保ち合い下放れのビットコイン 不安定な値動き続くか

8日のビットコイン(BTC)対円相場は33,832円(0.92%)安の3,658,106円と終値ベースではほぼ変わらず。しかし、アジアから米市場の序盤までは上値の重い展開となり、相場は一時340万円まで下落し、昨日のビットコインの日足は長い下ヒゲを付け安値圏での底堅さも印象付けた。
アジア時間のこの日のビットコインは前日米時間からの下落の流れを汲む形で、370万円から360万円まで一段安。下落の要因としては、①トランプ前米大統領の「ビットコインは詐欺のようだ」という発言、②米連邦捜査局(FBI)がコロニアル・パイプラインのハッカーからBTCを奪回したことで「ビットコインがハックされた」という誤情報、③相場の三角保ち合い下放れが挙げられる。
欧州時間に入ると相場は360万円周辺で下げ渋るも、米国勢の参入後から再び売りが入り、相場は先月23日ぶりに340万円にタッチ。ただ、同水準からは押し目買いが入り反発し、米市場引け後にはアジア時間からの下げ幅をほぼ解消し、足元、360万円台後半で推移している。

10日に迫る欧州中央銀行(ECB)理事会と米消費者物価指数(CPI)の発表を前に、今週は株式も外為市場も様子見ムードが広がっているが、ビットコインは独自の悪材料がでたことで様子見とはならなかった。上述①、②に関しては影響は極めて一時的であると言えるが、③の保ち合い下放れはトレンドフォローの売りを誘う可能性があるため注意したい。
先日、エル・サルバドルのブケレ大統領自らビットコインを法定通貨として認める意向が発表されて以来、アルゼンチンやブラジルといった南米数カ国の政治家もビットコインへの指示を表明しているが、相場は冴えない動きが続いている。コインシェアーズのレポートや当方でも指摘した通り、足元では機関投資家が資金を引き上げる動きが確認されており、こうした投資家の需要が上向くまでセンチメントの改善も難しいと指摘され、悪材料には反応しやすく好材料には反応が鈍い状態が続くか。




