ビットコインは6万ドルを死守 戻りを試すことができるか?

先週(18日〜25日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比104,115円(1.48%)安の6,928,000円と4週ぶりに反落。
ProSharesのビットコイン先物上場投資信託(ETF)、Bitcoin Strategy ETF(BITO)の盛況な取引初日が好感され、700万円周辺から760万円台に乗せ、対ドルで67,000ドル(≒762万円)にタッチしたBTCだったが、史上最高値更新による目標達成感やBinance USでのフラッシュクラッシュ、更には21日のBITOの大幅安に連れて上げ幅を掻き消すと、週末にかけては薄商いのなか節目の60,000ドル(≒683万円)割れをトライする展開に転じた。
一方、60,000ドル絡みで相場は買い支えられ、3月高値の61,788ドル(≒703万円)を背にレンジ内で推移すると、ProShareが、ポジション上限の緩和をシカゴマーケンタイル取引所(CME)に要請したとのBARRON’SのレポートをCoinDeskが報じたこともあり、今朝方からはレンジ上限上抜けをうかがっている。

週後半にかけて失速したBTC相場だが、予て指摘の通り、テクニカル的な過熱感を帯びていたため、ある程度の調整は不可避だったと言える。ただ、足元では、相対力指数(RSI)が70を割り込み、短期の13日移動平均線やボリンジャーバンドのセンターライン付近で相場がサポートされており、テクニカル的には短期調整一巡となってもおかしくないだろう。
米商品先物取引委員会(CFTC)によると、BITOの取引初日となった19日のCMEビットコイン先物市場では、その日の取引終了時点で取組高が13,605枚と3週連続で急増しており、昨年8月の過去最高枚数、14,454枚に迫っている。2020年後半のBTC相場の上昇は、こうしたCMEでの取組高増加に遅行する形で発生していた経緯もあり、CMEのBTC先物市場活発化がリテールマネーの呼び水となるか注目したい。
今週は米住宅価格指数(26日)や個人消費支出(29日)の発表があり、市場が予想する期待インフレ率であるブレークイーブンインフレ率(BEI)が一段と上昇するか否かも注目だ。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で年末時点のインフレ率の予想が引き上げられて以来、BTCと10年物BEIの相関関係は強まってきており、月初時点でゼロ付近で推移していた過去30日間のデータを元にした相関係数は、足元、80を超え強い相関を示唆している。
直近数日のBTC相場は出来高も減少し弱々しい動きとなったが、そろそろ粘り腰を発揮し戻りを試す展開を想定している。





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bitbank Report 2021/10/25:ビットコインは6万ドルを死守 戻りを試すことができるか?