イーサリアムがほぼ棒下げ ビットコインはレンジ下限を試すか

8日のビットコイン(BTC)対円相場は135,545円(3.62%)安の3,613,610円。この日はビットフィネックスでの巨額ショートポジションとマイナーからの送金の検出、さらには今週堅調に推移していたイーサ(ETH)に売りが入り、相場がほぼ棒下げ状態となったことが市場全体の重石となり、ビットコインは欧州時間までに370万円と360万円の節目を割り込んだ。米時間には、ステーブルコインの米サークルのSPAC上場計画発表を好感し下げ止まり、その後は売り一服の様相で小幅に戻したものの、33,000ドル(≒363万円)絡みで上値を重くしている。

昨日未明に公開された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、改めて量的緩和(QE)の段階的縮小(テーパリング)の議論が進んでいることが示された一方で、開始の条件となる経済回復の「一段と顕著な進展」に関しては参加者の間でも依然として達成されていないとの認識が確認された。結局のところ具体的なテーパリング開始のヒントもなく、想定していたよりもタカ派的な印象は薄かった。
イーサリアムは、EIP 1559を盛り込むロンドンハードフォーク実装のブロック高が12,965,000に決定したことによる事実売りが入っている模様で、昨日は9.26%安と主要アルトコインの中でも強く売られた。尤も、売りが出尽くせばハードフォークが予定される8月第一週に向けて相場も復調できる余地があると指摘されるが、目先では200日線の走る21.7万円や対ドルで節目2,000ドル水準となる22万円まで下値余地がありそうだ。
ビットコインの対円相場は、昨日の下落により短期保ち合い下放れとなっており、目先も上値の重い展開が予想される。下値目途としては、6月26日安値の335万円、その下は5月から続くレンジ下限の320万円と見ている。





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bitbank Report 2021/07/09:イーサリアムがほぼ棒下げ ビットコインはレンジ下限を試すか