BTCはNFT、メタバース銘柄に連れ高 今夜の鍵はインフレ見通しか

14日のビットコイン(BTC)対円相場は179,061円(3.36%)高の5,502,671円と反発。対ドルでは、前日に200日移動平均線をわずかに割り込んでいたが、昨日の反発で同水準を回復した。
ソラナ(SOL)へのDDoS攻撃や、Binanceシンガポールの暗号資産(仮想通貨)交換業登録申請取り下げ、さらには米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を控え、週明けの相場は570万円から一時520万円まで下げ、上値の重い展開で始まったが、昨日はNIKEのRTFKT(バーチャルファッションブランド)買収を好感してNFTとメタバース関連銘柄が上昇。さらに、イーロン・マスク氏が一部テスラ商品のドージコイン(DEGO)決済を可能にする意向をTwitterで表明したことでDOGEが急騰し、BTCはこれらのアルトコインに連れ高となり東京時間から欧州中盤にかけて540万円台半ばまで値を戻した。
その後、対ドルで節目の48,000ドル(≒545.8万円)で相場は失速し、米卸売物価指数(PPI)が前年同月比で9.6%と大幅な伸びとなったことで、今夜のFOMCでテーパリング早期完了が決定される公算が高くなり米株先の下落に連れ安となるも、Block(旧Square)のCashAppが1ドルからのBTC送金機能を発表し反発。今朝方にはNFTとメタバース銘柄がもう一段と高くなるのに連動して550万円台に乗せた。

いよいよ今年最後の目玉イベントとなる12月FOMCが16日朝方に幕を下ろす。6.8%上昇した11月米消費者物価指数(CPI)に加えPPIも衝撃的な高水準となり、テーパリング加速と利上げ前倒しの公算は一層高くなったと言える。ただ、先月末にパウエルFRB議長から早期テーパリング完了の可能性が示唆されて以来、今回のFOMCの結果がタカ派に急シフトすることは、今月4日の暴落から鑑みて市場でも織り込みが進んでいるだろうと想定できる。来年3月でのテーパリング完了と1〜2回の利上げでは、市場にとって大きなサプライズとはならないか。
一方、今回のFOMCでは参加者のインフレ見通しも注目される。パウエルFRB議長もインフレについては「transitory(一時的)」とするのは適切でないと先月に述べており、政策正常化前倒しを持って見通しが下方に修正されるのかが焦点となる。FOMC参加者の22年末時点の個人消費支出(PCE)予想中央値は、3月、6月、9月で2.0%→2.1%→2.2%とジリジリと引き上げられたが、この数値が下方修正されないとなれば、期待インフレが持ち直す切っ掛けともなろう。政策面でよっぽどのタカ派サプライズが出なければ、高インフレが持続するとの見通しからBTC相場が持ち直す切っ掛けともなるか。
200日線を巡る攻防もFOMCの結果にかかっているだろう。続伸の場合、レンジ上限の52,000ドル(≒590万円)を試す展開が視野に入り、同水準の上抜けに成功すれば、相場は下降トレンド脱却と判断できる。





PDFリンク
bitbank Report 2021/12/15:BTCはNFT、メタバース銘柄に連れ高 今夜の鍵はインフレ見通しか