する必要があるでしょう。